カテゴリー : 再生医療

幹細胞:未承認治療に参加しないよう勧告 再生医療学会

[幹細胞:未承認治療に参加しないよう勧告 再生医療学会]

(毎日新聞  2011年3月1日)


日本再生医療学会(理事長、岡野光夫・東京女子医大教授)は28日、理事会を
開き、薬事法による承認や保険適用を受けていない幹細胞治療に関与しない
よう会員を対象に勧告を出すことを決めた。
勧告は3月2日、全会員3,475人(2月21日現在)に配信する。
安全性や治療効果が確立していない、不適切な治療による健康被害が広がる
ことを懸念し、注意喚起するのが狙い。
同学会が勧告を出すのは初めて。


日本では、人間の幹細胞の取り扱い方を定めた指針に沿った臨床研究や、
薬事法に基づく治験といった正規の手続きを踏まなくても、研究段階の治療を
医師の裁量で行うことが認められている。


勧告文では、正規の手続きを経ないまま「医師の裁量権」を根拠に、幹細胞を
血液中に入れたり、患部に移植する「医療と称する行為」が行われていると
指摘。
さらに、それらの不適切な幹細胞治療を海外から訪れた患者に施す「医療
ツーリズム」によって医療事故が発生しているとして、指針に沿わず、
臨床研究や治験を経ていない幹細胞治療などの再生医療を「断固容認しない
態度」を認識するよう求めた。

岡野理事長は「正規の臨床研究や治験が厳しい基準のもとで行われている
一方で、自由診療で効果のはっきりしていない治療行為が野放しになって
いる。患者を守るため、不適切な幹細胞治療はしないことを会員に強く
求めたい」と話す。
【須田桃子、八田浩輔】



<安易な実施懸念 信頼損なう恐れ>
日本再生医療学会が、不適切な幹細胞治療を容認しない強い姿勢を打ち出した
背景には、科学的根拠が低く、安全性が疑問視される幹細胞治療が想像を
超えるスピードで広がっている現実がある。

実際には研究段階ながら、美容整形や糖尿病などで幹細胞治療の実施を
ホームページなどに掲げる医療機関は全国各地に存在する。

学会は「安易な実施が、幹細胞治療自体への信頼を損なう恐れがある」と
危機感を強めている。


人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを使った幹細胞治療は、再生医療の切り札
として、難病患者らの期待が高い研究分野だ。

一方、例えば骨髄や脂肪細胞から作られ、美容整形などで多く使われている
「間葉系幹細胞」は、そもそも粘着性が高く、塊を作りやすい特徴がある。
動物実験では、血管が詰まって死ぬ重大な副作用が確認されている。


学会の勧告には、強制力はない。
しかし、現場の医師は患者に対し、治療の危険性も含めた説明を尽くす責任を
負ったと言える。
【永山悦子、八田浩輔】


http://mainichi.jp/select/science/news/20110301k0000m040144000c.html  








ヒト乳歯幹細胞培養液でラットの脳梗塞回復

[幹細胞培養液で脳梗塞回復 名古屋大、ラットで実験]

(共同通信  2011年2月28日)

人の乳歯の幹細胞を培養した液体を脳梗塞のラットに投与し、運動機能を
回復、脳梗塞の範囲を縮小させることに名古屋大の上田実教授らが成功した。

詳しいメカニズムは不明だが、液体に含まれるタンパク質が脳の細胞の修復を
促したとみている。

機能が損なわれた臓器や組織の再生医療として、細胞の移植などが考えられて
いるが、細胞自体は使わない新たな治療法となる可能性がある。

3月1日から都内で始まる日本再生医療学会で発表する。


上田教授らは幹細胞を培養後、幹細胞を取り出して液体だけをろ過、濃縮し、
保存のため凍結乾燥し粉末にした。
これを生理食塩水に溶かし、脳梗塞のラットの脳に直接投与すると、全く
動かなかった足が6日後には動くようになった。

ラットの鼻に、この培養液を2週間、毎日投与する方法でも同様に運動機能が
回復した。
鼻の粘膜を通じ脳に到達するらしい。
脳梗塞の範囲は、液体を投与しないラットの約3分の1になった。

液体には乳歯幹細胞が出すタンパク質が含まれ、神経細胞の保護や血管の
誘導、脳内の別の幹細胞の働きを促すなどの作用をしているとみられると
いう。


http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011022801000601.html   





QT延長症候群患者からiPS作製  新薬開発試験に利用も

[突然死リスク患者からiPS作製  新薬開発試験に利用も]

(共同通信  2011年1月17日)


