カテゴリー : 臓器移植

子の脳死 医師4割が「死には当たらぬ」

[子の脳死 医師4割が「死には当たらぬ」]

(朝日新聞  2011年2月26日)



15歳未満の子どもでは、「脳死が死」は当てはまらない、と考える医師が
40%に上ることがわかった。

また、小児の脳死判定は将来的にも不可能だとする医療施設も20%以上
あった。

全国の救急・小児科の専門医を研修する施設の医師に聞いた。

調査は、国立成育医療研究センターの委託研究班が昨年、日本救急医学会と
日本小児科学会の専門医研修施設約500施設を対象に行い、医師255人から
回答を得た。


年齢に関係なく「脳死を人の死」と認識する医師は56%いた。
一方で、14%が「人の死ではない・人の死はあくまで心臓死」と回答、
「成人は脳死が人の死だが子どもは異なる」「臓器提供の場合に限る」と
答えた医師もそれぞれ13%いた。
合計4割の医師は、小児は「脳死は人の死」と認識していなかった。

成人への認識と異なるのは、子どもは成人より一般的に回復力が強いためだと
みられる。


また、脳死判定後の治療について、6割が「差し控えや中止という選択肢が
あるべきだ」と考え、3割が「新たに開始すべきではないが実施中の治療は
中止すべきではない」と回答した。
「緩和医療やみとりの医療に移行すべきだ」も4割あった。


自分の病院で子どもの脳死判定が可能と考える医師は3割、条件が整えば
可能とした医師が4割。
今も今後も不可能とする医師も2割いた。

(大岩ゆり)

http://www.asahi.com/health/news/TKY201102250248.html  




骨髄移植とは

[骨髄移植/骨髄バンク]

(Wikipedia)


<レシピエントの手術手順>
移植に先立って、患者の造血組織及び腫瘍化した細胞を根絶するため、
致死量を超える大量の抗がん剤投与及び放射線照射が行われる。
これを前処置といい、患者の造血機能を完全に破壊する為、その後必ず移植を
行わないと患者は死亡してしまう。

その上で、ドナーの骨髄液(造血幹細胞)を静脈から注入する。
移植といっても、外科手術的操作は行わない。

順調にいけば2週間ほどで輸注したドナーの造血幹細胞が生着し正常な血液を
造り出すようになる。



<ドナーの選出>
登録後、移植希望患者とHLA型が適合すると、ドナー候補者として選ばれた
ことを知らせる書類が骨髄移植推進財団(日本骨髄バンク)から郵送される。
登録者自身の提供意思及び家族の意向・健康状態や骨髄提供へ向けた日程
などについてのアンケートを返送後、意志・意向と提供条件が整っていれば、
病院でコーディネーターや医師と面談があり、詳しい説明と問診・採血を
行う。
検査結果に問題がない複数候補の中でもっとも提供者として適していると
患者側の主治医が判断したドナー候補が最終的なドナー候補として選ばれる。

最終的なドナー候補者に選ばれると、ドナー候補者本人とその家族および
弁護士が出席した上で最終同意の確認が行われる。
この段階まではいつでも提供を取り消すことができるが、最終同意書に同意
した後は取り消すことができなくなる。
最終同意書が締結されると、病んだ骨髄細胞をドナーの骨髄細胞に置き換える
ためにレシピエント(骨髄を受け取る側の移植受容患者)の骨髄細胞は
放射線や薬品で全て破壊されるので、最終同意後にドナーが移植を拒否
すると、移植を予定していた患者は生命を保てないためである。



