カテゴリー : アルツハイマー

抗生物質で神経細胞成長 損傷回復の仕組み解明

[抗生物質で神経細胞成長 損傷回復の仕組み解明]

(共同通信  2010年11月20日)


にきびの治療などに使われる抗生物質「ミノサイクリン」に、神経細胞を長く
伸ばし成長させる働きがあるとの研究結果を橋本謙二千葉大教授(神経科学)
らが20日までにまとめた。


橋本教授らは、覚せい剤中毒で脳の神経細胞を損傷させたサルにミノ
サイクリンを投与し、神経の機能を回復させることに成功している。

パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患でも、動物実験で改善
したとの報告もある。

橋本教授は「今回の研究で、なぜ効くかという仕組みの一端が分かった」と
している。

橋本教授らは試験管内の実験で、ラットの神経前駆細胞にミノサイクリンを
投与。
濃度の高さに応じて、軸索という細長い突起が伸びる細胞が増えた。
細胞の中で、遺伝子情報を読みとりタンパク質の合成を始めさせる働きがある
分子が増えていた。
この分子がないと、ミノサイクリンを投与しても軸索が伸びる細胞は増え
なかった。

ミノサイクリンはこの分子に働きかけて、神経細胞の成長を助けている
らしい。

研究結果は米科学誌プロスワン電子版に発表した。



http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010112001000398.html
   

脳の働き、食事で改善

[脳の働き、食事で改善]

(日本経済新聞 日経プラスワン  2010年11月20日)


<重要な脂肪、小魚おすすめ>
うつ病、認知症などの患者が増え、集中力の低下や感情のコントロールに悩む
現代人も少なくない。
この原因の1つに食習慣の問題があると考える医者や学者が目立ってきた。
脳の働きを改善するといわれる食事法についてまとめた。


脳には千数百億個の神経細胞が集まっている。
目や耳などで得た情報は、神経細胞を伝う形で脳内を駆け巡る。
脳の働きが良いとは、この細胞間の情報伝達が円滑に進むことだ。


脳の働きを良くするには、細胞が喜ぶ食物を取ることが大切だ。
理化学研究所脳科学総合研究センターの吉川武男医学博士は「神経細胞は
日々の食事で取る脂肪でつくられる」と語る。
脂肪のほか、細胞間で情報を伝える物質の主原料であるタンパク質、情報
伝達のエネルギー源となる炭水化物は、脳にとって重要な栄養素といえる。


専門家の間で脳の働きを改善するため特に重視されているのは脂肪だ。
栄養療法の権威、米国のマイケル・レッサー医学博士は、「神経細胞は主に
オメガ3脂肪酸という油で作られるが、体内では作られないため、食事で
積極的に取る必要がある」という。

体に良いとされるドコサヘキサエン酸(DHA)はオメガ3脂肪酸の一種だ。
具体的には、オメガ3脂肪酸を豊富に含む亜麻仁油や小魚などがお勧めだ。
亜麻仁油は加熱せず、サラダなどにかけて食べるとおいしい。
個人差はあるが、毎日小さじ1杯でも、健康効果が得られるという。



<大切な大豆・玄米>
また、大豆や玄米などに含まれるリン脂質のレシチンを取ることも大切だ。
プロスポーツ選手の栄養指導を行う杏林予防医学研究所の山田豊文所長は
「レシチンは神経細胞の細胞膜などを構成する物質で、IQ食品とも呼ばれて
いる」と話す。


食べ過ぎに注意したいのは、マーガリンやショートニングなどに含まれる
トランス脂肪酸という油だ。
動脈硬化を起こす恐れがあるという理由で、欧米や韓国などでは成分表示や
使用規制が課せられている。
日本でも消費者庁が成分表示の義務化に向けた検討を12月に始める。
内閣府・食品安全委員会が食品ごとの含有量を公開している。

