カテゴリー : 糖尿病(2型)

幹細胞:未承認治療に参加しないよう勧告 再生医療学会

[幹細胞:未承認治療に参加しないよう勧告 再生医療学会]

(毎日新聞  2011年3月1日)


日本再生医療学会(理事長、岡野光夫・東京女子医大教授)は28日、理事会を
開き、薬事法による承認や保険適用を受けていない幹細胞治療に関与しない
よう会員を対象に勧告を出すことを決めた。
勧告は3月2日、全会員3,475人(2月21日現在)に配信する。
安全性や治療効果が確立していない、不適切な治療による健康被害が広がる
ことを懸念し、注意喚起するのが狙い。
同学会が勧告を出すのは初めて。


日本では、人間の幹細胞の取り扱い方を定めた指針に沿った臨床研究や、
薬事法に基づく治験といった正規の手続きを踏まなくても、研究段階の治療を
医師の裁量で行うことが認められている。


勧告文では、正規の手続きを経ないまま「医師の裁量権」を根拠に、幹細胞を
血液中に入れたり、患部に移植する「医療と称する行為」が行われていると
指摘。
さらに、それらの不適切な幹細胞治療を海外から訪れた患者に施す「医療
ツーリズム」によって医療事故が発生しているとして、指針に沿わず、
臨床研究や治験を経ていない幹細胞治療などの再生医療を「断固容認しない
態度」を認識するよう求めた。

岡野理事長は「正規の臨床研究や治験が厳しい基準のもとで行われている
一方で、自由診療で効果のはっきりしていない治療行為が野放しになって
いる。患者を守るため、不適切な幹細胞治療はしないことを会員に強く
求めたい」と話す。
【須田桃子、八田浩輔】



<安易な実施懸念 信頼損なう恐れ>
日本再生医療学会が、不適切な幹細胞治療を容認しない強い姿勢を打ち出した
背景には、科学的根拠が低く、安全性が疑問視される幹細胞治療が想像を
超えるスピードで広がっている現実がある。

実際には研究段階ながら、美容整形や糖尿病などで幹細胞治療の実施を
ホームページなどに掲げる医療機関は全国各地に存在する。

学会は「安易な実施が、幹細胞治療自体への信頼を損なう恐れがある」と
危機感を強めている。


人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを使った幹細胞治療は、再生医療の切り札
として、難病患者らの期待が高い研究分野だ。

一方、例えば骨髄や脂肪細胞から作られ、美容整形などで多く使われている
「間葉系幹細胞」は、そもそも粘着性が高く、塊を作りやすい特徴がある。
動物実験では、血管が詰まって死ぬ重大な副作用が確認されている。


学会の勧告には、強制力はない。
しかし、現場の医師は患者に対し、治療の危険性も含めた説明を尽くす責任を
負ったと言える。
【永山悦子、八田浩輔】


http://mainichi.jp/select/science/news/20110301k0000m040144000c.html  








小さく産まれた女性、将来の妊娠糖尿病リスク6倍に

[小さく産まれた女性、将来の妊娠糖尿病リスク6倍に]

(朝日新聞  2011年1月7日)


体重が2,500グラム未満で生まれた女性は、大人になって妊娠糖尿病になり
やすいとの調査結果を、厚生労働省研究班がまとめた。

この病気は、栄養管理をしないと子どもも将来、肥満や糖尿病になりやすく
なる。

近年、小さい赤ちゃんを産もうとダイエットをする女性も増えており、
専門医は「過剰な減量は控え、バランス良い食事と運動を心がけて欲しい」と
話している。


研究班の国立成育医療研究センター母性医療診療部の荒田尚子医長らが
2006〜2009年、センターを受診した363人を対象に妊娠糖尿病の有無と
生まれた時の体重を調べた。

