カテゴリー : リハビリ

エピテーゼにハリウッド映画特殊メーク技術応用へ

[特殊メーク技術、医療分野に応用へ  神戸の遠藤さん]
写真

(神戸新聞  2011年1月3日)


ハリーポッターやスパイダーマンなどハリウッド映画で使われる特殊メークの
技術を応用し、乳房を摘出した乳がん患者や四肢の欠損などに悩む患者を元の
姿にする取り組みが神戸市内で始まった。

医療産業都市を掲げる神戸市は「患者のクオリティー・オブ・ライフ(生活の
質)向上につながる」と評価。
高い技術力を国内外の医療メーカーに売り込んで企業誘致につなげることも
検討している。


取り組んでいるのは、神戸市中央区花隈町、特殊メークアーティストの遠藤
慎也さん(27)。
ハリウッド映画やテレビドラマを舞台に米国などで活躍してきた業界の
第一人者だ。
作品づくりを続けるうち、「培った技術で人を喜ばせたい」との思いを
募らせ、医療分野への進出を決めた。


「エピテーゼ」と呼ばれ、義手や義眼、人工乳房などシリコンで作った医療
用具に着目した。
医療品メーカーなどが製造し、体に装着していたが、接合部分や色合いに
違和感が残ることが多かった。


遠藤さんは特殊メークの技術で接合部分の違和感をなくし、うぶ毛やしわの
1本ずつを本物そっくりに再現できる。
肌の色や感触だけでなく、装着具を体温と同じにすることも可能といい、
神戸市企業誘致推進室・医療産業グループの担当者も「常識を覆す全く新しい
技術。神戸の強力なコンテンツになる」と絶賛する。
遠藤さんは「美容整形では傷痕が残る可能性があり、患者は他人の目線が
患部に向かうだけで傷付く。見た目が完全に元通りになれば、心のケアに
つながる」と話す。


すでに12月から大阪の美容スタジオと協力し、義眼などのサンプル作りに
取り組んでおり、春には神戸市のポートアイランドにシリコンなど素材開発の
ための作業スペースを設置する予定。
また、技術者養成学校の開校準備も進めている。


一方、同市は補助金の適用を検討するとともに、医療品メーカーやシリコン
などの素材メーカーに遠藤さんの技術を紹介。
すでに複数のメーカーが興味を示しているという。

市の担当者は「看護師や外科医などの医療トレーニング用具にも応用でき、
将来性のあるビジネスだ。ポートアイランドへの企業誘致につなげたい」と
期待している。
(前川茂之)


http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0003713621.shtml   


————————————————–

・「円形脱毛症:1 発症は小4 中学で頭全体に

・「円形脱毛症:2 カツラでいじめ 友が支え

・「円形脱毛症:3 可能性求め、中国の病院に

・「円形脱毛症:4 娘を出産、母の思いを理解

・「円形脱毛症:5 心地いいカツラで自分取り戻す

   ・「エピテーゼにハリウッド映画特殊メーク技術応用へ

・「円形脱毛症:6 情報編 ほかの病気との見分けが重要

・「円形脱毛症(AA)とは

   ・「恋愛遺伝子

   ・「ゲノムインプリンティングと体臭

   ・「ピル服用の女性、遺伝子的に合わない男性を選ぶ傾向

   ・「フェロモンによる寄宿舎効果

   ・「においの一部、鼻粘膜で変換=嗅覚の個人差に影響か

————————————————–



島根で「介護五輪」開催へ 全国初、日本一の技競う

[島根で「介護五輪」開催へ 全国初、日本一の技競う]

(共同通信  2010年11月9日)


介護に携わる人たちが食事の補助や入浴介助などの技能を競う「オール
ジャパンケアコンテスト」が10~11日、島根県出雲市の出雲体育館で
開かれる。

主催する同市のNPO法人「なごみの里」によると、介護福祉士やヘルパーの
資格者らによる「介護五輪」は全国初の試み。
日本一をかけ全国から60人が参加する。


重労働で低賃金、責任も大きい―。
需要があるにもかかわらず、マイナスイメージが付きまとう介護職。
互いに技術を磨き合い、夢を共有する場にしてほしいと、なごみの里の柴田
久美子理事長(58)らが企画した。