<提供手術>
骨髄は、大量の骨髄があり採取しやすい腸骨(骨盤の1番大きな平たい左右
一対の骨である)から採取する。
腸骨の背中側のウエストより少し下の部分に、ボールペンの芯の太さ程度の
採取針を穿刺して骨髄液を吸引し、全身麻酔下で行われる。
採取する骨髄液の量は、レシピエントの体重キログラムあたり15ミリリットル
が目標となる。
一方でドナーから採取できる上限はドナーの体重およびヘモグロビン量などに
よって決定され、この上限を超えない範囲で出来るだけレシピエントの
希望量に近くなるようにする。
ヘモグロビンが十分ある場合、ドナーの体重1kg あたり20ml程度が上限と
なる。
このためドナーの体重は、ある程度レシピエントより少くてもよいが、
少なすぎる場合はレシピエントにとって骨髄液の量が不十分となる。
ドナー候補が複数いたとして採取量を取るか適合性を取るかといったことは
レシピエント側の判断であるが、いずれにせよ骨髄バンクを介した移植では
ドナーの安全が最優先されるので上記の採取量上限を超えることはない。

骨髄採取によりドナーが貧血に陥らないために、ドナー自身の血液を事前に
採取保存しておき、採取当日返血する。
提供のための手術は1~3時間かかり、4日~1週間程度の入院が必要に
なる。
稀ではあるが入院期間は手術の予後が不良である場合などには1週間以上に
長引く場合もある。

骨髄採取や麻酔に伴う合併症として、一過性のものとして発熱や吐き気、
頭痛、気管チューブを抜いた後ののどの痛みや、尿道カテーテルを入れた
ことによる尿道の痛み、吐き気、37~38度程度の発熱や血圧低下や不整脈
などが報告されている(いずれの場合も時間の経過と共に回復している)。

採取部分の痛みは個人差があり1~7日残ったという提供者が多い。
針を刺した部分の化膿や出血があることもある。


<ドナーの後遺障害等の危険性と保障>
後遺障害の発生は確率的には低いもののゼロではない。
骨髄提供後に血腫ができたり、知覚障害や痺れ・痛みが残存するなど手術後
ドナーに後遺症が残るケースが報告されている。

また、過去に海外で3件(血縁者間2例、非血縁者間1例)、日本で1件
(血縁者間)のドナーの死亡事例が報告されている。
ただし日本の1件は骨髄バンクを介さない血縁者間で行われたものであり、
日本骨髄バンクが関与した11,997件の移植の中に死亡事例は無い(2010年
7月末現在)。

移植医療全てにいえることであるが、ドナーの協力や家族などの理解が
無ければ成り立たない医療であるのでドナーの安全は最優先に考慮されるが、
医療行為である以上リスクがないとは言いきれない。

ドナーにはレシピエントの保険料負担により加入する骨髄バンク団体障害
保険があり、適用されれば300万円~1億円の補償金あるいは入通院給付金が
支払われる。
日本骨髄バンクが関与した約1万2,000件の移植の中で、骨髄バンク団体障害
保険の適用事例(C型肝炎、神経障害、骨膜損傷、ヘルニア、咽頭肉芽腫、
腎炎、骨膜障害等々)は109件(2010年3月末現在)あるが、時間の経過と
ともにほとんどの事例が回復している。


<日本のドナー死亡例について>
日本では、骨髄バンクを介さない血縁者間で行われた移植でドナーの死亡
事例が1件あるが、原因は腰椎麻酔の合併症によるものである。
日本骨髄バンクでは骨髄採取は原則として全身麻酔下でおこなわれるので、
腰椎麻酔は原則として行われない。


<ドナー側の負担>
手術から入退院までの費用もドナーには一切かからないが、提供によって休業
しても休業補償はなく、またドナーが入院することによって発生する可能性の
ある、家族の介護、子どもの保育、家族の交通・食事等のドナー本人以外への
費用・労力発生には補助は無い。


<骨髄バンクの課題>
現状ではHLA型が適合したドナーが最終同意前に提供を断るケースが少なく
ない。
原因として、以下のことが挙げられる。
1. 家族から反対されたなど、周囲の理解が得られない
2. 仕事を休みにくく、休業補償がない
3. 後遺症が残存する可能性がある
4. 家族の介護、子どもの保育、家族の交通・食事等のドナー本人以外への
   費用や労力負担について補助が無い
5. 全身麻酔による手術を行うため、行われる処置が全身麻酔を経験した
   ことのないドナーに関しては予想以上に大がかりに感じられる。