この結果、生まれた時に2,500グラム未満の女性は、2,500〜4,000グラム
未満の女性より、妊娠糖尿病に約6倍なりやすかった。

遺伝による体質のほか、胎児のころの栄養不足で血糖値を調整する
インスリンを作る力が弱くなったことが原因とみられるという。


お母さんが妊娠糖尿病だと、子どもは4,000グラム以上で生まれやすく、
将来、糖尿病や肥満になる可能性が高くなるという。

もともと妊娠すると、胎盤から出るホルモンの影響で、血糖値を下げる効果の
あるインスリンが効きにくくなり、血糖値が上がりやすい。
この値が上がりすぎると、妊娠糖尿病になってしまう。


経済協力開発機構(OECD)の2009年の報告書などによると、2,500グラム
未満の赤ちゃんの割合は日本が9.7%。
31カ国で2番目に高かった。
平均体重も1980年ごろから下がり続けている。


荒田医長は「この病気は予防できるし、適切な栄養管理と運動をすれば
子どもへの影響もないので、医師に相談して欲しい」と話している。
(杉本崇)



<妊娠糖尿病>
35歳以上、肥満、糖尿病の家族がいる人がなりやすい。
日本糖尿病・妊娠学会などは昨年、ほかの先進国並みに基準を厳しくした
ため、妊婦の8%が対象になるとみられる。
血糖値が高いと、妊娠高血圧症候群にもなりやすくなり、流産や早産の危険も
高くなる。
出産後も糖尿病になりやすくなる。




http://www.asahi.com/health/news/TKY201101070117.html
    

大きないびきなどの睡眠愁訴が心疾患リスクに関連

[大きないびきなどの睡眠愁訴が心疾患リスクに関連]

(HealthDay News  201012月1日)


大きないびき、入眠困難、すっきりしない睡眠などの睡眠愁訴が、いずれも
メタボリックシンドロームの有意な予測因子となることが、新しい研究で
明らかにされた。


メタボリックシンドロームとは、心疾患、糖尿病および脳卒中をもたらす
5つの危険因子(リスクファクター)のうち、少なくとも3つを併せもつ
状態をいう。
5つの危険因子とは、
  ・腹部肥満
  ・高トリグリセライド(中性脂肪)
  ・低HDL(高比重リポタンパク)コレステロール
  ・高血圧
  ・高血糖
である。


米国の研究グループが45~74歳の被験者812人を対象に3年間の研究を実施
した結果、大きないびきが頻繁にみられる人では、メタボリックシンドローム
を発症するリスクが正常な人の2倍以上であったほか、入眠困難のある人では
80%、すっきりしない睡眠の人では70%高いことが明らかになった。

メタボリックシンドロームの個別の危険因子に着目すると、大きないびきは
高血糖および低HLDコレステロールの有意な予測因子となることが判明。

入眠困難およびすっきりしない睡眠により個別の危険因子を予測することは
できなかった。


この知見は、日常の診察時に睡眠愁訴についてスクリーニングを行うことの
重要性を浮き彫りにするものであると、研究グループは述べている。

今回の研究は、医学誌「Sleep(睡眠)」12月1日号に掲載された。


「この研究は、不眠症や睡眠呼吸障害を含めた多岐にわたる睡眠症状が、
心血管疾患の重要な危険因子であるメタボリックシンドローム発症の予測
因子となることを示した初めての前向き研究である」と、研究の筆頭著者で
ある米ピッツバーグ大学(ペンシルベニア州)助教授のWendy M. Troxel氏は
述べている。
また、「特筆すべきは、入眠障害と大きないびきによる影響の大部分は、
互いに独立したものであったことである」と同氏は付け加えている。


http://www.healthdayjapan.com/   



糖尿病の関係遺伝子発見「TBP2」 京大教授

[糖尿病の関係遺伝子発見、治療薬に期待 京大教授ら]

(朝日新聞  2010年11月27日)