不整脈が起き、失神したり突然死する場合もある心臓の病気「QT延長
症候群」の患者の皮膚細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製し、
心筋細胞に分化させることに成功したと、イスラエル工科大の研究チームが
16日付英科学誌ネイチャーに発表した。


QT延長症候群の患者は、薬の使用が原因で不整脈が起きる場合がある。

今回作製した心筋細胞を利用すれば、この病気の治療薬開発だけでなく、
新薬開発の際の毒性試験に利用し、副作用があるかどうかを調べることが
できるという。


研究チームは、家族性QT延長症候群(2型)の28歳の女性から採取した
皮膚の線維芽細胞を使用。
遺伝子の“運び屋”にレトロウイルスを使って3種類の遺伝子を導入し、iPS
細胞を作製、心筋細胞に分化させた。


http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011011601000223.html   



体外で培養、マウスの歯を完全再生

[体外で培養、マウスの歯を完全再生]

(時事通信  平成23年1月2日)


マウスの歯の一部を体外で培養し、完全な歯を再生することに世界で初めて
成功した。
培養前のマウスの歯冠(左、実体顕微鏡像)と、体外で4週間培養して再
生させた歯(右、X線画像)=中原貴日本歯科大教授提供 

写真は、
http://www.jiji.com/jc/p?id=20110103144311-0276164&n=1  




自身の幹細胞で心筋再生 岡山大病院、来月から臨床研究

[自身の幹細胞で心筋再生 岡山大病院、来月から臨床研究]

(山陽新聞  2010年12月28日)


岡山大病院新医療研究開発センター・再生医療部門の王英正教授(循環器
内科学)らの研究グループは、生まれつき心室に異常がある単心室症の
子どもを対象にした再生医療の臨床研究を1月から始める。
患者自身の心臓組織から取り出した幹細胞を培養して心筋に戻し、心機能
強化を図る。

心臓幹細胞を活用した小児への治療は世界初の試みという。


脳死臓器提供の年齢制限を撤廃した改正臓器移植法の全面施行(7月)で、
従来は海外での移植に頼らざるを得なかった小児の心臓移植への道は開かれ
たが、いまだに18歳未満の脳死ドナーは現れていない。

今回の再生治療と外科手術の組み合わせで患者の生存率が高まり、根治的な
治療である移植を受ける機会が増すことが期待される。


臨床研究は同病院の佐野俊二心臓血管外科教授、大月審一小児循環器科教授
らと共同で、単心室症の乳幼児7人に実施。
肺への血流を増やすシャント術時に採取した心臓組織(約100ミリグラム)
から、自己複製能力を持つ幹細胞を取り出して培養する。

術後1カ月で行う心臓カテーテル検査の際、冠動脈中に培養した幹細胞を注入
して自家移植し心筋を強化、血液を送り出す機能を高める。
さらに3カ月後、カテーテル再検査時に心臓のポンプ機能の増強や安全性
などを確認する。


研究で高い安全性や効果が認められれば、治療の有無で患者を比較する
第2期の臨床研究を国に申請する方針。


http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2010122800091519/  





眼球に電極、失明患者の視力回復 指で光追う

[眼球に電極、失明患者の視力回復 指で光追う、阪大で国内初]

(共同通信  2010年12月5日)


失明した患者の眼球に網膜を刺激する電極をつけ、光の動きを追えるまでに
視覚を回復させたと大阪大大学院医学系研究科の不二門尚教授が5日明らかに
した。

国内で初めての成功で、網膜色素変性症など視力が失われる病気の患者に
朗報になりそうだ。


不二門教授は「2年後には大きな文字を読めるようにしたい。数年以内に
つえがなくても歩けるようになるかもしれない」と話している。


大阪大チームは4月と7月、10年以上前に失明した網膜色素変性症の兵庫県の
女性(72)と千葉県の女性(67)に、眼球の網膜の外側にある強膜に49の
電極が付いた白金製のチップ(約7ミリ四方)を埋め込み、眼球内にも
約1ミリの電極を1つ装着した。

女性の額に取りつけた電荷結合素子(CCD)カメラでとらえた映像を、体外の
コンピューターで白黒映像に変換。
この映像情報を、こめかみに埋め込んだ小型装置に無線送信し、装置に
つながったチップで網膜に電気刺激を与える仕組み。
刺激は視神経を通って脳に伝わり、視覚化。
2人ともパソコン画面の光を指で追えたという。


http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010120501000154.html   



スターガート病、ES細胞の臨床試験

[ES細胞の臨床試験、眼病患者に 米バイオ企業]

(AFPBB News 2010年11月23日)