ドナーは手術のみならず、周囲の説得や時間の調整などの負担を強いられる。
確認検査や健康診断、最終同意面談も、原則として財団指定の採取病院での
実施となり、主に平日のみの対応となる。
骨髄バンクはドナーや勤務先などに対し協力を求める姿勢をとっているが、
ドナーの負担を軽くするような検討は今のところなされていない。

原則的に、ドナーとレシピエントはそれぞれ異なる医療施設を利用する。
ドナー側の事前の各種検査および手術は、ドナーの居住地に近い医療施設にて
行われる。
採取された骨髄液は速やかにレシピエントのもとへと輸送されるが、事故に
より到着しない恐れもある。
2002年には骨髄バックの破損により、提供された骨髄液を流出させる事故が
起こった。


<個人情報の取り扱いについて>
骨髄バンクのドナー登録は、中央骨髄データセンターに対して行うもので
あり、骨髄バンクが管理しているわけではない。
したがって、ドナー登録を取り消しした場合でも、骨髄バンクが所持している
個人情報は削除されない。
また、取り消し後も提供したドナーに対して、ドナーリンパ球輸注療法
(DLI)の協力依頼や患者からの手紙が届く可能性がある。

提供後に住所が変わってしまったために、旧住所に郵便物が届けられ、個人
情報漏洩となったケースも存在する。


<コーディネーターの対応について>
一部の心ないコーディネーターにより、ドナーやその家族とトラブルになる
ケースが発生している。

家族は、ドナーが骨髄を提供することについて快く感じないことが多く、
それらの気持ちに配慮出来ないコーディネーター側の対応が、結果として
家族の顰蹙を買い、コーディネート終了となる場合もある。

また、提供後の健康診断を受診するようにと、ドナーに対して頻繁に電話で
催促したり、場合よっては「昼休みを使って病院まで来てほしい」、「有給や
フレックスを使って時間を作れないか」などの対応がなされる場合もある。
ドナーは、仕事の都合などでなかなか時間を作れない事が多く、最終的に
術後検診を受診出来ないまま、コーディネートが打ち切られてしまうケースも
多々見受けられる。


<過去に起こった問題事例>
ヘモグロビン濃度が基準を下回るドナーが、チェックミスにより検査をすり
抜け、自己血採血を済ませ、さらに、採取直前までいったものの、最終的に
採取は中止されたといった事例があった。

骨髄提供手術のための入院の際に、院内感染によってC型肝炎を発症し、
職場復帰に数か月を要した事例があった。

2007年3月、ドナー登録者データの登録作業の際に誤って別人のHLA型を
入力するミスがあった。

2009年4月骨髄液採取キットの製造メーカー変更の際、製品仕様の違いに
よりのフィルター部分のろ過未完了の骨髄液(約400mL)を過小算出し、
その分がドナーから過量採取となった事例が1例発生した。
該当ドナーに健康被害は発生しなかったものの、同件について同月中に採取
担当医師各位宛に骨髄移植推進財団から緊急安全情報が通達された。

骨髄バンクの元総務部長が、常務理事(当時)のパワハラやセクハラを理事長
宛てに報告したところ解雇され、東京地裁に訴えをおこした。
裁判所は、元総務部長の訴えをほぼ全面的に認め、骨髄バンクに対し、解雇の
無効とその間の賃金、及び慰謝料50万円の支払いを命じた。
なお、本件については東京高等裁判所にて和解し解決している。