自身も約20年間現場で働き、日々の仕事に疲れて辞めていく若者を多く見て
きたといい「本当は幸せで楽しい職場。希望を持って介護の世界に入る若い
人たちを励ましたい」と話す。


競技は11日。
食事、入浴、排せつなどの介助のほか、認知症の高齢者とコミュニケーション
を取る方法や、終末期のみとり方を考える「ターミナルケア」の5分野に
分かれる。
高校生ボランティアが務めるお年寄り役を相手に、約7分間の持ち時間で
実技を披露。
各分野の専門家が採点し、終了後はアドバイスも聞ける。


http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010110901000020.html   






酵素の力で1,000の1に軟らかくなったリハビリ食「あいーと」

[味も見た目も同じなのに軟らか〜い 患者の声聞き新食材]

(朝日新聞  2010年10月17日)



味も見た目も「すき焼き」や「焼き魚」。
口の中では、マシュマロのように溶ける——。

病気の後遺症や高齢で普通の食事が取れない人向けに、画期的な食事が誕生
した。
酵素の力で通常の食事の1千分の1に軟らかくなった。

病院の臨床研究で口にした患者から「家でも食べたい」との声が相次ぎ、
今月22日からの市販が決まった。


この商品は、イーエヌ大塚製薬が開発した「あいーと」。
「I eat(私は食べる)」から名づけた。
藤田保健衛生大の東口高志教授(消化器外科)らと開発、現在、17医療機関で
臨床研究中だ。


軟らかさの秘密は、細胞を切り離す酵素。
食材ごとに最適な酵素を選び、圧力を変えながら注入する技術を開発し、形が
崩れないギリギリの軟らかさで食感も残した。
筑前煮は、100〜1千分の1に軟らかくなった。
栄養素もほぼ、変わらない。


主に病院での販売を考えていたが、臨床研究に参加した患者や家族から
「売って欲しい」との声が50件近く寄せられ、「さばの塩焼き」「チキン
カレー」など15品の販売が決まった。

東口教授は「口から食べることで、患者の回復が早まったり、命が延びたり
することもある」と話す。
1品400円前後で通信販売する。
問い合わせは同社(03・3515・0170)へ。
(岡崎明子)


http://www.asahi.com/health/news/TKY201010160309.html   




「リハビリが人生を面白くする」 NHKプロフェッショナル仕事の流儀

[NHK プロフェッショナル仕事の流儀 リハビリが人生を面白くする]

作業療法士 藤原茂

(2009年11月17日放送)

<パン作りやカジノなど、メニューは多彩>

<心が動けば、体は動く>
心身の機能を回復させようと一生懸命リハビリをしてもなかなか回復できず、
あきらめてしまう人は少なくない。
そこで藤原は、娯楽や趣味など、「やってみたい」「楽しそう」と思わせる
ような活動をリハビリのメニューに盛り込む。
やりたいことに一生懸命打ち込んでいく中で、自然と体をどんどん動かす
ようになって、結果的に機能の回復につながっていくと、藤原は考える。


<相手にかかわり続け、思いを伝える><むきになる>
自立した生活を送れるようになるまでの長く険しい道のり。
時には、リハビリをやりきる気持ちにブレーキがかかることもある。
藤原は、そんな相手の心に訴えるとき、あえてむきになる。
「あなたのことを放っておけない」という思いを“むきになって”伝え続ける
ことで、相手から「それだけ言うのなら自分もがんばろう」という気持ちを
引き出し、再びリハビリに向き合ってもらう。