英国ではトランス脂肪酸が脳の活動に必要な酵素の活動を損ねるという論文が
発表されている。
「2000年以降は類似の論文発表が多く、摂取は控えた方がよい」(九段
クリニックの阿部博幸医学博士)という見解もある。



<穀物や豆多めに>
神経細胞間の情報伝達に関係するタンパク質や炭水化物も大切だ。
積極的に取りたいタンパク質は、タコやイカに多く含まれるアミノ酸の一種、
タウリンで、集中力を高める効果がある。
「脳が興奮してくるとイライラしがちになるが、タウリンがその興奮を
抑える」(幼児教育などを手掛けるしちだ・教育研究所の七田真裕美副社長)
という。

日常的には、穀物や豆など、植物性のタンパク質を多めに取りたい。
「植物性の食品は動物性食品に比べて、神経細胞の生成に必要なビタミンや
ミネラルが多く、脳の働きの改善につながる」(阿部医師)


動物性タンパクは主に小魚から取るのが良いが、肉も必要だ。
「油の少ない良質な肉やビタミンB3を摂取すると、脳内でうつ状態などの
改善に役立つ化学物質が作られる」(阿部医師)といわれる。
食べ過ぎは体の負担になるので良くないが、週に最低100グラム程度は食べた
方がよいという。



神経伝達物質を送り出すエネルギー源になる炭水化物についても、以前は
砂糖を取ると頭の働きが良くなるとされていた。
しかし、今は「血糖値を急激に上げ下げするため脳の働きが不安定になる」
(山田所長)という見方が増えている。

そこで活用したいのが、炭水化物が消化されてブドウ糖に変化するまでの
速さを示す「グリセミック指数」だ。
この数値が低い(変化まで時間がかかる)玄米や全粒粉のパン・パスタなどの
食品を取るのがお勧め。
難しければ胚芽米や普通のパスタなども良い。

消化を良くするため、これらの食品をよく噛んで食べることも大切だ。
また、どうしても不足しがちなビタミン、ミネラルなどの栄養はサプリメント
を通じて取ってもよい。



<海藻や豆、解毒作用ある食品も>
現代社会では、日々の食材から有害な物質を無意識に取り込んでしまうことが
多い。
「農薬や水銀などは脳の健康にも当然良くない」(阿部医師)

魚介類に含まれる水銀の量は農林水産省・水産庁が公開している。
大型の魚ほど、食物連鎖により水銀の濃度が高まる。
オメガ3脂肪酸の摂取源として小魚が推奨されるのはこのためだ。

ただ、食材にこだわっても、有害物質を全く取り込まないのは難しい。
そこで知っておきたいのは、有害物質を排出する効果のある食品だ。
例えば、「海藻や豆などに含まれる亜鉛は肝臓で働く解毒酵素の材料になり、
タマネギや玄米などに含まれるセレンは水銀を無毒化する作用がある」
(山田所長)という。

http://www.nikkei.com/life/health/article/g=96958A96889DE3EAE7E3E1E5E1E2E3EBE3E3E0E2E3E285E3E1E2E2E3;p=9694E0E4E3E0E0E2E2EBE1E3E2E3

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・「克山病(セレン欠乏症)

・「セレンレベルが高い高齢男性は糖代謝異常になりにくい

・「血糖値上げる肝臓ホルモン発見=金沢大






ビタミンBに脳萎縮の抑制効果、アルツハイマー病予防に期待

[ビタミンBに脳萎縮の抑制効果、アルツハイマー病予防に期待]

(AFPBB News  2010年9月9日)

発信地:ロンドン/英国

【9月9日 AFP】
毎日多量のビタミンBを摂取することで、アルツハイマー病の兆候の1つで
ある脳の萎縮の速度を最大で半分に抑え、発病を遅らせたり予防したりできる
可能性があるとの研究結果が9日、米科学誌「Public Library of Science
ONE」に掲載された。


