カテゴリー : 輸血・献血

アメリカ赤十字はCFS患者やXMRV感染者の献血を延期している

[「取れない疲れ」の原因を探れ]

(ニューズウィーク日本版  2010年12月16日)


<原因も治療法も分からない慢性疲労症候群を解明するウイルス研究>

(クロディア・カルブ:医療担当)


ローラ・ヒレンブランドが数年前に自らのつらい体験をつづった文章は、
いま読んでも身につまされる。
ヒレンブランドは『シービスケット あるアメリカ競走馬の伝説』と、
第2次大戦の爆撃手ルイス・ザンペリーニを描いた新刊『不屈』の著者。
しかし同時に、慢性疲労症候群(CFS)の患者を代表する最も雄弁な語り手
でもある。
現在43歳の彼女は、大学時代からこの不可解な病に苦しんできた。


2003年にニューヨーカー誌に寄せたエッセーで、ヒレンブランドは関節の
痛み、リンパ節の腫れ、吐き気、疲労感について書いた。
むなしく医者を転々とした日々。
無関心、恥辱、軽減しない症状。
意識がもうろうとして、単語は意味を失い、思考は消えた。
「世界が遠く感じられた」と、ヒレンブランドは書いている。
「透明なビニールにくるまれているかのようだった」


CFSという病気自体が何十年もの間、医学的にも科学的にも幾重ものベールに
包まれてきた。
ヒレンブランドが1987年に発症して以降、全米で400万人もの患者がいる
この病について、医師の関心は高まり、研究者は原因についてさまざまな
仮説を立てている。

とはいえ一気に前進とはいかないようだ。
今年8月、米国立衛生研究所(NIH)と米食品医薬品局(FDA)の共同研究
チームがCFS患者の血液中にレトロウイルスを発見したと発表した。

昨年も同様の報告があり、原因と治療法の特定に期待が高まった。

しかしこの夏発表された疾病対策センター(CDC)の研究では、ウイルスとの
関連性は見つかっていない。

現在は、コロンビア大学の著名なウイルス学者らによる全米規模の研究に
期待が寄せられている。

「最先端科学は、しばしば確実ではない」と、バンダービルト大学の伝染病
専門家ウィリアム・シャフナーは言う。
「常に気を引き締めておかなければならない」



<終身刑のような病気>
これまでも長い道のりだった。
この病気がアメリカで表面化したのは1980年代、以来CFS患者は医師の
懐疑的な態度に耐えてきた。
原因不明で診断法も具体的な治療法もない一連の症状に、医師はなすすべが
なかった。
ヒレンブランドをはじめ多くの患者が精神科医を紹介された。

CFSは長いこと二の次にされた。
1999年には政府の監査で、CDCがCFS用の巨額の予算を別のプログラムに
流用していたことが発覚している。

CFSは複雑な病気で、症状の経時的変化が大きく患者の範囲も広いので、
医学界を当惑させ続けている。
平日は平気でも週末になると衰弱する人もいる。
特に重症の患者は寝たきりになる。

「CFSは死刑ではないが終身刑に等しい」と、患者支援団体である米慢性疲労
免疫不全症候群協会のキム・マクリアリー会長は言う。
「患者は人生を十分満喫できない」
患者は科学的確証を求めている。


昨年発表された研究では、ネバダ州にあるウィットモア・ピーターソン研究所
(WPI)のジュディ・ミコビッツらが、XMRVという感染性レトロウイルス
(HIVと同系統)がCFS患者の67%で血液中に存在することを突き止めた。
「私たちが調べた患者については間違いない」と、ミコビッツは言う。
NIHの研究では、患者の87%でXMRVと同系統のウイルスのDNAが見つ
かったのに対し、健康な人では7%にすぎなかった。

しかしCDCの報告書やヨーロッパの複数の研究などでは、ウイルスは発見
されなかった。
理由ははっきりしない。
ウイルスの検査法は研究室によって異なる。
ある地域に固有のウイルスという可能性も考えられる。

おそらく最も重要なのは、WPIやNIHの研究対象となった患者も含めて、
ほかの患者よりはるかに症状の重い患者もいることだ。
「結局、このウイルスについてはまだ謎が多いということだ」と、CDCの
スティーブ・モンローは言う。
 
そもそもXMRVにどうやって感染するかということさえ分かっていない。
見つかったウイルスが実際にCFSを引き起こすかどうかもまだ分からないと、
研究者は強調する。
「ウイルスは病気とはまったく関係なく、CFSの原因ではないかもしれない」
と、NIHのハービー・オルターは言う。


しかしウイルスが原因である可能性は、人々を不安にさせている。
ある国際的な血液バンク協会は今年、ウイルス感染を懸念してCFS患者は
献血を控えるよう勧告した。

アメリカ赤十字に至っては、CFS患者やXMRV感染が判明した人の献血を
無期限に延期している。



<臨床試験にも賛否両論>
医師は現在、運動、認知行動療法、鎮痛剤、睡眠薬などさまざまな対症療法を
指示している。

しかしウイルスが原因だとしたら、ある問題が浮上する。
HIV感染者に処方するような抗レトロウイルス剤をCFS患者にも処方すべきか
どうか、だ。

CFS用としては未承認の抗レトロウイルス剤を服用している患者もいるが、
そろそろ計画的な臨床試験を行って有効性を確認するべきだと、アルバータ
大学(カナダ)のアンドルー・メイソン准教授は言う。
「戦いに勝つ方法はそれ以外にない」

