カテゴリー : 救急蘇生

口から雑菌が入るのを予防する歯ブラシすらも足りない

[「歯ブラシすら足りない」 医薬品届かず医療関係者の悲鳴]

(産経新聞  2011年3月19日)


多くの人が死傷し、避難所で不自由な暮らしを強いられている東北地方の
被災地。
「医薬品が足りない」
「燃料がない」
生命を守る最前線の医療機関からは、医療関係者からの悲鳴が聞こえる。


<生き延びたのに・・・>
津波で1階が水没した宮城県気仙沼市の森田医院を17日朝訪れた小野寺孝さん
(64)は、求めた高血圧の薬を受け取れなかった。
津波でカルテが流され使っていた薬の名前も分からないという。
医院からは医薬品も多く失われた。
森田潔院長は「肺炎や扁桃炎、腸炎を防ぐ抗生物質が足りない。症状を
見分ける血液検査器も、口から雑菌が入るのを予防する歯ブラシすらも」と
話す。


地域の中核病院、気仙沼市立病院の正面玄関には「高血圧や糖尿病など必要
不可欠な薬に限って処方する」との張り紙が。
家を失った被災者は持病薬もともになくし、薬を求め少しでも大きな病院を
目指す。

地震と津波で生き延びながら、その後命を落としたり危険にさらされている
人が相次いでいる。


津波に襲われた宮城県東松島市の避難所では、水にぬれた被災者が「寒いから
寝るな」と声を掛け合う中で高齢者が息を引きとった。
がれきに長時間閉じ込められたことによる低体温症で亡くなった人も相当数
いる可能性がある。

岩手県釜石市の病院では地震による停電で医療機器が止まり入院患者8人が
死亡。

福島県では福島第1原発事故で大熊町の病院からいわき市へ退避した入院
患者のうち14人が避難先で命を落とした。


大震災から1週間がたち、約2,100カ所の避難所で約38万人が生活している。
低温と食料不足が体力を奪い肺炎などの感染症への懸念が強まる中、医薬品の
欠乏も深刻だ。

日本医師会は糖尿病や高血圧などの治療薬や、透析に使う薬品など多くの
種類の薬が現地に届いていないと訴える。



<流通障害足かせ>
医薬品の準備は十分あり、届かない原因はガソリン不足による「流通障害」
だというのが厚生労働省の説明だ。
医療機関の要請は各県の県災害対策本部がまとめ、地元の医薬品卸会社や
組合に要望。
卸が製薬会社に必要量を注文する。
処方箋が必要な医薬品は食品などと違い、医師の要望量を卸が介する経路を
通じなければ出荷できない事情が製薬会社側にはある。

製薬最大手、武田薬品工業(東京)は「被災地の卸会社の要望量には応えて
おり出荷は滞っていない」とし、被災県の都市部にある物流拠点までは届いて
いる薬もある。

だが岩手県によると帰路の燃料を心配し東京からの配送を拒否するケースも。

水沢市内の大手医薬品卸の支店によると、点滴用の輸液は首都圏からの搬入が
滞っている。

被災地域内での配送はさらに条件が悪い。
卸業界はオートバイや自転車も動員し配送に奔走するが遠隔地は難しい。
沿岸部へは17日までに自衛隊ヘリによる医薬品輸送が始まったが、輸送拠点は
絶対的に足りない。
約8,000人と連絡が取れない宮城県南三陸町ではガソリンがなく救急搬送も
できない。


政府は17日夕、石油業界に300台のタンクローリーを追加投入するよう要請。
燃料供給は命に直結している。


被災直後に石巻赤十字病院(宮城県石巻市)で医療活動に当たった、成田
赤十字病院の中西加寿也医師(52)に当時の様子を聞いた。

--現地にいた期間は
「12日夜から14日昼まで。日赤の救護班の一員および災害派遣医療チーム
(DMAT)として派遣された」

--病院の状況は
「到着時、1階のフロアはすべて人で埋め尽くされていた。毛布を敷いて横に
なっている人もいれば、椅子に座っている人もいた。このフロアでは軽症
患者と中等症患者に分けて、それぞれ別のブースで治療に当たっていた。
椅子や簡易ベッドを使っての診察だったが、それ自体は大きな支障は
なかった」
「しかし、治療が終わり、避難所に戻ることが可能と判断されても、電気、
水道、暖房などライフラインが確保されておらず、過酷な環境のため、病院の
中に置いてほしいという人が多く、被災者が院内に滞留する結果になった」