ドナーに対して、骨髄採取時の全身麻酔後に実施する気管挿管について、
訓練と称して救急救命士に実施させていたことが発覚した。
麻酔科医が、手術前にドナーの病室を訪れ、救命士のモルモットになるよう
ドナーに説明を行い、同意書にサインをもとめていた。
なお、本件について担当主治医や骨髄バンクは認識しておらず、ドナーからの
報告で事実が明るみに出た。
日本麻酔科学会から、「バンクドナーを対象とした、救急救命士による気管
挿管の実習は容認できない。」との回答を受け、骨髄バンクは各採取施設の
麻酔科医及び責任医師宛に通達した。





骨髄移植の問題事例

[骨髄移植の問題事例]

(Wikipedia)


<過去に起こった問題事例>
ドナーに対して、骨髄採取時の全身麻酔後に実施する気管挿管について、
訓練と称して救急救命士に実施させていたことが発覚した。
麻酔科医が、手術前にドナーの病室を訪れ、救命士のモルモットになるよう
ドナーに説明を行い、同意書にサインをもとめていた。
なお、本件について担当主治医や骨髄バンクは認識しておらず、ドナーからの
報告で事実が明るみに出た。
日本麻酔科学会から、「バンクドナーを対象とした、救急救命士による気管
挿管の実習は容認できない。」との回答を受け、骨髄バンクは各採取施設の
麻酔科医及び責任医師宛に通達した。


ヘモグロビン濃度が基準を下回るドナーが、チェックミスにより検査をすり
抜け、自己血採血を済ませ、さらに、採取直前までいったものの、最終的に
採取は中止されたといった事例があった。

骨髄提供手術のための入院の際に、院内感染によってC型肝炎を発症し、
職場復帰に数か月を要した事例があった。

2007年3月、ドナー登録者データの登録作業の際に誤って別人のHLA型を
入力するミスがあった。

2009年4月骨髄液採取キットの製造メーカー変更の際、製品仕様の違いに
よりのフィルター部分のろ過未完了の骨髄液(約400mL)を過小算出し、
その分がドナーから過量採取となった事例が1例発生した。
該当ドナーに健康被害は発生しなかったものの、同件について同月中に採取
担当医師各位宛に骨髄移植推進財団から緊急安全情報が通達された。

骨髄バンクの元総務部長が、常務理事(当時)のパワハラやセクハラを理事長
宛てに報告したところ解雇され、東京地裁に訴えをおこした。
裁判所は、元総務部長の訴えをほぼ全面的に認め、骨髄バンクに対し、解雇の
無効とその間の賃金、及び慰謝料50万円の支払いを命じた。
なお、本件については東京高等裁判所にて和解し解決している。



<個人情報の取り扱いについて>
骨髄バンクのドナー登録は、中央骨髄データセンターに対して行うもので
あり、骨髄バンクが管理しているわけではない。
したがって、ドナー登録を取り消しした場合でも、骨髄バンクが所持している
個人情報は削除されない。
また、取り消し後も提供したドナーに対して、ドナーリンパ球輸注療法
(DLI)の協力依頼や患者からの手紙が届く可能性がある。

提供後に住所が変わってしまったために、旧住所に郵便物が届けられ、個人
情報漏洩となったケースも存在する。



<コーディネーターの対応について>
一部の心ないコーディネーターにより、ドナーやその家族とトラブルになる
ケースが発生している。

家族は、ドナーが骨髄を提供することについて快く感じないことが多く、
それらの気持ちに配慮出来ないコーディネーター側の対応が、結果として
家族の顰蹙を買い、コーディネート終了となる場合もある。

また、提供後の健康診断を受診するようにと、ドナーに対して頻繁に電話で
催促したり、場合よっては「昼休みを使って病院まで来てほしい」、「有給や
フレックスを使って時間を作れないか」などの対応がなされる場合もある。
ドナーは、仕事の都合などでなかなか時間を作れない事が多く、最終的に
術後検診を受診出来ないまま、コーディネートが打ち切られてしまうケースも
多々見受けられる。





小児脳死移植の打診6件、実施はゼロ

[小児脳死移植の打診6件、実施はゼロ]

(読売新聞  2011年1月17日)