<男性の挑戦を見守る藤原><人生の“回復”>
体の機能を回復するだけでなく、人生を回復し、障害を抱える前よりも、
もっと輝かせる。
それが藤原の目指すリハビリだ。
この夏、藤原が特に気にかけている男性がいた。
男性は8年前に脳出血で倒れ、右半身の麻痺と失語症を患った。
その後藤原の元でリハビリを続け、通常の生活を送れるまでに回復していた。
しかし男性はまだ60歳。
これからの人生をどう生きていくのか、難しい時期を迎えていた。
藤原は、そんな男性にある提案をもちかける。
利用者の代表として、施設の見学者を案内する「水先案内人」を務めてもらう
こと。
男性は、かつて郵便局の課長代理として仕事に打ち込んできた。
今、再び人の役に立てると実感できれば、大きな一歩となる。
しかし現在の男性にとっては身の丈以上の大きな挑戦だ。
かえって挫折感に打ちのめされるリスクもある。
それでも藤原は、乗り越えられればかつてない大きな自信につながって
いくと、信じ、見守る。


————————————————–

[コメント]

プロフェッショナル仕事の流儀」の熱心な視聴者ではありませんが、時々見て
います。
他の業種での創意工夫が興味深い回もあります。

2009年11月17日放送の「リハビリが人生を面白くする」は、医療という
こともありますが、その点を除外しても最近の中ではピカイチで面白いもの
でした。

脳卒中などのリハビリは、これまで、開始するのが遅すぎて終了するのが
早過ぎるという悲惨なものでした。
現在の考え方では、可能な限り早くリハビリを開始するべきとされており、
こちらの方は改善されてきているようです。
一方、終了の方は診療報酬や介護保険の問題もあり複雑です。

しかし、それ以前の問題として、脳神経は再生しないのだから、術後6か月を
経過したら
リハビリは無駄という考え方がありました。

最近の研究では、脳神経もわずかずつではあるけれども再生することが
わかってきました。
にも関わらず、2006年〜2007年に「リハビリ制限問題」が起こったのは
記憶に新しい
ことです。

リハビリを熱心に、しかも効果が出るように行っている施設は極めて少なく
困っていると
「とちぎ脳卒中者と家族の会 かけはし」会員の方々にも
お聞きしました。
宇都宮近郊では真岡市に有名な施設があり、通院の余力がある人は、そちら
まで通って
いるようでした。

さて、番組の藤原茂先生の所は、術後6か月以上のリハビリを通所で行う施設
ですが、
その工夫が素晴らしいのです。

全てがゲーム感覚になっていて、知らないうちにリハビリができるように
考えられているのです。



医療の多くは「脅かし」が基本です。
 ・今のままの血圧では将来心臓病にかかりますよ。
 ・今のままの血糖値では将来足が壊疽しますよ。

歯科領域でも、当院でも同様です。
 ・今のままでは、将来歯周病が進行して、多くの歯を失いますよ。
 ・歯周病が悪化すると、脳卒中や心臓病のリスクが高くなりますよ。

確かに「リスク低減」が目標なので、「脅かし」も必要ではあります。
しかし、一方で「プラス思考の目標」の方がヒトはやる気が出るものです。


すぐに応用するのは難しいですが、大きなヒントをもらったように感じて
います。


(横山歯科医院・横山)


————————————————–

脳卒中キーワード目次

新聞記事DEブログ・キーワード目次



「舌の運動 リハビリにも美容にも」 元東京医科歯科大学臨床教授エッセイ

[舌の運動 リハビリにも美容にも]

元東京医科歯科大学臨床教授エッセイ

(読売新聞 2008年9月12日)


「話の出来に納得がいかねえ」と言って落語家の五代目三遊亭円楽さんは、
「芝浜」という大ネタを演じた後に現役引退を決意した。
それより1年半前に起こした脳梗塞の影響か、「舌がもつれて、うまく
話せねえ」ということらしい。
周りが「まだまだやれるじゃないですか」と引き留めたが、当人だけが分かる
感覚なのだろう、頑として撤回することはなかった。
落語家は、当たり前のことながら話すことが商売である。
必死にリハビリに努めたのに、思い通り舌が回らなかったのは、よほど
悔しかったに違いない。