京都大学ウイルス研究所の増谷弘准教授、大学院生の吉原栄治さんらは、
食べ過ぎや運動不足などの生活習慣が原因でなりやすい「2型糖尿病」の
発病や悪化に関係する遺伝子を見つけ、英科学誌に発表した。
血糖値を調節する「インスリン」の分泌を抑える仕組みにかかわっていた。
治療薬の開発につながると期待される。


糖尿病患者の大半は2型。
小児期に発症し、ウイルスや免疫異常で膵臓の細胞が破壊されインスリンを
つくれなくなる「1型糖尿病」とは違い、生活習慣が主な原因だ。


グループは、遺伝子の異常で肥満になるマウスに注目。
このマウスは、インスリンの分泌が悪くなるだけでなく、インスリンが効き
にくくなって2型糖尿病とそっくりな症状が出る。

この肥満マウスで「TBP2」という遺伝子の働きをなくしたところ、肥満に
なってもインスリンの分泌が減らず、インスリンが効きにくくなることも
なく、血糖値も上がらなかった。
この遺伝子はインスリンの分泌にブレーキをかける分子の働きを調節している
ことがわかった。

これまでに知られていなかったインスリン分泌を制御する仕組みとみられ、
増谷准教授は「TBP2の働きを抑える新しい糖尿病治療薬が開発できる
可能性がある」と話している。

(瀬川茂子)



http://www.asahi.com/health/news/OSK201011260065.html
   

ご飯をたくさん食べる女性は糖尿病を発症するリスクが高い

[ご飯で女性は糖尿病リスク高まる 「食物繊維取り、運動を」]

(共同通信  2010年11月12日)


ご飯をたくさん食べる女性は糖尿病を発症するリスクが高いとの研究結果を
国立国際医療研究センター研究所のグループが12日、まとめた。


男女約6万人の調査結果で、1日4杯食べる女性のリスクは1杯程度の
1.65倍、3杯だと1.48倍だった。
ご飯にアワやヒエなどを混ぜない場合はリスクはより高かった。

男性も同様の傾向だが明確な差はなかった。

1日に1時間以上の肉体労働や激しいスポーツをする人では、食べた量と
リスクに関係はみられなかった。


研究グループは、米を精白する過程で、糖尿病予防に良いとされる食物繊維や
マグネシウムが失われることなどが影響しているとみており、南里明子
研究員は「ご飯に雑穀を混ぜたり副菜などで食物繊維を摂取して血糖値の
上昇を抑えたりする工夫が大事で、糖尿病予防には運動も重要だ」と話して
いる。


岩手など8県在住の45~74歳の男女、約6万人を10年間追跡した調査で
男性625人、女性478人が糖尿病を発症。

女性では、1日に食べるご飯の量が1杯(140グラム)より少し多い
(165グラム)から4杯(560グラム)まで、4グループに分けて糖尿病
発症のリスクを分析した。


http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010111201000115.html   



遺伝子人類学:縄文人は多様・ハプロDグループは長寿

[分子人類学:遺伝子レベルで迫る「新・人類学」 
                     日本人のルーツ推定可能に]

(毎日新聞  2010年11月9日)


日本人はどこから来たのか。
この疑問に、遺伝子から迫る「分子人類学」が注目されている。
細胞の小器官・ミトコンドリアのDNAを詳しく調べることにより、その人の
ルーツが推定できるのだ。
この手法は、日本人の起源を知る研究に加えて、遺伝的特徴と寿命や体質との
関係についても、さまざまな材料を提供してくれるという。
【斎藤広子】


ヒトの遺伝情報は、父親と母親から受け継がれ、細胞の核の中にあるDNAに
格納されている。
これとは別に、ミトコンドリアにもDNA(mtDNA)があり、母親からだけ
受け継いだ情報が詰まっている。

mtDNAには、一部の配列で塩基が置き換わるなどの個人差がある。
同じ個人差を持った集団は特定の地域に分布するなどの特徴があり、その数は
世界で100以上、日本では約20にのぼる。
こうしたグループを「ハプログループ」と呼ぶ。