とはいえ、ここでも異論はある。
臨床試験に入るにはより確実な根拠が必要だと主張する専門家もいる。
「患者は明らかに病気で苦しんでおり、早急に治療する必要がある。しかし
本当に関連性があるかどうかを突き止めるのが先決だ」と、コロンビア大学
感染免疫研究所のイアン・リプキン所長は言う。

11月上旬、リプキンは研究を次の段階に進めようとしていた。
全米の同じような症状の患者少なくとも150人から血液サンプルを集め、
年齢、性別、居住地域が同じ健康な人のグループと比較して、ウイルスとの
関連性を極力はっきりさせるという。

科学的発見は私たちが望むほど簡単ではない。
たいてい直感と研究と異論とフライングと脱線と落胆が絡み合っている。

いつの日かベールがすっかり取り払われ、原因が解明されて治療法が見つ
かる。
そしてヒレンブランドをはじめ何百万人もの患者が、生き生きとした日々を
取り戻せる・・・・・。
誰もがそう願っている。

(ニューズウィーク日本版12月15日号掲載)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101216-00000303-newsweek-int

血液安定供給心配、福島で反発:日赤東北ブロック血液センター計画に

[血液、安定供給損なう 福島で反発 日赤、製造業務を仙台に]

(河北新報 2010年11月4日)


日赤が輸血用血液の製造業務を仙台市に集約する計画について、福島県内から
反発が起きている。
既に県医師会が反対の声明を出したほか、産科学会の県組織なども今後、
反対の意思を表明する見通し。

緊急手術や交通がストップした際の供給を不安視しているためで、「今まで
通り県内で製造業務を続けてほしい」と訴えている。


東北の輸血用血液は現在、各県の日赤ごとに製造されている。
福島県内では、県赤十字血液センター(福島市)が製造、郡山市やいわき市
など5カ所で原則3日分を備蓄し、必要な医療機関に運んでいる。


ところが、日赤の計画では、東北の輸血用血液製造は2012年4月から、
仙台市泉区の「日赤東北ブロック血液センター」(仮称)に一元化。
ブロック血液センターから6県に供給されることになった。



<危機対策を>
計画に対し、福島県医師会は10月末、将来の宮城県沖地震の発生なども指摘
しながら、「危機管理対策が十分担保されない限り、リスク分散を図る
べきだ」との声明を出した。

県立医大医学部の教授会も「一元化は血液の安定供給を損ない、県民の生命を
危うくする」との意見書を日赤に提出。
大戸斉・医学部長は「雪で東北道が通行止めになったりすれば、会津地方
などへの供給は不安だ。備蓄分は緊急手術などで使い果たす可能性もある」と
心配する。



<お産が心配>
日本産科婦人科学会福島地方部会と県産婦人科医会も今後、連名で意見書を
出すことにしている。
婦人科学会からは「お産では突然出血するケースも多い。患者が珍しい血液型
だった場合の対応も不安だ」との声が出ている。


反対意見について、日赤血液事業本部は「一元化しても供給体制に問題は
なく、各県の3日間の備蓄にも変更はない。現在も各県で血液を融通し合って
おり、緊急時でも十分に対応できる」と説明している。


日赤は現在、全国を7ブロックに分け、輸血用血液製造業務の集約を進めて
いる。
東北の他県からは今のところ、反対意見は寄せられていないという。


http://www.47news.jp/news/2010/11/post_20101104164128.html    




エイズ患者、四半期ベースで最多=「関心の薄れ危惧」—厚労省

[エイズ患者、四半期ベースで最多=「関心の薄れ危惧」—厚労省]

(時事通信  2010年8月13日)

厚生労働省は13日、今年の第2四半期(3月29日〜6月27日)に、新たに
報告されたエイズ患者は129人に上り、四半期ベースでは過去最多だったと
発表した。

すべて検査で把握されないまま発症した新規のエイズ患者で、このうち男性は
125人、30代以上が8割以上を占めた。

4年ぶりに母子感染が確認されたほか、一部で献血を通じて感染が判明する
ケースも相次ぎ、同省エイズ動向委員会は「国民の関心が薄れていることが
危惧される」としている。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100813-00000107-jij-soci

血液型(国試2008)

[血液型(歯科衛生士国家試験2008)]


血液を血清と混和した結果を図に示す。
血液型はどれか。
× a A型
○ b B型
× c AB型
× d O型

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保護中: ABO式血液型の生化学

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ABO式血液型とは

[ABO式血液型]

(Wikipedia)

A型はA抗原を発現する遺伝子(A型転移酵素をコードする遺伝子)を持って
おり、B型はB抗原を発現する遺伝子を、AB型は両方の抗原を発現する
遺伝子を持っている。

A抗原とB抗原は、持っていないとそれに対する自然抗体が形成される。

自然抗体を持っている理由は不明であるが、細菌感染説などが存在する。
但し、抗A抗体と抗B抗体は「IgM」であるが、細菌感染なら「IgG」が発現
するはずだという異論がある。

これらの抗原が最初に血液から発見されたために「血液型」という名称を
冠するもので、血液以外にも唾液・精液など、すべての体液にも存在する。
但し、1/4の人は抗原が出ないもしくは微量のため、この場合は検出が
難しい。


A抗原、B抗原はH抗原からそれぞれA型転移酵素、B型転移酵素によって
化学的に変換される。


3種の遺伝子の組み合わせによる表現形、ABO式血液型を決定する遺伝子は
第9染色体に存在する。

H物質発現をコードする遺伝子は第19染色体に位置し、H前駆物質をH物質へ
変換させる。
この遺伝子が発現しない場合はボンベイ型となる。





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