--日中の病院の様子は
「早朝から、ヘリコプターや救急車などが、ひっきりなしに救出した患者を
搬送してきたので、院内の滞留は続いた。13日は、中等症患者の診療を担当
したが、寝かせて診察する場所をつくり出すのに苦労した」

--医薬品は足りたか
「医薬品や検査試薬は、一部で残量が少なくなってきて、さらに補給のめどが
立っていないため、使用するかどうか判断が難しかった。手術は、器具の洗浄
などのための水が不足していることから、原則行われていなかった」

--病院のライフラインは
「通常使用の水は屋上のタンクにある貯蔵分だけで、電気も自家発電
だったが、その燃料も14日まで、食料は入院患者用の備蓄が14日の昼で
なくなってしまうという話だった。幸い電気は13日午後、優先的に供給が
始まり、停電という事態は避けられた。食料も14日早朝、救援物資を積んだ
トラックが到着、何とか間に合ったと思う」

--一番困ったことは
「現地で何が起きているのか、情報を発信する手段が不十分だったことだ。
インターネットも携帯電話も駄目、衛星携帯電話もなかなか使えない。薬が
足りない、赤ちゃんのミルクが足りない、重症患者を別の病院に搬送したい
など、必要なことを伝えたいのに十分できない。病院の会議では、情報発信が
できる地域に出た人は、とにかく石巻の惨状をアピールして、広めてくれと
話し合った」


http://sankei.jp.msn.com/life/news/110319/bdy11031908260001-n1.htm   














救急隊が搬送先の病院誤る 秋田県由利本荘市消防本部

[救急隊が搬送先の病院誤る 由利本荘市消防本部]

(秋田魁新報  2011年2月23日)


由利本荘市消防本部の救急隊が、急病の鳥海地域の男性(80)を、家族に
搬送先として伝えた病院でなく、誤って別の病院に運んでいたことが22日
分かった。

救急隊到着時に心肺停止状態だった男性は、本来の搬送先の病院で死亡が確認
された。
行き先変更による移動に4分かかっており、報告を受けた県メディカル
コントロール協議会本荘由利地域協議会がタイムロスと男性の死亡に因果
関係があるかどうか検証している。


同消防本部によると、17日午前3時50分、自宅で倒れた男性の妻から119番
通報があり、矢島消防署と鳥海分署の救急車が出動した。
同4時9分に途中合流した矢島消防署の救急救命士(34)は、同消防署経由で
同市の本荘第一病院にかかりつけ医がいると聞き、鳥海分署の救急車で
同病院に搬送することを決め、同病院に連絡した。

しかし気道確保や心臓マッサージなどに当たっていたこの救命士は、救急隊長
(34)や運転の消防士(24)に明確に搬送先を伝えず、救急隊長らは
行き先を、搬送件数の多い同市の由利組合総合病院と思い込んだという。

同4時56分、同病院の敷地に入ったところで救命士が誤りに気付き、本荘
第一病院への搬送を指示。
同5時に到着したが、男性は39分後、死亡が確認された。

矢島消防署長らが同日、男性の家族に搬送先誤認について謝罪した。


http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20110223b   




骨髄移植の問題事例

[骨髄移植の問題事例]

(Wikipedia)


<過去に起こった問題事例>
ドナーに対して、骨髄採取時の全身麻酔後に実施する気管挿管について、
訓練と称して救急救命士に実施させていたことが発覚した。
麻酔科医が、手術前にドナーの病室を訪れ、救命士のモルモットになるよう
ドナーに説明を行い、同意書にサインをもとめていた。
なお、本件について担当主治医や骨髄バンクは認識しておらず、ドナーからの
報告で事実が明るみに出た。
日本麻酔科学会から、「バンクドナーを対象とした、救急救命士による気管
挿管の実習は容認できない。」との回答を受け、骨髄バンクは各採取施設の
麻酔科医及び責任医師宛に通達した。