発信地:ワシントンD.C./米国

【11月23日 AFP】
米バイオ企業、アドバンスト・セル・テクノロジーは22日、失明の危険性が
ある眼病患者に対し、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)を使った臨床試験を実施する
承認を米食品医薬品局(FDA)から得たと発表した。

対象は、成人の「スターガート病」患者12人で、ES細胞由来の網膜細胞を
移植する。
今回は視力の回復ではなく、安全性などを確認する。


同社によると、マウスの実験では、この手法が病気の進行を妨げる一方、腫瘍
などの副作用を生じさせないことが証明されている。


ES細胞を使った臨床試験は世界で2例目。
初の臨床試験は前月、米バイオテクノロジー企業ジェロンにより脊髄を損傷
した患者に行われている。


スターガート病は、網膜色素上皮が破壊されて光受容体が劣化することに
より、失明に至るというもので、若者の発症例が多い。
早ければ6歳ごろに罹患する。
患者数は全米で約2万5,000人と見られている。




http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2776540/6505300
   

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・「Stargardt病




ヒト造血幹細胞:iPS経ず皮膚細胞から作成

[ヒト造血幹細胞:iPS経ず皮膚細胞から作成]

(毎日新聞  2010年11月8日)


人間の皮膚の細胞に特定の遺伝子を導入し、血液のもととなる造血幹細胞を
作成することに成功したと、カナダ・マクマスター大の研究チームが、7日付
英科学誌ネイチャー電子版に発表した。


分化した体細胞をもとに別の種類の体細胞を作るには、新型万能細胞の
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作成し、それを分化させる方法があるが、
今回はiPS細胞を経ずに直接作った。
こうした方法では、神経細胞や心筋細胞などの作成例の報告がある。


研究チームは、遺伝子の“運び屋”にレンチウイルスを使い、皮膚の線維芽
細胞に「OCT4」という遺伝子を導入。
サイトカインと呼ばれるタンパク質を加え、造血幹細胞を作成、赤血球などの
細胞に分化させることができた。


万能細胞に詳しい国立成育医療研究センターの阿久津英憲室長は「臨床応用に
役立ちそうだが、まだ遺伝子の導入にウイルスを使っているため腫瘍化が危惧
される」と話している。


http://mainichi.jp/select/science/news/20101108k0000m040127000c.html   




歯茎からiPS細胞作製 顎骨や歯の再生に期待

[歯茎からiPS細胞作製 あご骨や歯再生に期待]

(共同通信  2010年9月15日)


治療の際に切り取った歯茎の細胞から、あらゆる組織の細胞になるとされる
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作ることに大阪大と京都大のチームが
成功し、14日付の米科学誌プロスワン電子版に掲載された。


歯周病やインプラント(人工歯根)治療で切り取られた歯茎は捨てられて
いるといい、iPS細胞を作る新たな材料として注目される。
大阪大の江草宏助教は「歯科医がiPS細胞を作る道筋ができ、歯やあごの骨の
再生に大きく貢献できる」としている。


チームは患者の歯茎の細胞から京都大の山中伸弥教授の手法を使いiPS細胞を
作製。
マウスに移植し、神経、軟骨、腸管などを作ることができることを確かめた。

マウスでは、皮膚の細胞から作るよりも、歯茎からの方が7倍以上作製効率が
良かった。

効率を上げるために使われる、がん遺伝子「cMyc」なしでiPS細胞を作る
ことも可能という。

http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010091501000035.html   

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再生医療キーワード目次

新聞記事DEブログ・キーワード目次

手術せずに鼓膜を再生、幹細胞活用し新治療法

[手術せずに鼓膜を再生、幹細胞活用し新治療法]

(読売新聞  2010年8月5日)

慢性中耳炎やけがで破れた鼓膜を、手術せずに再生させる新たな治療法を、
京都大と北野病院(大阪市北区)のグループが開発した。

外来で約10分の処置で済み、完治までの期間も約3週間と短いのが特長。
患者53人のうち52人の鼓膜が完全に再生した。
東京都で6日開かれる日本炎症・再生医学会で発表する。

鼓膜の修復手術を受ける患者は年間数万人とされる。
現在は、耳の後ろの皮下組織や筋肉を包む膜を切り取って移植する方法が主流
だが、手術後の鼓膜の構造が元に戻らないなどの課題もある。

グループは、破れてできた鼓膜の穴の周りをメスでわずかに傷つけた後、細胞
増殖を促す物質を染み込ませたゼラチン製のスポンジを詰め、生体接着剤を
数滴振りかけるという方法を開発した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100805-00000814-yom-sci

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