脳の萎縮は老化とともに自然に発生するが、アルツハイマーや認知症の前兆と
される軽度認知障害(MCI)患者では通常より速く進行する。
調査は2年間にわたって、MCIと診断された70歳以上のボランティア168人を
対象に実施された。

被験者の半分には高濃度のビタミンB(葉酸、B6、B12)の錠剤を投与し、
脳萎縮を調べた。
残りの被験者には薬効のないプラシーボ(偽薬)が使用された。

ビタミンを摂取した被験者の脳萎縮の進行は、平均で30%、最大で53%遅く
なったことが確認されたという。


この論文を発表した英オックスフォード大学とノルウェーの研究チームは、
ビタミンを使った治療が病気の進行を遅らせ、さらには予防も可能になる
ことを期待しているが、それにはさらなる研究が必要であると強調している。


研究者らは、研究で使ったビタミンBは通常の食事やサプリメントに含まれる
より大幅に高濃度だったことを指摘し、長期間摂取した場合の影響が分かって
いないため、この研究をうのみにして大量のビタミンBを摂取しないよう
呼びかけている。


http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2754224/6160421   



アルツハイマー予防にビタミンBの効果期待 英研究

[アルツハイマー予防にビタミンBの効果期待 英研究]

(ロンドン CNN  2010年9月10日)


アルツハイマー病の前触れとなる軽度認知障害(MCI)の高齢者が毎日
ビタミンBを摂取すれば、脳萎縮を抑制できるかもしれないとする実験
結果を、オックスフォード大学の研究チームが9日の科学誌で発表した。


研究チームは軽度の記憶障害がある168人を被験者として、半数にビタミン
Bの錠剤を、残り半数には偽薬を2年間にわたり服用してもらい、MRI
(磁気共鳴断層撮影装置)を使って脳萎縮の程度を調べた。

その結果、葉酸、ビタミンB6、B12を含む錠剤を飲んでいたグループの
脳萎縮率は年間0.76%だったのに対し、偽薬を飲んでいたグループは1.08%と
萎縮が進行していた。


軽度認知障害からアルツハイマーを発症する人は脳が急速に萎縮することが
分かっており、ビタミンBにはアルツハイマーの発症を遅らせる効果がある
かもしれないと研究チームは指摘する。


ただし今回の実験は被験者が少なく期間も短かったことから、実験を行った
オックスフォード大学薬理学部のデビッド・スミス氏は「非常に有望な結果
ではあるが、ビタミンBにアルツハイマーの発症を遅らせたり予防したりする
効果があるのかについて結論を出すには、さらに実験を行う必要がある」と
解説。
「年を取って物忘れが不安になり始めた人が、医師に相談することなく
ビタミンBのサプリメントに飛びつくことはまだ勧めない」と釘を刺して
いる。


研究に資金提供したアルツハイマー病研究財団も、このたびの調査で重要な
結果を得られたが、さらなる研究が必要と述べている。


http://www.cnn.co.jp/world/30000166.html   





嗅覚検査でアルツハイマー診断 鳥取大、治療にも好影響

[嗅覚検査でアルツハイマー診断 鳥取大、治療にも好影響]

(共同通信  2010年8月23日)


物忘れなどの症状が極めて少ない早期のアルツハイマー病を、においの検査で
見分ける手法を鳥取大の研究グループが23日までに開発した。

アルツハイマー病に根本的な治療法はないが、投薬や非薬物療法を早く始める
ことで、病気の進行を食い止める効果が高くなるとしている。


アルツハイマー病では、症状が目立たないごく早期から嗅覚異常が現れる
ことが知られており、これを応用した検査の実用化が急がれている。

鳥取大グループは、日本人になじみのあるにおいを選ぶなどの工夫で、ごく
早期での病気の判別を可能にしたという。

鳥取大リサーチアシスタントの神保太樹さん(生体制御学)や浦上克哉同大
教授(同)らのグループが採用したのはヒノキやメントールなど12種類。

認知症の簡易テストや診察で早期アルツハイマー病とされた平均約80歳の
早期患者33人と年齢の近い非患者40人で、におい検査を実施。
早期患者には脳の画像診断などから病気の有無を確認した。


http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010082301000608.html   



嗅覚障害 副鼻腔炎も一因

[耳鼻咽喉科(3)嗅覚障害 副鼻腔炎も一因]

