[難治性双極性障害のうつ症状にケタミンが有効]

(HealthDay News  2010年8月2日)


麻酔薬ケタミンが、難治性の双極性障害(bipolar disorder)患者のうつ症状
の軽減に有用であることが、新しい研究で明らかにされた。


米国では人口の4%が生涯のいずれかの時点で双極性障害に罹患するとされ、
うつ症状が疾患の大部分を占めている。

双極性障害の治療法はいくつか承認されているが、治療が奏効しない患者も
いる。

ケタミンは、情報処理や記憶の形成に関与する脳のグルタミン酸作動(神経)
系に作用する薬剤。

米国立衛生研究所(NIH)のNancy Diazgranados博士らによると、最近の
研究でこのグルタミン酸作動系の機能不全が双極性障害に寄与していることが
示唆されているという。


今回の研究は、リチウムまたはバルプロエートによる薬物療法で改善の
みられない双極性障害患者18人を対象としたもの。
被験者の3分の2に精神障害があり、ほぼ全員が失業中であった。
患者をケタミン投与群またはプラセボ群のいずれかに無作為に割り付け、
2週間の間隔で2回静脈内投与。
各注射の前および40、 80、120、230分後、さらに2、3、7、10、14日
後にうつ症状の評価を実施した結果、ケタミン群では投与から40分以内に、
うつ症状がプラセボ群に比べて有意に改善した。
この改善は2日目に最も顕著となり、3日目まで有意であった。
ケタミン群では研究期間中のいくつかの時点で71%の患者に反応が認められた
のに対して、プラセボ群で反応の認められたのは6%であった。
重篤な副作用の報告はなかった。


医学誌「Archives of General Psychiatry(一般精神医学)」8月号に掲載
された今回の研究は、脳のグルタミン酸作動系が双極性障害に関与しており、
これを標的とすれば優れた治療となるエビデンス(科学的根拠)を提示する
ものだと、研究グループは述べている。
今後の研究では、ケタミンの即効性を長期間維持する方法を探る必要がある。


NIHによると、ケタミンはうつ症状の治療として実験的に適応外使用されて
いるが、米国食品医薬品局(FDA)は今回の目的での使用については未だ認可
していないという。


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麻酔薬ケタミンに顕著な抗うつ効果、米大研究」