私たち歯科医であれば、思うように歯を削れない、詰めることが出来ないと
言うことになるだろうか。
その前に、レントゲン画像を的確に診断したり、患者さんに説明したり
出来なくなってもだめだろう。
だから、絶えず身体に気をつけて、勉強も続けていかなくてはならない。
これが出来ないならば、私たちも円楽師匠と同じように、いさぎよく現役
引退の道を選ぶべきであろう。


脳梗塞の後遺症のうち口の中の問題としては、うまく話せない、食べられ
ない、うまく飲み込むことが出来ないことが挙げられる。
これらはいずれも舌と口の周りの筋肉がうまく働かなくなった結果として
起こる。

従って、リハビリには舌を動かすことが1番である。
いろいろな方法が示されているが、まあ、大方は以下のようだ。

まずは思いっきり舌を前に突き出す。
そして、出した舌を鼻の頭に届かんばかりに持ち上げる。
それから下方にアカンベーをするように出す。
さらに左右に思い切り動かす。
舌の先端で、ほおの内側をグーッと押すのもよい。
最後の仕上げは口の中で歯の外側をなめ回すようにぐるっと1周する。
それぞれの行為を5秒ずつ行ったとして、全部で1分足らずで出来る。
これを何回か繰り返すと、かなり効果がある。


この舌の運動、後遺症のリハビリだけでなく、老化防止や、老化に伴う口の
中の機能低下を回復するのにも役に立つ。
老人ホームでも介護士さんの指導の下、皆で一斉に行っている光景を見る
ことが出来る。
いつまでも自分の口で食事をするためにも、舌の運動は欠かせない。


さらに何と、この舌の運動はフェイシャルエステ(顔の美容)にも効果的と
いうことである。
舌と共に周りの筋肉が動いて、あごのたるみや顔のむくみも取れるらしい。
いま流行の小顔になるというわけだ。


どうです? 
大したものじゃありませんか。
さあ、私も始めようかな。
何?
お前は2枚あるから大変だろうって?
余計なお世話だ。

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/karadaessay/20080912-OYT8T00412.htm

————————————————–

MFT口腔筋機能療法キーワード目次




リハビリ日数制限の緩和を答申・中医協

[リハビリ日数制限の緩和を答申・中医協]

(2007年3月21の新聞)


厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協、土田武史
会長)は14日、公的医療保険で受けられるリハビリテーション日数の制限
(最大180日)の緩和を柳沢伯夫厚労相に答申した。

急性心筋梗塞や狭心症などを新たに日数制限の対象外とするほか、介護保険が
適用されない40歳未満の患者が医療保険でリハビリを継続できる制度も
設ける。

答申を受け、厚労省は4月から実施する予定だ。


リハビリを巡っては、昨年4月の診療報酬改定で、悪性リウマチなど約50の
特定疾患を除いて治療日数に上限を設定。
上限を超える場合は原則として保険適用外とした。
これに対して患者や医師から「患者切り捨て」との批判が出ていた。


————————————————–

新聞記事DEブログ・キーワード目次





肺炎を繰り返す人は、食べ物を上手く飲み込めない人

[死者急増! 肺炎の真実]

(NHK ためしてガッテン 2007年2月21日放送)



10年以上肺炎の治療に関わってきた医師によると、肺炎を繰り返す人には
「食べ物を上手く飲み込めない」人が多いといいます。

そこで水を飲むときにかかる時間(フタが閉まる時間)を調べてみると、
肺炎にかかったことのある人は確かに遅れていました。
このとき何が起こるのかコンピューター上でシミュレーションしてみると、
実はフタのしまりが1秒遅れるだけで、肺にモノが入ってしまうことが分かり
ました。

ある調査によると、肺炎を起こした人の7割にこうしたフタのしまりの遅れが
見られました。
さらに、眠っているときはこのフタのしまりが遅れがちになるため、危険が
高くなります。