(読売新聞  2010年2月26日)


京都市西京区の工芸作家、畑中義明さん(62)は2005年、鼻の中にできた
ポリープを取る慢性副鼻腔炎の手術を受けた。
しかし、長年の鼻づまりから解放されたのもつかの間、今度は、においが
わからなくなってしまった。

においがわからないと、食べ物の味も変わってしまう。
カレーを食べても辛いだけ。
コーヒーは苦さしか感じない。

嗅覚障害の専門家を本で探して翌年10月、金沢大病院(金沢市)耳鼻咽喉科の
三輪高喜さん(現・金沢医大病院耳鼻咽喉科教授)を受診した。

においを感じる部分は、鼻の上部の1番奥にある。
畑中さんは副鼻腔炎の手術で空気の通り道を広げたせいで、においを感じる
鼻の奥への通り道は逆に狭まっていることがわかった。
そこで、鼻の穴から器具を入れ、狭まった部分を広げる治療を受けた。
局所麻酔で済み、入院は必要ない。
その後はしばらく、炎症を抑えるためにステロイドの点鼻薬を続けた。
症状に波はあるものの、徐々に良くなりつつある。


三輪さんによると、嗅覚障害は人口の1%にあるとされ、においを感じ
なかったり、感覚が変わったり、何もないのににおいを感じたりと、様々な
タイプがある。
多くは畑中さんのように、においがわからなくなる患者だ。


受診する人の原因で最も多いのは、慢性副鼻腔炎に伴うものだ。
特に「好酸球」というアレルギー細胞が関係するタイプでは、粘膜がはれて、
においを感じる部位まで空気が届かず、嗅覚障害を招くことが多い。
治療で8割は治るが、においを感じる神経細胞が傷ついていると治りにくい。


原因で次に多いのが、風邪のウイルスで、においを感じる神経細胞が壊れて
しまった場合だ。
神経細胞は再生力があるため半数の患者は完治するが、全く戻らない患者も
2割いる。


このほか頭を強く打ったために起きる神経障害もあるが、治療は難しい。
全体の4分の1は原因不明で、加齢によるものが多いとみられている。


また最近の研究で、神経の病気であるアルツハイマー病やパーキンソン病の
前兆として、嗅覚障害が起きることもわかってきた。


三輪さんは「風邪などをきっかけに内科にかかるケースも多いと思うが、
嗅覚障害はまず耳鼻科で診てもらってほしい」と話している。


http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=21313   






嗅覚の低下はアルツハイマー病の早期徴候

[嗅覚の低下はアルツハイマー病の早期徴候]

(HealthDay News  2010年1月12日)


マウスを用いた研究で、嗅覚低下がアルツハイマー病の早期指標となる
可能性が示され、医学誌「神経科学」1月13日号で報告された。

アルツハイマー病患者の嗅覚が低下することはすでに知られているが、今回の
研究ではアミロイド斑(アルツハイマー病の原因となる脳内の蓄積物)の
発生と嗅覚低下との直接的な関連が明らかにされた。


研究グループは、マウスの脳の嗅覚をつかさどる部位に最初にアミロイド斑が
発生することを突き止めた。
また、試験の結果、アミロイド斑のあるマウスはにおいを嗅いで覚えるのに
要する時間が長く、異なるにおいの嗅ぎ分けにも困難を伴うことが判明した。