ヘモグロビン濃度が基準を下回るドナーが、チェックミスにより検査をすり
抜け、自己血採血を済ませ、さらに、採取直前までいったものの、最終的に
採取は中止されたといった事例があった。

骨髄提供手術のための入院の際に、院内感染によってC型肝炎を発症し、
職場復帰に数か月を要した事例があった。

2007年3月、ドナー登録者データの登録作業の際に誤って別人のHLA型を
入力するミスがあった。

2009年4月骨髄液採取キットの製造メーカー変更の際、製品仕様の違いに
よりのフィルター部分のろ過未完了の骨髄液(約400mL)を過小算出し、
その分がドナーから過量採取となった事例が1例発生した。
該当ドナーに健康被害は発生しなかったものの、同件について同月中に採取
担当医師各位宛に骨髄移植推進財団から緊急安全情報が通達された。

骨髄バンクの元総務部長が、常務理事(当時)のパワハラやセクハラを理事長
宛てに報告したところ解雇され、東京地裁に訴えをおこした。
裁判所は、元総務部長の訴えをほぼ全面的に認め、骨髄バンクに対し、解雇の
無効とその間の賃金、及び慰謝料50万円の支払いを命じた。
なお、本件については東京高等裁判所にて和解し解決している。



<個人情報の取り扱いについて>
骨髄バンクのドナー登録は、中央骨髄データセンターに対して行うもので
あり、骨髄バンクが管理しているわけではない。
したがって、ドナー登録を取り消しした場合でも、骨髄バンクが所持している
個人情報は削除されない。
また、取り消し後も提供したドナーに対して、ドナーリンパ球輸注療法
(DLI)の協力依頼や患者からの手紙が届く可能性がある。

提供後に住所が変わってしまったために、旧住所に郵便物が届けられ、個人
情報漏洩となったケースも存在する。



<コーディネーターの対応について>
一部の心ないコーディネーターにより、ドナーやその家族とトラブルになる
ケースが発生している。

家族は、ドナーが骨髄を提供することについて快く感じないことが多く、
それらの気持ちに配慮出来ないコーディネーター側の対応が、結果として
家族の顰蹙を買い、コーディネート終了となる場合もある。

また、提供後の健康診断を受診するようにと、ドナーに対して頻繁に電話で
催促したり、場合よっては「昼休みを使って病院まで来てほしい」、「有給や
フレックスを使って時間を作れないか」などの対応がなされる場合もある。
ドナーは、仕事の都合などでなかなか時間を作れない事が多く、最終的に
術後検診を受診出来ないまま、コーディネートが打ち切られてしまうケースも
多々見受けられる。





大雪の青森、救急隊員と消防隊員が一緒に出動「PA連携」

[大雪、救急搬送に影響/青森 ]

(東奥日報  2011年2月1日)


連日の大雪が、救急車による患者搬送の障害になっている。
積雪が5年ぶりに1メートルを超えた青森市では、路肩に積まれた雪山で
道路が狭まり、救急車が現場に入って行けないケースが起きている。

青森消防本部は、患者の搬送を迅速に行うため、救急隊員と消防隊員が一緒に
出動するなどし万全を期しているが、夏場に比べ現場到着時間が2倍になる
ケースも。

担当者は「現場到着の遅れが命を危険にさらすことにつながる」と雪の影響を
懸念している。


青森消防本部によると、1月30日夕、青森市中佃の40代男性宅から119番
通報が入った。
救急隊員は現場に向かう途中、男性宅前の道路幅が積雪で狭まっていることを
把握。
人手が必要になる可能性もあるため消防隊員の応援を要請し、ポンプ車との
2台態勢で現場に向かった。
道幅が狭く、現場まで入って行けないため、救急隊員は80〜90メートルほど
離れた道路に救急車を止めて男性宅へ。
消防隊員は車両の周囲にコーン標識を立てて安全を確保し、自宅で男性を
担架に乗せて救急車まで運んだ。