国立科学博物館の篠田謙一・人類史研究グループ長(分子人類学)は
「主要分布地域から、特定のハプログループがどこで誕生し、どのように
広がったか、また配列の特徴から、いつごろ誕生したのかを探ることも
できる」という。
出土品や人骨の特徴から探ってきた考古学的な人類学とは異なり、遺伝子
レベルで迫る新しい人類学だ。



<突然変異で分類>
人類は20万年前にアフリカで誕生し、世界に広がったとされる。
この間、mtDNAも突然変異を重ねてきた。
ある女性のmtDNAに突然変異が起きると、その子どもは父親にかかわらず
突然変異を受け継ぐ。
その子孫の女性のmtDNAに突然変異が起き、受け継がれることによって、
新しいハプログループが生まれる。
裏返せば、同じハプログループに属している人は、究極的には同じ母親に
たどり着くというわけだ。


篠田さんらの調査では、沖縄県民の4人に1人が「M7a」というハプロ
グループに属す。
それ以外の日本人(M7aは全体の約7%)に比べ目立って多い。
さらに調べると、M7aのルーツは「約2万5,000年前、琉球列島を中心とした
地域」と推定できる。



<縄文人も多様だった>
発掘された縄文人や弥生人の人骨からmtDNAを取り出して配列を読み、
起源を探る研究も進む。

篠田さんと山梨大の安達登教授(分子人類学)らは、北海道各地で出土した
縄文人骨54体のmtDNAを分析した。
その結果、4グループに分類できた。
65%と最も多かった「N9b」は、ロシア・アムール川下流域の先住民に多い
グループ。
他のグループも、カムチャツカ半島の先住民や北東アジアに多いことが
分かった。

篠田さんは「北海道は1万~7万年前の氷河期には、ユーラシア大陸と陸続き
だった。北海道に住んでいた縄文人は、大陸北東部と行き来していた」と分析
する。
「一口に縄文人というが、mtDNAから見れば、私たちの祖先はさまざまな
背景を持った人たちの集まり」と篠田さん。
この春、異分野の研究者らがまとめた日本人の起源と変遷に関する研究でも、
この成果が縄文人の遺伝的多様性を裏付ける根拠として貢献した。



<病気との関連も>
ハプログループが共通の遺伝的特徴を持っていることを利用して、病気や体質
との関連を見ようとする研究も始まっている。

東京都健康長寿医療センター(東京都板橋区)の福典之研究員(スポーツ
生化学)は、全国の日本人672人(18~105歳)の了解を得て、mtDNAの
全塩基配列を解読し、ハプログループと健康状態の関係を調べた。

その結果、糖尿病患者が特定のハプログループに集中したり、逆に少ない
グループがあるなど、体質の違いが確認できたという。

また、105歳以上の高齢者に着目して調べたところ、多くが「D4a」という
グループに属していた。
D4aだけでなく、Dグループは長寿の傾向があるという。
Dグループの比率は縄文時代より拡大しており、福さんは「Dグループの
ミトコンドリアの機能が、生存に適していたということだろう」と話す。

東アジアの南方に多いFやEグループは北方に見られず、北方にはA、G、Y
などのグループが多い。
寒い北方では、ミトコンドリアの熱生産効率が高いグループが結果的に
生き残ったと推定できる。

福さんは「遺伝と健康との関係は、核のDNAが受け継ぐ遺伝情報も考慮
しなければならないが、長寿や体質とハプログループとの関係が分かれば、
生活習慣に気を付けるなど病気の予防につなげられるかもしれない」と話す。



■ことば  ◇ミトコンドリアDNA
ミトコンドリアは「細胞内の発電所」と呼ばれ、酸素を取り込んで生命活動を
支えるエネルギーや熱を作っている。
そのミトコンドリアが独自に持つDNAは約1万6,000塩基対からなり、
ミトコンドリアが作るタンパク質などに関する情報が含まれている。
母から子にだけ伝わるという特性から、母系をたどる研究などに使われる。

http://mainichi.jp/select/science/news/20101109ddm016040008000c.html

血糖値上げる肝臓ホルモン発見=金沢大

[血糖値上げる肝臓ホルモン発見=糖尿病の新たな治療法に期待—金沢大]