15歳未満の子供からの脳死臓器提供を認める改正臓器移植法が昨年7月
17日に全面施行されてから半年を迎えるが、脳死の可能性がある子供が
昨年末までに少なくとも11人いたことが16日、読売新聞社のアンケート
調査で分かった。


このうち6人については、病院と家族が臓器提供の話し合いまで行ったが、
家族の同意が得られず法的な脳死判定には至らなかった。

一方、病院側が「虐待が疑われる」と判断し、話し合いを見送ったケースも
あり、子供の臓器提供の難しさが改めて浮き彫りになった。


アンケートは、子供からの臓器提供が可能と厚生労働省に回答し、名称の
公表に承諾した全国57施設(昨年12月17日現在)を対象に実施。
大学病院や小児専門病院など54施設から回答を得た(回答率94.7%)。

脳死の可能性がある子供は8施設で計11人おり、交通事故や急性脳症などが
原因だった。

そのうち5施設の6人のケースでは病院が家族に説明したり、家族が申し
出たりして臓器提供の話し合いが行われた。
子供の脳死の場合、まだ幼いのに加え、目の前で事故が起こるケースも多く、
家族のショックは大きい。

西日本で昨年7月に、乳児が車外に投げ出されたケースでは、運転していた
母親自身も事故の被害者だったが、自分を強く責めた。
集中治療室に入る子供に「頑張れ、頑張れ」と声をかけ続けた。
3週間後、医師が臓器提供の説明をすると「良いこととは分かっているが、
子供にメスは入れたくない」と、提供を拒んだ。

残る5人も「重い病気でも育てたい」「このまま一緒に生きていきたい」との
家族の意向もあり、最終的に提供はすべて見送られた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110116-00000821-yom-sci

家族承諾で28例目の脳死判定 代男性、大阪

[家族承諾で28例目の脳死判定 代男性、大阪]

(共同通信  2010年12月29日)


日本臓器移植ネットワークは29日、大阪市立大病院にぜんそくによる低酸素
脳症で入院していた50代男性が、家族の承諾で法的に脳死と判定されたと発表
した。

男性は臓器提供の意思を書面で示していなかったが、家族が脳死判定と提供を
承諾した。
本人意思不明は28例目。
脳死移植は臓器移植法施行以来115例目。

心臓は東京大病院で30代男性、肝臓は北海道大病院で40代女性、膵臓と
片方の腎臓は名古屋第二赤十字病院で50代男性、もう片方の腎臓は関西医大
枚方病院で50代男性にそれぞれ移植。
肺と小腸は医学的理由で移植を断念した。

脳死と判定されたのは28日午後9時19分。


http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010122901000155.html   



自身の幹細胞で心筋再生 岡山大病院、来月から臨床研究

[自身の幹細胞で心筋再生 岡山大病院、来月から臨床研究]

(山陽新聞  2010年12月28日)


岡山大病院新医療研究開発センター・再生医療部門の王英正教授(循環器
内科学)らの研究グループは、生まれつき心室に異常がある単心室症の
子どもを対象にした再生医療の臨床研究を1月から始める。
患者自身の心臓組織から取り出した幹細胞を培養して心筋に戻し、心機能
強化を図る。

心臓幹細胞を活用した小児への治療は世界初の試みという。


脳死臓器提供の年齢制限を撤廃した改正臓器移植法の全面施行(7月)で、
従来は海外での移植に頼らざるを得なかった小児の心臓移植への道は開かれ
たが、いまだに18歳未満の脳死ドナーは現れていない。

今回の再生治療と外科手術の組み合わせで患者の生存率が高まり、根治的な
治療である移植を受ける機会が増すことが期待される。


臨床研究は同病院の佐野俊二心臓血管外科教授、大月審一小児循環器科教授
らと共同で、単心室症の乳幼児7人に実施。
肺への血流を増やすシャント術時に採取した心臓組織(約100ミリグラム)
から、自己複製能力を持つ幹細胞を取り出して培養する。