「無理に自宅前まで救急車が入っていくと、タイヤが雪に埋まり出られなく
なる可能性がある」と青森消防本部警防課の吉崎宏二課長は話す。


青森消防本部は昨年7月から、けがや病気の救急要請を受けた際、消防車
(Pumper)と救急車(Ambulance)が出動する「PA連携」を始めた。
  (1)3階以上の高い建物内で急病人が発生
  (2)交通量が多い場所での事故
  (3)通報段階で既に心肺停止状態
などの場合、救急隊員3人と消防隊員4人が一緒に現場に急行する。
今年1月1〜31日までPA連携での出動は75件(救急車の単独出動は942件)
あった。

PA連携で出動する車両はポンプ車には限らないが、各分署にも配備されて
いるポンプ車の頻度が高い。

出動態勢を強化しているものの、連日の降雪による道路状況の悪化で懸念
されるのが、現場への到着時間の遅れ。
大通りでも渋滞が相次ぎ、小路では狭まった道幅が、さらにすり鉢状になって
いる場所もある。
現場到着時間が、夏季と比べて2倍ほど要することもあるという。

吉崎課長は「この時季は夏場のように速度を上げて走るのは難しい。救急車の
到着が極端に遅くなることはないが、雪の影響を受けるのは確かなので、
ドライバーや市民の協力が不可欠」と話した。


http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2011/20110201160147.asp?fsn=eb33f76037153e93cde084f7e7644d6f





AED体外徐細動器は故障が多く高リスク品目

[FDA諮問委が体外徐細動器に対してより厳しい基準設置を勧告]

(HealthDay News  2011年1月25日)


一連の体外徐細動器のリコール(製品回収・修理)後、米国食品医薬品局
(FDA)諮問委員会はこのデバイス(機器)に対し、より厳しい基準を設ける
ことを勧告した。

自動体外徐細動器(AED)のリコールは過去5年で68件行われた。

また、循環器システムデバイス委員会会議前に発表されたエグゼクティブ
サマリーによれば、FDAでは、救助中に機器の故障が生じ、患者に悪影響を
及ぼすか死亡の一因となった場合など機器の不具合の報告を2万3,591件
受領したという。

米ニューヨークタイムズ誌によれば、同諮問委員会による正式な投票は
行われていないが、大多数のメンバーは徐細動器を高リスク品目に入れる
べきであると述べている。

同委員会の議長である米ペンシルベニア大学(フィラデルフィア)心血管内科
教授のJohn W. Hirshfeld Jr.博士は「品質と信頼性に関する疑問が生じる
多数の徴候がみられる」と述べている。


FDAでは最初、体外徐細動器に低リスク品目を対象とした加速承認プログラム
を適用した。
リコール後、徐細動器の製造業者はこの分類を変えないよう求めたが、FDAは
製造業者がリコールに至った問題点を見直さなかったため、諮問委員会により
厳しい基準設置を勧告するよう依頼しているとAP通信は報じている。

FDAでは、植込み型徐細動器と同様、製造業者が定期的に検査を行い、新しい
製品については追加の臨床データの提供を要望している。

ニューヨークタイムズ誌によれば、FDA心血管デバイス評価局のBram D.
Zuckerman博士は、製造業者がそれを行う期間が1年~1年半になるだろう
としている。
FDAが諮問委員会の勧告に従う必要はないが、通常は従っている。


http://www.healthdayjapan.com/   





救急車のトンデモ利用例集  「歯が痛いから」「蚊に刺された」

[救急車のトンデモ利用例集  「歯が痛いから」「蚊に刺された」・・・]

(J-CASTニュース  2011年1月16日)


「蚊に刺されたからきて」「歯が痛いから」といった、緊急性も必要性も
ないのに救急車を呼ぶケースが目立っている。
お金を払うのがいやなのか、タクシー代わりに使う人もいる。
「搬送途中に『コンビに寄れ』」という悪質な例もある。
新聞報道などから「トンデモ利用」の数々を報告する。



