[小児脳死移植の打診6件、実施はゼロ]

(読売新聞  2011年1月17日)


15歳未満の子供からの脳死臓器提供を認める改正臓器移植法が昨年7月
17日に全面施行されてから半年を迎えるが、脳死の可能性がある子供が
昨年末までに少なくとも11人いたことが16日、読売新聞社のアンケート
調査で分かった。


このうち6人については、病院と家族が臓器提供の話し合いまで行ったが、
家族の同意が得られず法的な脳死判定には至らなかった。

一方、病院側が「虐待が疑われる」と判断し、話し合いを見送ったケースも
あり、子供の臓器提供の難しさが改めて浮き彫りになった。


アンケートは、子供からの臓器提供が可能と厚生労働省に回答し、名称の
公表に承諾した全国57施設(昨年12月17日現在)を対象に実施。
大学病院や小児専門病院など54施設から回答を得た(回答率94.7%)。

脳死の可能性がある子供は8施設で計11人おり、交通事故や急性脳症などが
原因だった。

そのうち5施設の6人のケースでは病院が家族に説明したり、家族が申し
出たりして臓器提供の話し合いが行われた。
子供の脳死の場合、まだ幼いのに加え、目の前で事故が起こるケースも多く、
家族のショックは大きい。

西日本で昨年7月に、乳児が車外に投げ出されたケースでは、運転していた
母親自身も事故の被害者だったが、自分を強く責めた。
集中治療室に入る子供に「頑張れ、頑張れ」と声をかけ続けた。
3週間後、医師が臓器提供の説明をすると「良いこととは分かっているが、
子供にメスは入れたくない」と、提供を拒んだ。

残る5人も「重い病気でも育てたい」「このまま一緒に生きていきたい」との
家族の意向もあり、最終的に提供はすべて見送られた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110116-00000821-yom-sci