術後1カ月で行う心臓カテーテル検査の際、冠動脈中に培養した幹細胞を注入
して自家移植し心筋を強化、血液を送り出す機能を高める。
さらに3カ月後、カテーテル再検査時に心臓のポンプ機能の増強や安全性
などを確認する。


研究で高い安全性や効果が認められれば、治療の有無で患者を比較する
第2期の臨床研究を国に申請する方針。


http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2010122800091519/  





解剖実習のご献体は・・・元教員

[初めての解剖実習、横たわる遺体は・・・]

(AFPBB News  2010年12月18日)

発信地:ストックホルム/スウェーデン


【12月18日 AFP】
スウェーデンの医大生らにとって、それが初めての死体解剖実習だった。
しかし、教室に横たわった遺体はとてもよく知った顔だった――
学生たちを教えていた元教員の。

「最初の死体解剖は、すごく、すごく感情的になりやすい。しかもそれが
わたしたちの良く知っていた人だなんて」と、ショックを受けた学生の
1人が、スウェーデン通信(TT)に語った。

また別の学生は、「手順になにか手違いがあったんじゃないか」とこぼした。


<いたましいがこれも教育>
この大学のブリジッタ・サンデリン氏は「極めて不運なこと」と、この
出来事について述べた。
サンデリン氏によると、通常は解剖実習の前に、学生たちに誰を解剖する
ことになるのか通知するという。
今回もそうだった。

だがある学生は、足の親指に付けられたタグの名前を見るまで、学生らは
元教員を解剖することになるとは知らなかったと主張している。

学部長のティナ・ダリアニス氏は、この出来事を遺憾に思うと述べた上で、
「いたましい出来事だが、これもときに教育の一部。残念ながら学生たちは
対応していくしかない」と語った。


http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2780009/6594939   





骨髄移植でHIVが消滅 骨髄の遺伝子がHIVに耐性

[骨髄移植でHIVが消滅 治療に新たな手掛かり]

(共同通信  2010年12月16日)

【ワシントン共同】
白血病の治療のため、骨髄移植を受けたところ、感染していたエイズウイルス
(HIV)が体内から消えたという珍しい患者の症例が、米国の医学誌に報告
された。
15日米メディアが報じた。


提供された骨髄の遺伝子がHIVに耐性を持っていたことから起きたらしい。
専門家らは「エイズ治療法として使うのは難しいが、新たな治療法や薬の
開発の手掛かりになる」と指摘している。


患者は40代の男性で、2007年にドイツの病院で白血病治療のための骨髄
移植を受けた。
移植から3年以上過ぎた時点で、白血病が治ったばかりか、以前から感染して
いたHIVも検出されなくなったという。


http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010121601000135.html   















アメリカ赤十字はCFS患者やXMRV感染者の献血を延期している

[「取れない疲れ」の原因を探れ]

(ニューズウィーク日本版  2010年12月16日)


<原因も治療法も分からない慢性疲労症候群を解明するウイルス研究>

(クロディア・カルブ:医療担当)


ローラ・ヒレンブランドが数年前に自らのつらい体験をつづった文章は、
いま読んでも身につまされる。
ヒレンブランドは『シービスケット あるアメリカ競走馬の伝説』と、
第2次大戦の爆撃手ルイス・ザンペリーニを描いた新刊『不屈』の著者。
しかし同時に、慢性疲労症候群(CFS)の患者を代表する最も雄弁な語り手
でもある。
現在43歳の彼女は、大学時代からこの不可解な病に苦しんできた。


2003年にニューヨーカー誌に寄せたエッセーで、ヒレンブランドは関節の
痛み、リンパ節の腫れ、吐き気、疲労感について書いた。
むなしく医者を転々とした日々。
無関心、恥辱、軽減しない症状。
意識がもうろうとして、単語は意味を失い、思考は消えた。
「世界が遠く感じられた」と、ヒレンブランドは書いている。
「透明なビニールにくるまれているかのようだった」