肺炎というと風邪の延長と考えられることが多いのですが、こうしたフタの
遅れによりおこる肺炎があったのです。
番組ではこれを「飲みこみ肺炎」と名付けました。



<脳と歯ぐきの関係>
脳の一部に損傷があると、フタのしまりが遅くなる人が多いことが分かって
います。
この場合、フタのしまりを早くする方法として、間接的に脳に刺激を与える
方法が考えられます。

ある研究では、歯ぐきを刺激すると脳が活性化し、フタのしまりが早くなる
ことがわかっています。
そこで番組では、歯ぐきを刺激すると脳がどうなるか、実験を行いました。

脳の活動を調べる特殊な機械で、口などの感覚をつかさどる部分を調べて
みます。
歯だけをみがいたときに比べ、歯と歯ぐきを同時にみがいたときにその部分が
活性化することが分かりました。
歯ぐきには神経が多く通っているため、刺激により脳が活性化したと考え
られます。

「歯と歯ぐきをみがく」──これが肺炎の最新予防法だったのです。


  □   □   □   □   □   □   □


<肺炎による死者はなんと年間10万人以上!>
実はいま、薬が効きづらい細菌が増え、治療が難しくなっているのです。

しかもガッテンが調べると、健康な人でも肺炎の原因になる細菌が住み着いて
いる人がたくさんいるとの結果が。

そこで徹底的に調査すると、意外な場所に細菌から肺を守るポイントがある
ことがわかりました!
全国11の介護施設で肺炎による死亡率を半減させた新予防術を伝えます。


<肺炎ってこんな病気>
肺炎の死亡者は戦後激減したにもかかわらず、この20年間でなんと2倍以上に
まで増加しています。
その原因のひとつは高齢化。
そしてもうひとつの理由は、薬が効きづらい細菌が増えていることです。
まずは、肺炎という病気そのものについて見ていきましょう。


<肺炎ってどんな病気?>
肺が炎症を起こす病気が肺炎です。
その最大の原因は細菌。

細菌は炎症を起こすだけでなく、ひどくなると毒素を出して肺に穴を開け、
ウミで肺が機能しなくなる場合もあります。
さらに全身に菌が広がると、死に至ることもあります。
細菌は炎症だけではなく、さまざまな症状を起こすおそれがあるのです。

こうした症状を起こす細菌には、たくさんの種類があります。
これが私たちの体に住み着いていたら嫌なモノ。
そこで大調査を行いました。


<まさか私が!? 細菌大捜査線>
全く健康な人には、肺炎の原因になる細菌が住み着いていないのでしょうか?
そこで大調査を行いました。

10代~50代で10人、高齢者10人、保育園児10人と、年代別に合計30人の
ノドや鼻の奥を調べ、肺炎の原因になる細菌がいないかどうかを調べました。
すると、肺炎を引き起こす毒性の強い細菌が発見されたのはとっても元気な
保育園児のAちゃんでした。
いったいなぜ?


<肺炎の原因菌調査の結果>
 ・ 一般(10代~50代)の10人中 肺炎の原因になる細菌が
     見つかった人: 5人
 ・高齢者(65歳以上)の10人中 肺炎の原因になる細菌が
     見つかった人: 5人
 ・保育園児の10人中 肺炎の原因になる細菌が見つかった人:10人全員。

うち8人には、肺炎を引き起こす強い毒性を持つ「肺炎球菌」が見つかり
ました。

ここで疑問なのは、肺炎にかかる人や亡くなる人には高齢者が多いにも
かかわらず、幼児のほうが細菌を持っている率が高かったということです。
その理由を知るために、まずは肺炎球菌の正体を探ります。


<幼児と肺炎の原因菌>
専門家によると、幼児はほぼ全員が何らかの原因菌を保菌していると考え
られます。
これは、幼児の免疫が未熟であることが原因です。
しかし幼児は後ほど述べるように、肺に細菌を入れないシステムがしっかり
しているため、なかなか肺炎にはなりません。

幼いお子様がいて心配な方は、
 (1)毎日のうがいや歯磨きをしっかりする
 (2)風邪やインフルエンザ等に罹患した場合にはすぐ医師の診察を受ける
などの対策を行ってください。


