[救急車のトンデモ利用例集 「歯が痛いから」「蚊に刺された」・・・]
(J-CASTニュース 2011年1月16日)
「蚊に刺されたからきて」「歯が痛いから」といった、緊急性も必要性も
ないのに救急車を呼ぶケースが目立っている。
お金を払うのがいやなのか、タクシー代わりに使う人もいる。
「搬送途中に『コンビに寄れ』」という悪質な例もある。
新聞報道などから「トンデモ利用」の数々を報告する。
<海水浴で日焼けしてヒリヒリする>
総務省消防庁の調査によれば、2008年の救急車の出動は約512万件。
1998年に比べると約150万件増えた。
怪我や病気などで運搬したのは2008年が468万人で、1998年よりも約110万人
増えている。
救急車の台数は全国に1998年が約5,200台、2008年は約5,900台で運搬人数の
増加に比べればあまり増えていない。
2008年中の救急車出動では、入院の必要がない軽症者が全体の50.7%いた。
救急車の出動回数は年々増え都心ではパンク状態。
このままでは本当に救急車が必要な人が運べなくなると、総務省消防庁は
2011年3月中に、救急車を呼ぶかどうかの基準「救急車利用者マニュアル」
を同庁ホームページに内に作る。
「海水浴で日焼けしてヒリヒリする」「蚊に刺されて痒い」「病院に電話を
かけてもつながらない」など実際の通報事例があるという。
もちろんこんなものでは収まらない。
調べてみると、実にトンデモないものが続々出てくる。
刑事事件になった例もある。
病気やけががないのに、「しんどい。救急車を呼んでほしい」「手首を
切った」と、119番通報を繰り返した和歌山市の男性。
「市消防局によると、容疑者からの通報は2009年3~9月で計約180回に
のぼり、うち約80回で救急車が出動。救急隊員が駆けつけると、自宅のドアを
開けず、『帰れ、アホ』などと暴言を吐いたりした」
(産経新聞2009年10月6日)
また、和歌山市では、「搬送途中にコンビニエンスストアに立ち寄るよう指示
する悪質なケース」「台所に出てきたヘビの駆除をしてほしい」といった
ものも消防局に来ていると同紙は書いている。
<病院が2時間待ちで、一度帰宅し救急車呼ぶ>
診察の待ち時間を短縮するための裏技を考えた人もいる。
「けがをしたという女性が運び込まれた。足の軽傷。実はこの女性は、少し
前に同病院の救急外来を訪れたが、2時間待ちだったため、一度帰宅し
救急車を呼んだのだった」
(新潟日報2010年3月31日)
高松市消防局は軽症なのに救急車を呼ぶ人が増えたため適正な利用をして
もらう運動を始めた。
「救急車が迎えに行くと、本人がきちんと着替えて歩いて出てきたり、
『休日で病院が閉まっているから呼んだ』と言われるなど、明らかにタクシー
代わりに呼んだと思われる」(四国新聞2009年10月27)という悪質な
ケースがあったためだ。
北九州市では2010年の救急出動件数が5万件に迫る過去最高となった。
風邪など入院の必要のない軽い症状で呼ぶ人がなど減らないためで、
「足が痛いので、家まで運んで、と通報した例もあった。消防局は『これでは
本当に救急車を必要とする人の元に行けなくなってしまう』」と嘆いて
いると、西日本新聞が2011年1月14日に書いている。
<入院のために「タクシー代わり」に救急車>
毎日新聞の地方版では2011年1月12日に、三重県津市市内では2010年の
出動件数の約半数が軽症者だったとし、「『包丁で指を切った』『歯が痛い』
などの通報のほか、救急車が駆けつけると、入院の準備をして自宅前で待機
している」などの利用例を挙げている。
総務省消防庁によれば、悪質な救急車の使用例について、「不心得者が増えた
というよりも、救急車をどう使っていいか分からない人がいるから起こって
しまうことなのではないか。また、核家族化が進み、軽症であっても1人の
寂しさから重大な怪我や病気と思い込んでしまうこともあるかもしれない」と
分析している。
総務省消防庁では「救急車利用者マニュアル」の作成を急ぎ、救急車の
利用者に活用してもらいたい、としている。
http://www.j-cast.com/2011/01/16085596.html