<海水浴で日焼けしてヒリヒリする>
総務省消防庁の調査によれば、2008年の救急車の出動は約512万件。
1998年に比べると約150万件増えた。
怪我や病気などで運搬したのは2008年が468万人で、1998年よりも約110万人
増えている。
救急車の台数は全国に1998年が約5,200台、2008年は約5,900台で運搬人数の
増加に比べればあまり増えていない。


2008年中の救急車出動では、入院の必要がない軽症者が全体の50.7%いた。
救急車の出動回数は年々増え都心ではパンク状態。
このままでは本当に救急車が必要な人が運べなくなると、総務省消防庁は
2011年3月中に、救急車を呼ぶかどうかの基準「救急車利用者マニュアル」
を同庁ホームページに内に作る。

「海水浴で日焼けしてヒリヒリする」「蚊に刺されて痒い」「病院に電話を
かけてもつながらない」など実際の通報事例があるという。

もちろんこんなものでは収まらない。
調べてみると、実にトンデモないものが続々出てくる。

刑事事件になった例もある。
病気やけががないのに、「しんどい。救急車を呼んでほしい」「手首を
切った」と、119番通報を繰り返した和歌山市の男性。
「市消防局によると、容疑者からの通報は2009年3~9月で計約180回に
のぼり、うち約80回で救急車が出動。救急隊員が駆けつけると、自宅のドアを
開けず、『帰れ、アホ』などと暴言を吐いたりした」
(産経新聞2009年10月6日)

また、和歌山市では、「搬送途中にコンビニエンスストアに立ち寄るよう指示
する悪質なケース」「台所に出てきたヘビの駆除をしてほしい」といった
ものも消防局に来ていると同紙は書いている。



<病院が2時間待ちで、一度帰宅し救急車呼ぶ>
診察の待ち時間を短縮するための裏技を考えた人もいる。
「けがをしたという女性が運び込まれた。足の軽傷。実はこの女性は、少し
前に同病院の救急外来を訪れたが、2時間待ちだったため、一度帰宅し
救急車を呼んだのだった」
(新潟日報2010年3月31日)


高松市消防局は軽症なのに救急車を呼ぶ人が増えたため適正な利用をして
もらう運動を始めた。
「救急車が迎えに行くと、本人がきちんと着替えて歩いて出てきたり、
『休日で病院が閉まっているから呼んだ』と言われるなど、明らかにタクシー
代わりに呼んだと思われる」(四国新聞2009年10月27)という悪質な
ケースがあったためだ。


北九州市では2010年の救急出動件数が5万件に迫る過去最高となった。
風邪など入院の必要のない軽い症状で呼ぶ人がなど減らないためで、
「足が痛いので、家まで運んで、と通報した例もあった。消防局は『これでは
本当に救急車を必要とする人の元に行けなくなってしまう』」と嘆いて
いると、西日本新聞が2011年1月14日に書いている。



<入院のために「タクシー代わり」に救急車>
毎日新聞の地方版では2011年1月12日に、三重県津市市内では2010年の
出動件数の約半数が軽症者だったとし、「『包丁で指を切った』『歯が痛い』
などの通報のほか、救急車が駆けつけると、入院の準備をして自宅前で待機
している」などの利用例を挙げている。


総務省消防庁によれば、悪質な救急車の使用例について、「不心得者が増えた
というよりも、救急車をどう使っていいか分からない人がいるから起こって
しまうことなのではないか。また、核家族化が進み、軽症であっても1人の
寂しさから重大な怪我や病気と思い込んでしまうこともあるかもしれない」と
分析している。

総務省消防庁では「救急車利用者マニュアル」の作成を急ぎ、救急車の
利用者に活用してもらいたい、としている。


http://www.j-cast.com/2011/01/16085596.html   





救急搬送時間は東京が最悪 2009年、病院収容まで51分

[救急搬送時間は東京が最悪 09年、病院収容まで51分]