(時事通信  2010年11月5日)


金沢大の金子周一教授らの研究チームは5日、肝臓で作られるホルモンが
血糖値を上げ、インスリンによる糖尿病治療を邪魔することを発見したと発表
した。

これまで後天性の糖尿病は脂肪摂取が主な原因と考えられており、肝臓との
関連が見いだされたのは初めて。

研究チームは、このホルモンの生成を抑制できれば、副作用の少ない治療に
つながると期待している。

研究成果は、米科学誌セル・メタボリズムに掲載された。


このホルモンは「セレノプロテインP」と呼ばれ、抗酸化物質セレンを運ぶ
役割をする。
セレンはアンチエイジング効果があるとしてサプリメントなどに用いられて
いる。


研究チームは、同大付属病院の糖尿病患者を調査したところ、セレノ
プロテインPの血中濃度が高いことに着目。

マウス実験で、同ホルモンを打ったマウスは血糖値が上がり、インスリンが
効きにくくなることを突き止めた。
肝臓での同ホルモン生成を抑える薬を打ったマウスは血糖値が下がることも
分かった。

研究チームは、セレノプロテインPなど糖尿病に関与する肝臓由来ホルモンを
「ヘパトカイン」と命名。
これらは糖尿病だけでなく、メタボリック症候群やがんなどとの関連も考え
られるという。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101105-00000067-jij-soci   

眼底検査で糖尿病や脳卒中を予測

[眼底検査で糖尿病や脳卒中を予測]

(産経新聞  2010年9月21日)


瞳の奥にある網膜などの状態を見る「眼底検査」。
目の疾患だけでなく、高血圧や糖尿病など全身疾患を発見するきっかけにも
なることから、企業の健康診断などに取り入れられている。
最近では、眼底検査が将来の病気の発症予測につながることを示唆する研究も
出てきた。
専門医は眼底検査の重要性を訴えている。
(岸本佳子)


<内臓血管見るのと同じ>
眼底検査は、目に光を当ててレンズを使って眼科医が直接のぞきこむ方法と、
専用の眼底カメラで撮影して結果を分析する方法の2種類ある。
いずれの場合でも瞳の奥にある網膜や血管、網膜の外側の脈絡膜などの様子を
チェックする。

検査によって、緑内障や糖尿病網膜症、網膜色素変性症や黄斑変性症といった
視力障害の原因となる疾患が見つかる。

だが、「眼底検査は一義的には目の病気を発見し、治すためのもの。でも
実は、その情報は眼科だけにとどまりません」と山形大学医学部の山下英俊
教授は話す。
「内臓の血管を生きた状態で見ることができるのは網膜だけ。だから、眼底
検査は内臓の血管をつぶさに見ていることと同じなのです」
そのため、網膜の血管の変化から、高血圧や糖尿病などを早期に発見する
ことにつながり、健康診断などに取り入れられている。


<40歳過ぎたらぜひ>
最近では、眼底検査によって全身疾患の発症を予測する可能性を示唆する
ような研究も報告されている。

山形大学医学部が山形県舟形町の住民を対象に行った研究では、血圧が正常で
あっても眼底検査の結果、「網膜細動脈」と呼ばれる、血管のサイズが細い
人の方が太い人に比べて、5年後に高血圧を発症するリスクが高いことが
明らかになった。

また、眼底検査によって発見される目の病気の1つで、視野の中心部で物が
ゆがんだり小さく見えてしまう「加齢黄斑変性症」も、その重症度と、
脳卒中や心疾患、認知症の発症率との間に関連があることが分かってきた。
このうち脳卒中の場合では、より重症の新生血管を伴う加齢黄斑変性症は
発症リスクが約2倍高いことなども判明。
少しずつだが、眼底をめぐる他疾患との関係性が解明されてきている。

