膿栓(くさだま)・・・強い口臭の一因
[「くさだま」 口臭の一因 微熱などに注意]
(朝日新聞 2010年11月4日)
のどの奥に、白い塊を見つけたことはないだろうか。
この塊はせきやくしゃみをした拍子に飛び出すことがあり、つぶすと強烈な
悪臭がするという。
以前、この塊を、あるお笑い芸人が「くさだま」として紹介していた。
おおいに笑ったが、ふと気になった。
そもそも何?
病気のサインではないのだろうか。
放っておいても平気なのだろうか。
「それは膿栓(のうせん)ですね」
笠井耳鼻咽喉科クリニックの笠井創院長が説明してくれた。
膿栓は扁桃にできる。
扁桃はのどの奥の両側にあり、口や鼻から侵入してくる細菌やウイルスを
捕まえて殺す組織だ。
その表面には、深いしわがあり、ここに死んだ細菌や口の中からはがれ落ちた
皮膚、食べ物のかすなどがたまる。それが固まった白いものが膿栓だ。
膿栓はいわばごみ。
それを栄養に細菌が増殖する。
たまってくると、口の奥に違和感が出たり、口臭の一因になったりする。
ただ、笠井さんは「個人差はありますが、扁桃がある限り、誰にでもできる
もの。特に気になる症状がなければ、通常の膿栓は放置しても大きな問題は
ありません」と話す。
気になる場合は耳鼻咽喉科で取ってもらえる。
笠井さんはうがい薬などで洗った後、専用の機械で吸引し、もう1度洗う。
この間約3分。
太めの綿棒などを使い、自分で取ることもできるが、「固いものを使うのは
のどを傷つける恐れがあるのでやめましょう」と笠井さん。
うがいや、歯や舌の汚れを取るなど、口の中を清潔にすることでも、通常の
膿栓はかなり予防できるという。
気をつけたいのは、膿栓が病気や何らかの症状と関係するケースだ。
旭川医科大耳鼻咽喉科・頭頸部外科の原渕保明教授は「微熱が長引く、口臭が
続く、のどの痛みや異物感がなかなか治らないといった場合は、耳鼻咽喉科に
相談した方がいいでしょう」と勧める。
よくあるのは、膿栓で増えた細菌が、扁桃に過剰な反応を起こさせ、慢性
扁桃炎や扁桃性微熱が続く場合だ。
膿栓を除去して、扁桃を洗うことで、炎症や過剰な免疫反応などの症状を
抑えられることが多いという。
いびきや睡眠時無呼吸症の原因にもなる扁桃肥大や、何度も扁桃炎を繰り返す
習慣性扁桃炎、腎不全につながる恐れのあるIgA腎症や、手のひらと足の裏に
皮疹が出る掌蹠膿疱症などを起こしている場合の扁桃にも、膿栓がよく
みられる。
左右の扁桃の一方だけに膿栓がたくさんある場合はがんの疑いもあるという。
「すぐに病院へ行きましょう」と原渕さんは話す。
(小坪遊)
<相談ナビ>
膿栓と病気の関係や、除去してもらうべきケース、扁桃を取る手術を考える
ケースなどについての情報は笠井耳鼻咽喉科クリニックのホームページに
詳しい。
扁桃が関係することがある他の病気の原因や症状を解説したり、検査や治療の
際にかかる費用の目安も紹介したりしていて、参考になる。
http://www.asahi.com/health/tsuushinbo/TKY201011030139.html