(共同通信  22010年12月3日)


通報を受けてから救急車で患者を搬送、医療機関に収容するまでにかかった
時間は、2009年の都道府県別平均で、東京が51.8分と最も長く、最短の福岡
より24.2分も遅いことが3日、総務省消防庁の救急統計で分かった。

鳥取、沖縄両県を除く45都道府県が前年より遅くなった。


全国平均は前年より1.1分遅い36.1分。

消防庁は遅れについて「救急出動件数の増加が影響しているのではないか」と
した上で、東京については「人口当たりの出動件数が大阪に次いで全国で
2番目に多いことに加え、交通事情の悪さも要因となった可能性がある」と
みている。


http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010120301000535.html   




新生児・小児用人工呼吸器も電磁波過敏症

[「メトラン」の新生児・小児用人工呼吸器に不具合 自主改修へ]

(産経新聞  2010年11月15日)


医療機器メーカー「メトラン」(埼玉県川口市)は15日、同社の新生児・
小児用人工呼吸器「カリオペ」と「カリオペアルファ」に電磁波などが原因で
誤作動が生じる不具合が判明したため、自主改修に乗り出したと発表した。

自主改修の対象は全国119施設計276台で、社員が各施設を訪問してソフト
ウエアの交換を行うという。
健康被害は報告されていない。


メトランによると、5年ほど前から「カリオペ」などを使って患者に酸素を
送っている際、電磁波などのノイズが原因でリセット信号が発せられ、酸素が
送られなくなったり、警報音が短時間で止まる事例が報告されるように
なった。
同社では不具合が生じるたびに個別に改修を行ってきたが、完全に改善され
ないことから、全機のソフトウエアを交換することに決めた。

メトランでは「カリオペなどの誤作動による健康被害はこれまでに報告されて
いない」とした上で、「納入先についてはすべて掌握し、すでに文書による
連絡も行っており、速やかに改修したい」としている。



http://sankei.jp.msn.com/life/body/101115/bdy1011151834001-n1.htm
   

救急医療:栃木県が「感謝のメッセージ」小冊子を作製

[救急医療:栃木県が「感謝のメッセージ」小冊子を作製]

(毎日新聞  2010年9月11日)


栃木県は救急医療現場で働く医師を励ますため、患者らから寄せられた感謝の
言葉を紹介した小冊子「救急医療を担う医師への感謝のメッセージ」を作製
した。

県内72の救急医療機関に配布する。

メッセージは24点。
「私は彼らによって生かされている。だから、どんなことにも挑戦する勇気が
わいてくる」
「1日1日を大切に生きています」
など医師への感謝と生きる喜びを率直な言葉でつづっている。


「激務に耐えている医師と患者の相互理解につながれば」と県の担当者。
深刻な医師不足の中、患者が紡ぎだした言葉が、疲れた医師の心と体を癒やす
ビタミンになることを願っている。

【山下俊輔】

http://mainichi.jp/select/science/news/20100911k0000m040024000c.html  

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心肺蘇生法と愛:救急の日に思う(1)

[心肺蘇生法と愛:救急の日に思う(1)]

(朝日新聞  2010年9月9日)(中村通子:朝日新聞編集委員)


今日、9月9日は「救急の日」です。
救(9)と急(9)で9月9日。
分かりやすいですね。
各地の消防本部などで、救急の日にちなんだ催しがあると思います。

医療者でなくてもできる救命行為が、心肺蘇生法です。
突然心臓が止まった人に、心臓マッサージと人工呼吸をし、命を救う技術
です。

私は、13年前の1997年夏に、心肺蘇生法を学びました。
「先生」は、当時兵庫県立健康センター所長だった河村剛史さん(現在は、
神戸市灘区で河村循環器病クリニックを開いておられます)でした。
日本での心肺蘇生法普及に尽力された「開祖」といえる方です。