研究共著者の1人である米ニューヨーク大学医学部のDaniel W. Wesson氏は
「特筆すべき点は、マウスの嗅覚行動試験の成績により、3カ月齢の若い
マウス(ヒトでは若年成人に相当)における脳内のごく微量のアミロイドの
存在まで検知できたことである」と述べている。
「脳スキャンとは異なり、嗅覚検査は安価であり、アルツハイマー病早期
診断の代替法となる可能性をもつ点で、この知見は意義がある」と同氏は
付け加えている。


http://www.healthdayjapan.com/   

緑内障は眼のアルツハイマー病とも呼ばれる

[新しい点眼薬で緑内障の視力が回復する可能性]

(HealthDay News  2009年8月4日)


「神経成長因子」(NGF)を用いた新しいタイプの点眼薬に、網膜細胞および
視神経細胞を保護する作用がみられ、緑内障患者の視力を回復させる可能性も
あることが、イタリアの研究で示された。
NGFの点眼により緑内障を治療できる可能性を示した研究は今回が初めてで
あると、イタリア、ローマ大学の Stefano Bonini博士は述べている。

この知見は、米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National
Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に8月3日掲載された。


米緑内障研究財団(カリフォルニア州)によると、緑内障は視神経が徐々に
侵され視力低下や失明の原因にもなる眼疾患で、年齢問わず発症するが、特に
高齢者ではリスクが高い。
世界で失明原因の第2位となっており、米国では約400万人が罹患し
(約半数は自覚がない)、約12万人が失明している。
米国では緑内障が失明原因の10%を占めているという。
最新の治療によって眼圧を軽減し、進行を遅らせることはできるが、失われた
視力を回復する治療法はこれまでなかった。


著者らは、過去の研究でヒト組織中にみられるタンパクであるNGFが
パーキンソン病やアルツハイマー病患者の脳組織の治療に有益であることが
示された点に着目。
発症の仕方が似ていることから、緑内障は「眼のアルツハイマー病」とも
呼ばれるという。

今回の研究では、緑内障を誘発したラットにNGF の点眼薬を2通りの用量で
投与した結果、特に高用量で網膜神経が死滅する比率が有意に低下することが
わかった。

次に、進行した緑内障患者3人を対象にNGF点眼薬を使用し、治療前、治療
開始後3カ月、治療終了後3カ月に眼機能を検査した結果、2人に視力の
改善が認められ、もう1人は治療後に視力の安定がみられた。
さらに、視野、視神経機能、対比感度および視力の改善は、初回の点眼薬投与
から18カ月後でも維持されていた。


ただし、Bonini氏によると、現在NGFは臨床で使用できず、今回の結果に
ついても大規模な臨床試験による裏付けが必要であることから、この治療法が
すぐに利用可能になるわけではないという。
しかし、理論的にはこの知見が眼疾患のほかさまざまな神経変性疾患の新しい
治療選択肢につながる能性があると、研究チームは述べている。

http://www.healthdayjapan.com/   





ビタミンB12不足が高齢者の脳を萎縮させる

[ビタミンB12不足が高齢者の脳を萎縮させる]

(HealthDay News 2008年9月8日)


血液中のビタミンB12値が低い高齢者は、脳の萎縮や収縮リスクが増加する
ことが、英オックスフォード大学の研究で明らかになった。
脳の萎縮は、アルツハイマー病や認知機能障害と関連づけられている。


医学誌「Neurology(神経学)」9月8日号に掲載された研究では、ビタミン
B12値が低いと実際に脳萎縮が起こることは確認されてはいないながらも、
研究の共著者で同大学生理学、解剖学、遺伝学部の登録栄養士(RD)の
Anna Vogiatzoglou氏は「特に高齢者や菜食主義者、妊婦、授乳期の女性、
幼児など、B12の欠乏に弱い人たちは、B12の数値にもっと気をつけなければ
ならず、数値を維持するために、バランスがとれ、バラエティーに富んだ
食事を取るなどの措置を講じる必要がある」としている。