CFSという病気自体が何十年もの間、医学的にも科学的にも幾重ものベールに
包まれてきた。
ヒレンブランドが1987年に発症して以降、全米で400万人もの患者がいる
この病について、医師の関心は高まり、研究者は原因についてさまざまな
仮説を立てている。

とはいえ一気に前進とはいかないようだ。
今年8月、米国立衛生研究所(NIH)と米食品医薬品局(FDA)の共同研究
チームがCFS患者の血液中にレトロウイルスを発見したと発表した。

昨年も同様の報告があり、原因と治療法の特定に期待が高まった。

しかしこの夏発表された疾病対策センター(CDC)の研究では、ウイルスとの
関連性は見つかっていない。

現在は、コロンビア大学の著名なウイルス学者らによる全米規模の研究に
期待が寄せられている。

「最先端科学は、しばしば確実ではない」と、バンダービルト大学の伝染病
専門家ウィリアム・シャフナーは言う。
「常に気を引き締めておかなければならない」



<終身刑のような病気>
これまでも長い道のりだった。
この病気がアメリカで表面化したのは1980年代、以来CFS患者は医師の
懐疑的な態度に耐えてきた。
原因不明で診断法も具体的な治療法もない一連の症状に、医師はなすすべが
なかった。
ヒレンブランドをはじめ多くの患者が精神科医を紹介された。

CFSは長いこと二の次にされた。
1999年には政府の監査で、CDCがCFS用の巨額の予算を別のプログラムに
流用していたことが発覚している。

CFSは複雑な病気で、症状の経時的変化が大きく患者の範囲も広いので、
医学界を当惑させ続けている。
平日は平気でも週末になると衰弱する人もいる。
特に重症の患者は寝たきりになる。

「CFSは死刑ではないが終身刑に等しい」と、患者支援団体である米慢性疲労
免疫不全症候群協会のキム・マクリアリー会長は言う。
「患者は人生を十分満喫できない」
患者は科学的確証を求めている。


昨年発表された研究では、ネバダ州にあるウィットモア・ピーターソン研究所
(WPI)のジュディ・ミコビッツらが、XMRVという感染性レトロウイルス
(HIVと同系統)がCFS患者の67%で血液中に存在することを突き止めた。
「私たちが調べた患者については間違いない」と、ミコビッツは言う。
NIHの研究では、患者の87%でXMRVと同系統のウイルスのDNAが見つ
かったのに対し、健康な人では7%にすぎなかった。

しかしCDCの報告書やヨーロッパの複数の研究などでは、ウイルスは発見
されなかった。
理由ははっきりしない。
ウイルスの検査法は研究室によって異なる。
ある地域に固有のウイルスという可能性も考えられる。

おそらく最も重要なのは、WPIやNIHの研究対象となった患者も含めて、
ほかの患者よりはるかに症状の重い患者もいることだ。
「結局、このウイルスについてはまだ謎が多いということだ」と、CDCの
スティーブ・モンローは言う。
 
そもそもXMRVにどうやって感染するかということさえ分かっていない。
見つかったウイルスが実際にCFSを引き起こすかどうかもまだ分からないと、
研究者は強調する。
「ウイルスは病気とはまったく関係なく、CFSの原因ではないかもしれない」
と、NIHのハービー・オルターは言う。


しかしウイルスが原因である可能性は、人々を不安にさせている。
ある国際的な血液バンク協会は今年、ウイルス感染を懸念してCFS患者は
献血を控えるよう勧告した。

アメリカ赤十字に至っては、CFS患者やXMRV感染が判明した人の献血を
無期限に延期している。



<臨床試験にも賛否両論>
医師は現在、運動、認知行動療法、鎮痛剤、睡眠薬などさまざまな対症療法を
指示している。

しかしウイルスが原因だとしたら、ある問題が浮上する。
HIV感染者に処方するような抗レトロウイルス剤をCFS患者にも処方すべきか
どうか、だ。

CFS用としては未承認の抗レトロウイルス剤を服用している患者もいるが、
そろそろ計画的な臨床試験を行って有効性を確認するべきだと、アルバータ
大学(カナダ)のアンドルー・メイソン准教授は言う。
「戦いに勝つ方法はそれ以外にない」