このときの取材は、13年たった今でも忘れられない、強烈に心に残るもの
でした。
圧迫点の探し方や胸を押す力加減、息の吹きこみ方など、いろいろな技術に
こだわる私に、河村さんはこういいました。
「心肺蘇生法で、1番大切なことはなんだと思う?」
そして続けて「個々の技術も大切だけど、1番大切なのは『愛』なんだよ」

『愛』とは何か。
要領を得ない顔の私に、河村さんは、こんな話をしてくれました。


中学校を訪れ、生徒たちに心肺蘇生法の指導をしていたら、ある生徒が発言
した。
「先生、僕は手が不自由です。だから心肺蘇生はできません」
河村さんは、こう言いました。
「何を言っているんだ。君には、立派な足も、大きな声もあるだろう。手が
不自由なら、足で心臓マッサージをすればいい。走って大声で誰かに助けを
求めればいい。心肺蘇生法で1番大切なことは、自分に何ができるか考える
ことなんだ」

目の前で倒れた人を救いたい、という気持ちこそが愛。
これは勇気とも言い換えられるでしょう。


兵庫県姫路市のある中学校でのエピソードも教えてもらいました。
心臓が悪い1年生がいた。「学校で発作が起きたら、どうしよう」と心配した
同級生が話し合い、1年生みんなで心肺蘇生法を学べばいいという結論を
出した。
この生徒たちが翌年、新入生に教えた。
3年目には、心臓病の子がどこで倒れても、だれでも助けられる学校に
なった。

この子たちの「愛」の大きさに感動するのは、私だけではないと思います。
 

道路で倒れた人を見かけたとき、ためらわず近寄って「大丈夫ですか?」と
声をかける勇気。
これこそが、心肺蘇生法なのです。
自分の手技に自信がなければ、大声で急を告げればいいのです。
駆けつけた人の中に、技術を持つ人がきっといるでしょう。

人間としてとても大切なことを、この取材で学びました。



さて、2年前の産経新聞にこんな記事が載っていました。
「飛行機内で救命中、傍観乗客の視線と写真撮影でPTSDに」という見出し
です。
内容を要約すると「飛行機内で、心臓が突然止まった男性に、乗りあわせた
女性会社員が心肺蘇生法をして、救命した。やじ馬状態の他の乗客たちに
写真を撮られるなどして、治療が必要なほど深い心の傷を負った」というもの
です。

記事によると、中高年の日本人男性乗客たちが「やめたら死ぬんでしょ」
などといいながら携帯やビデオで撮影をし、彼女に手を貸す人はおらず、
客室乗務員さえ手伝わなかったそうです。

人工呼吸や心臓マッサージはとても体力を使います。
プロの救命士や救急医でも、分刻みで交代しながら続けます。
同じ飛行機に乗りあわせただけの見知らぬ男性を救おうと、愛と勇気で心肺
蘇生に力を振りしぼっている人に、なぜそんなに冷酷な仕打ちができるので
しょうか。
怒りを通りこして、哀しみしか感じられません。


以前のブログ「夏の運動2」で、Barbieindyさんが、コメントで心優しい
若者のエピソードを寄せて下さいました。
煮えるように暑い大阪の路上で倒れていた高齢の女性に、救急車が来るまで
じっと日傘を差し掛けていた若者がいた、というお話でした。

飛行機の乗客と、なんという違いでしょう。


「大丈夫ですか」
「手伝いましょう」
「交代しましょう」
このひと言が言える人間でありたい。
その勇気を持てる人であり続けたい。
救急の日に、そんな思いを強くしています。



【ちょこっとメモ】
心肺蘇生法の手技は、時代や普及団体によって少しずつ変わっている。
上の本文に紹介した図は13年前なので胸の圧迫回数などが、今の「お作法」と
少し違う。
また、自動式除細動器(AED)がまだない時代だったので、当然、AEDに
ついても触れていない。

最新の心肺蘇生手技については、下記の諸団体のホームページで確認して
ほしい。
地元の消防本部や日本赤十字社支部などが講習を開いているので、webで見る
だけでなく、ぜひ実際に体で学んで下さい。


https://aspara.asahi.com/blog/emergency/entry/k7Up5cEVds   



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