<肺炎球菌って何?>
私たちの体を細菌などの外敵から守ってくれるのは「免疫細胞」。
肺炎の原因になる細菌が増えるのを防いでくれます。

しかし肺炎球菌の場合、肺炎球菌の周りを夾膜(きょうまく)という膜が
囲っているために、免疫細胞が認識できず退治できないことがあります。
こうした原因のため、肺炎球菌によって肺炎になると重症化しやすいのです。

このように、肺炎球菌は恐ろしいものですが、これを持っている幼児はなぜ
肺炎にならないのでしょうか?
その理由は私たちの体の仕組みにありました。

肺炎を起こす細菌が住み着くのは、鼻やノドの奥です。
実は、細菌はここにいるうちは、ワルサをすることはほとんどありません。
細菌が肺に入って増殖すると、初めて肺炎が起こるのです。

ノドの奥と肺は、「気道」という管でつながっています。
管でつながっているのに、普段細菌は肺に入ることがありません。
実はここにこそ、私たちの体の驚くべき仕組みがあったのです。



<肺に入らぬハイクオリティー>
ノドの奥に特殊なカメラを入れてみてみると、途中から2つにわかれている
ことが分かります。
1つは肺につながる「気道」。
そしてもう1つは胃につながる「食道」です。

試しに水を飲み込んでみると、カメラが何かに押され、映像が
真っ白になりました。
先生に聞くと、これは「ノドにフタができた」状態だといいます。



<ノドの「フタ」とは?>
ものを食べたり飲んだりをした際、それらは食道へと向かいますが、気道には
入りません。
食べ物や飲み物が分岐点に来た瞬間、ノドにあるフタが閉まって、気道への
入り込みを防いでくれるからです。

フタが閉まるスピードを特殊なMRIで見てみると、ノドの奥に水がぶつかった
瞬間、フタを閉める動きが始まっていることが分かります。
そこからフタが閉じきるまで、なんと0.7秒!
私たちの体はこれほどの早業を行って、肺を菌から守っているのです。

私たちが生きていくためには呼吸しなければならないので、ふだん気道は
開いている必要があります。
一方で、食べたり飲んだりすることも生きるためには必要です。
しかし口の中には菌が一杯。
もし食べ物が気道に入ったら、細菌が肺に侵入してしまいます。

そこで、フタを必要なときだけ閉め、その後食べ物が通ったら瞬時に開き
ます。
そうやって「呼吸」と「食事」を両立させ、なおかつ細菌から肺を守っているのです。

しかし、このフタのシステムが少しでもおかしくなると、大変な結果に
つながってしまうこともあるのです。



<細菌侵入! そのとき何が>
10年以上肺炎の治療に関わってきた医師によると、肺炎を繰り返す人には
「食べ物を上手く飲み込めない」人が多いといいます。

そこで水を飲むときにかかる時間(フタが閉まる時間)を調べてみると、
肺炎にかかったことのある人は確かに遅れていました。
このとき何が起こるのかコンピューター上でシミュレーションしてみると、
実はフタのしまりが1秒遅れるだけで、肺にモノが入ってしまうことが分かり
ました。

ある調査によると、肺炎を起こした人の7割にこうしたフタのしまりの遅れが
見られました。
さらに、眠っているときはこのフタのしまりが遅れがちになるため、危険が
高くなります。

肺炎というと風邪の延長と考えられることが多いのですが、こうしたフタの
遅れによりおこる肺炎があったのです。
番組ではこれを「飲みこみ肺炎」と名付けました。


<自分のフタが閉まる時間を測定できないか?>
残念ながら、できません。
また、「モノを飲み込みづらい」などの自覚症状だけでは本当に遅れているか
どうか判定できません。
「食事をするときに必ずむせる」などの自覚症状があれば、まず医療機関で
診察を受けることをお薦めします。
今回番組で行った実験は専門家のもと安全に最大限の配慮をして行いました。
決してご自分でなさらないようにお願いします。