とはいえ、ここでも異論はある。
臨床試験に入るにはより確実な根拠が必要だと主張する専門家もいる。
「患者は明らかに病気で苦しんでおり、早急に治療する必要がある。しかし
本当に関連性があるかどうかを突き止めるのが先決だ」と、コロンビア大学
感染免疫研究所のイアン・リプキン所長は言う。

11月上旬、リプキンは研究を次の段階に進めようとしていた。
全米の同じような症状の患者少なくとも150人から血液サンプルを集め、
年齢、性別、居住地域が同じ健康な人のグループと比較して、ウイルスとの
関連性を極力はっきりさせるという。

科学的発見は私たちが望むほど簡単ではない。
たいてい直感と研究と異論とフライングと脱線と落胆が絡み合っている。

いつの日かベールがすっかり取り払われ、原因が解明されて治療法が見つ
かる。
そしてヒレンブランドをはじめ何百万人もの患者が、生き生きとした日々を
取り戻せる・・・・・。
誰もがそう願っている。

(ニューズウィーク日本版12月15日号掲載)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101216-00000303-newsweek-int

家族承諾のみ18、19例目の脳死臓器提供へ

家族承諾のみ18、19例目の脳死臓器提供へ

(朝日新聞  2010年11月26日)


日本臓器移植ネットワーク(移植ネット)は26日、福山市民病院(広島県)に
入院中の60歳代の男性と、札幌医科大学付属病院(北海道)に入院中の
60歳代の女性が、改正臓器移植法に基づいて脳死と判定され、臓器提供の
手続きに入ったと発表した。


7月の改正法施行後、本人の意思が書面で残されておらず、家族の承諾だけで
提供されるのは18、19例目。
脳死の人からの臓器提供は1997年の臓器移植法施行後105、106例目となる。


移植ネットによると、福山市民病院から移植ネットに24日に連絡が入り、
家族は25日午前9時10分に脳死判定と臓器摘出の承諾書を移植ネットに
出した。
同病院で男性の脳死判定が行われ、25日午後8時25分に2回目の脳死判定が
終わって男性の死亡が確定した。
男性は低酸素脳症で治療を受けていた。

札幌医科大学付属病院からは24日に移植ネットに連絡が入った。
家族は25日正午に脳死判定と臓器摘出の承諾書を移植ネットに出した。
同病院で女性の脳死判定が行われ、26日午前1時35分に2回目の脳死判定が
終わって死亡が確定した。
女性は脳血管障害で治療を受けていた。

家族は移植ネットを通じ、それぞれ「社会への貢献をさせてあげたい」、
「人の役に立つよいことだと思い、申し出ました」などとのコメントを
出した。

福山市民病院の男性の家族は心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸、眼球の
提供を承諾した。
心臓は大阪大病院で40歳代女性に、肺は岡山大病院で30歳代女性に、腎臓は
県立広島病院で60歳代男性と、岡山医療センターで50歳代男性にそれぞれ
提供される。
肝臓などは医学的理由で提供を見送った。

札幌医科大学付属病院の女性の家族は心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸の
提供を承諾した。
肺は長崎大病院で40歳代女性と、東北大病院で30歳代女性に、肝臓は国立
成育医療研究センターで10歳代男性に、腎臓は市立札幌病院で30歳代
女性に、もう1つの腎臓と膵臓は東北大病院で40歳代女性にそれぞれ提供
される。
心臓などは医学的理由で提供を見送った。


2009年7月に成立した改正法で、本人の意思が書面に残されておらず、
よくわからない場合、家族の承諾で提供できるようになった。


http://www.asahi.com/health/news/TKY201011260261.html  



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