ビタミンの主な供給源は、肉や魚、牛乳、強化シリアルなどだが、研究者に
よると、ビタミンB12不足は、特に高齢者の間では、公衆衛生学上の問題に
なっているという。


研究は、開始時点では認知機能が正常だった61歳~87歳の被験者107人を
対象に、年1回の臨床検査、磁気共鳴画像診断(MRI)、認知テスト、血液
採取を行った。


研究開始時点でビタミンB12値が低かった被験者は、脳の容積がより減って
おり、B12値が最も低かった被験者は、最も高かった被験者と比較して、脳の
容積が6倍も減っていた。

また、興味深いことに、B12が不足していた被験者は1人もおらず、標準
範囲の中で数値が低いというだけのことだった。


今のところ、B12と脳の関連についての生物学的機メカニズムは解明されて
おらず、B12を増やすことで、脳の萎縮を防げるかも定かではない。


Vogiatzoglou氏は「現在、オックスフォードで、記憶障害もつ高齢者を対象に
B12を含むビタミンBを摂取してもらう臨床試験を行っており、ビタミンB類が
実際に脳の収縮を遅らせることができるのかを検討している。
試験は2009年に完了する予定だ」と述べている。


http://www.healthdayjapan.com/  





嗅覚の低下がアルツハイマー病の予測因子に

[嗅覚の低下がアルツハイマー病の予測因子に]

(薬事日報)
(HealthDay News  2007年 7月3日)


嗅覚の低下が認知障害の初期の徴候である可能性が示され、米医学誌
「Archives of General Psychiatry」7月号に掲載された。

研究を率いた米ラッシュアルツハイマー病センター(シカゴ)神経心理学
教授のRobert S. Wilson氏によると、すでに軽度の認知障害がある人に
嗅覚の低下がみられることは過去に報告されているが、研究開始時に認知
障害が全くない人を対象にしたのはこの研究が初めてだという。


今回の研究では、平均年齢約80歳の高齢者589人を対象に、12種類の匂いを
嗅がせ、それぞれ4つの選択肢から同じ匂いを選ばせる嗅覚検査を実施。
その後、神経機能および認知機能の検査を年1回、5年間行った。
研究期間中に117人がアルツハイマー病の初期徴候と疑われる軽度の認知
障害を発症。
嗅覚検査の成績が平均未満であった人は、平均以上だった人に比べ軽度認知
障害の発症率が50%高いことがわかった。

この結果は、アルツハイマー病が脳の特定部位の障害から始まり、それが
広がって思考領域を侵していくという考えに一致するものだとWilson氏は
述べている。


米アルツハイマー病協会(AA)医学科学諮問委員会のSam Gandy博士は
この理論をおおよそ支持しているものの、嗅覚検査が認知障害の指標になると
主張するには、第2、第3の集団で二重盲検法による評価が必要と指摘して
いる。


今回の研究で用いられた嗅覚検査の開発者、米ペンシルベニア大学メディカル
センターのRichard L. Doty氏によると、この検査はすでに臨床の場で利用
されているという。

パーキンソン病およびアルツハイマー病の患者を血縁者にもつ人を対象に
この検査を実施した結果、後に疾患を発症する人には嗅覚の低下がみられる
ことが示されており、鑑別診断にこの検査を利用する神経科医もいるという。

この検査は5分ほどで実施できるが、Wilson氏によれば、アルツハイマー病の
進行を止める有効な治療法がない現在、誰もがすぐにこの検査を受けるべきと
いうわけではないという。

しかし、脳のアミロイド蓄積を標的とする薬剤が有望であることが示されて
おり、もし疾患の進行を止める治療が可能になれば、早期発見にも意義が
あるという。

ただし、その場合でも嗅覚検査単独での診断ではなく、さまざまな方法の
うちの1つとして用いられることになるとしている。

http://www.yakuji.co.jp/entry3725.html    


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