<脳と歯ぐきの関係>
脳の一部に損傷があると、フタのしまりが遅くなる人が多いことが分かって
います。
この場合、フタのしまりを早くする方法として、間接的に脳に刺激を与える
方法が考えられます。

ある研究では、歯ぐきを刺激すると脳が活性化し、フタのしまりが早くなる
ことがわかっています。
そこで番組では、歯ぐきを刺激すると脳がどうなるか、実験を行いました。

脳の活動を調べる特殊な機械で、口などの感覚をつかさどる部分を調べて
みます。
歯だけをみがいたときに比べ、歯と歯ぐきを同時にみがいたときにその部分が
活性化することが分かりました。
歯ぐきには神経が多く通っているため、刺激により脳が活性化したと考え
られます。

「歯と歯ぐきをみがく」──これが肺炎の最新予防法だったのです。


<“歯と歯ぐきみがき”の注意点>
 ・ 柔らかめの歯ブラシを使って下さい。
 ・歯ブラシをあてるのは歯と歯ぐきの境目です。
 ・力を入れず、優しく小刻みに歯ブラシを動かして下さい。
 ・歯ぐきだけではなく、舌や上あごなど口全体をみがくと効果が高まります
 ・通常の歯みがきと併せて3分~5分が11回の目安の時間です。
 ・入れ歯の方の場合でも、歯ぐきや口全体をみがくことで予防の効果が期待
     されます。
     その場合、入れ歯を外してみがいてください。

<注意>
決して力を入れないで下さい。
血が出るほど行うと炎症が起きる原因になります。
また歯周病などがある方はその治療を済ませてから行って下さい。



<肺炎予防の鉄則>
 (1)インフルエンザ・かぜに注意
 (2) “歯と歯ぐき”をみがく
 (3)65歳以上の場合、肺炎球菌ワクチンを接種する


なお、この肺炎球菌ワクチンについて気になる情報があります。


<肺炎球菌ワクチンの真実>
いま話題の最新兵器、肺炎球菌ワクチン。
肺炎球菌による肺炎を予防する効果があるということで、高齢者を中心に打つ
人増えています。
しかし医師からは、「ワクチンでは肺炎そのものは予防できない」とも
いわれています。

実は肺炎球菌ワクチンは、肺炎の発症そのものを完全に予防することはでき
ません。
しかし、肺炎が重症になるのを防ぎ、入院するまでひどくなることや死に至る
ケースを減らすことができます。


<肺炎球菌ワクチンの注意点>
 ・接種を勧められるのは、高齢者(65歳以上の方)、慢性呼吸器疾患・
     心不全・腎不全・肝硬変・糖尿病の患者さんなど肺炎にかかり
     やすい方々です。
 ・肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの両方を打つことによって、
  肺炎の予防効果が高まることが確かめられています。
     ただし両方のワクチンを接種する際は、時期をずらして打つことが
     勧められています。
 ・このワクチンには健康保険がききません。
     費用は病院によっても違いますが、1回8,000円程度です。
     (自治体独自になんらかの補助制度を持っている場合もあります)
 ・1回ワクチンを打てば、5年間は効果があるというデータが出ています。
     ただし、過去にワクチンの接種を受けたことのある人は、再接種は
     できません。
     (2回以上接種することはできません。)


<先生のまとめのお話>
高齢になるとフタのしまり以外にも、咳の反射や免疫力など肺炎から体を守る
システムがどうしても衰えます。
「歯と歯ぐきみがき」や「肺炎球菌ワクチン」など予防の手だてをとることが
大事です。

http://cgi2.nhk.or.jp/gatten/archive/program.cgi?p_id=P20070221

————————————————–

MFT口腔筋機能療法キーワード目次


誤嚥性肺炎 〜本当は怖いむせ返り〜

[誤嚥性肺炎 〜本当は怖いむせ返り〜]

最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学

テーマ: 『本当は怖いむせ返り〜静かなる悪魔〜』
A・Sさん(男性)/70歳(当時)   会社経営

東京の下町で、工作機械の小さな工場を経営するA・Sさん。
ある日、味噌汁を飲もうとして突然むせ返ってしまいました。
その時は、急いで飲み込んだためだと気にもかけていなかったのですが、
その後、さらなる異変が襲います。

<症状>
(1)むせ返り
(2)力が入らない
(3)倦怠感
(4)返事をする気力もない
(5)失禁
(6)爪が青黒くなる
(7)唇が青黒くなる

<病名>誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)


<なぜ、むせ返りから誤嚥性肺炎に?>
「誤嚥性肺炎」とは口の中の細菌が肺に入ってしまい、肺炎になる恐ろしい
病。

A・Sさんの場合、それは肺炎球菌という細菌でした。
空気中に存在する肺炎球菌は、呼吸とともに吸い込まれ、口の粘膜にとりつき
ます。
しかし通常は唾液に含まれる酵素が殺菌してしまうため、肺炎球菌は口の中
には残りません。
ところがA・Sさんの場合、高齢のため唾液の酵素が少なく、殺菌力が低下。
肺炎球菌が生き残ってしまったのです。


では、この肺炎球菌、一体いつ肺の中に侵入したのか?
その魔の瞬間こそ、あの「むせ返り」でした。
健康な人は、口の中に食べ物が入ると、脳の指令により「喉頭蓋」
(こうとうがい)というフタが気管の入り口を塞ぎ、誤って食物が入ることを
防いでいます。

しかしA・Sさんの場合、脳の指令が喉頭蓋に正しく伝わっていなかったの
です。
原因は高齢になると多くの人に起きる動脈硬化。
それが脳の細い血管で起きていました。
動脈硬化を起こした血管は時間が経つにつれ徐々に詰まっていきますが、
A・Sさんの脳ではそれがあちこちで起きていました。
そのため脳の指令が喉頭蓋に正しく伝わらなくなっていたのです。

その結果、気管の入り口にうまくフタをすることが出来ず、食べ物が誤って
流れ込む「誤嚥」という現象を起こしてしまいました。
そして起きたのが、あの「むせ返り」。
「むせ返り」は間違って気管に入った異物を吐き出すために必要な反応
ですが、A・Sさんは高齢のため、吐き出す力が弱く、味噌汁が気管の奥へ
流れ込んでしまったのです。

入ったのは口を通る際に肺炎球菌をたっぷり含んでしまった味噌汁。
しかもこの時、A・Sさんは仕事が忙しく、身体に無理を重ね、抵抗力が
弱まっていました。
そのため肺に入りこんだ肺炎球菌はたちまち増殖、炎症を起こした結果、
様々な症状を引き起こしたのです。

最初力が入らなくなり、その後、ひどい倦怠感に襲われたのは、肺が炎症を
起こし、血液に酸素を十分送り込めなくなったのが原因。
全身の筋肉が酸素不足に陥り、運動能力が低下してしまったのです。

さらに妻の問いかけに返事をする気力もなくなり、ついには失禁してしまった
のは、脳を流れる血液の酸素が不足し、脳細胞の活動が低下していたせいで
した。

肺炎にも関わらず、高い熱や咳が出なかったのは、年をとって発熱などの体の
反応が鈍くなっていたため。

事実この病気にかかった高齢者の3人に1人は高熱や咳といった症状が出て
いません。
そのため、病気のサインを見落としてしまうことが多いのです。

その結果、A・Sさんの爪や唇は青黒く変色してしまいました。
これは血液中の酸素が異常に減り、血液の色が黒ずんだために起きた現象。
ここまで来ると、もはや肺は機能停止寸前。
ついには呼吸不全を起こし、帰らぬ人となってしまったのです。


現在、肺炎で死亡する人は、年間およそ9万5,000人。
うち96%が65歳以上の高齢者であり、そのほとんどが誤嚥性肺炎と言われて
います。



http://asahi.co.jp/hospital/
  

TOP

横山歯科医院

更新情報

総合目次 http://yokoyama-dental.jp/
初診&再初診の方へ

バックアップサイト http://yokoyama-dental.info/

パスワード(PW)