山下教授は「病気を予測して予防策を完全に講じるところまではいかないが、
眼底検査から全身疾患のリスクを予見できる。40歳をすぎたら、ぜひ目の
検査を受けてほしい」と話している。


<10月10日  目の愛護デーに無料相談会>
10月10日は目の愛護デー。
日本眼科医会は、この日にちなんで、全国で眼科医による講演会や無料相談
などを開く。
また、毎週木曜日午後3時から午後5時までの間、眼科専門医による目の電話
相談(03・5765・8181、無料)も受け付けている。

詳しくは、日本眼科医会ホームページで。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100921-00000080-san-soci   

知られざる歯周病の脅威(2)30~50歳代は8割以上、予防が大切

[知られざる歯周病の脅威 (2)30~50歳代は8割以上、予防が大切]

(読売新聞  2010年9月7日)


[講演]定期的に歯科医訪ね、歯の維持管理を・・・村上伸也さん
村上伸也(むらかみ・しんや)1984年大阪大歯学部卒。
米国立衛生研究所研究員などを経て、2002年に同大歯学研究科教授になり、
2008年から現職


全国規模で日本人の歯茎の状態を調べた「歯科疾患実態調査」(2005年)に
よると、30~50歳代の8割以上が歯周病でした。
程度の軽い人も含みますが、これほど多くの人がかかっている病気なのです。

歯を抜く原因は、20歳代は虫歯が多い(61%)ですが、50歳代になると、
歯周病が原因のケース(55%)が増えます。
そのため、特に中高年以降になると、歯を守るために歯周病の予防が大切に
なります。

歯周病はほとんど自覚症状がありません。
1度失われたあごの骨や歯茎はもとに戻らないので、早く気づいて治療する
ことが大事です。
歯周病を起こす細菌は口内に毎日たまりますから、日々のケアも大切です。

たばこを吸う人は吸わない人よりも2~8倍ぐらい歯周病が悪くなりやすく、
治療しても効果が小さいことが知られています。

過剰なストレスも歯周病を悪化させる原因になります。

糖尿病の人で歯茎の異常を訴えるケースは非常に多いです。
ただ、歯科医師に管理してもらい、口の機能を守ることはできます。

私が診たある糖尿病患者の場合、最初は何本かの歯を抜いたのですが、治療が
終わった後は1本も抜いていません。

でも、歯周病になって治療が終わった人と、1度もなっていない人を
比べたら、やはり病気を経験した人の方が再発しやすいです。
だから、治ったからと安心するのではなく、かかりつけの歯科医師を決めて
定期的に訪ね、歯の健康の維持管理に努めて下さい。


日々の歯磨きはとても大切です。
力を入れ過ぎると歯茎が傷つくので、鉛筆を持つような感じで歯ブラシの
毛先を使ってやさしく磨いてください。
バス法とスクラビング法という磨き方が簡単でお勧めです。

歯と歯のすき間が広ければ、歯間ブラシを使うのが有効です。
サイズはいろいろあるので、歯科医師に相談するのがよいでしょう。

口内の組織の一部を使って歯茎や骨を元通りにする「再生医療」も、将来的
には可能になるかもしれません。
でもまずは予防に取り組むことが何より大切です。


http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=30406  

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知られざる歯周病の脅威(1)危ない歯周病放置、糖尿病と深い関係

[知られざる歯周病の脅威(1)危ない歯周病放置・・・糖尿病と深い関係]

(読売新聞  2010年9月6日)


「知られざる歯周病の脅威! 最新の研究で明らかになる糖尿病との関係」を
テーマに、「第16回口腔保健シンポジウム」が7月10日、大阪市中央区の
松下IMPホールで開かれた。
1994年に東京で行われた「世界口腔保健学術大会」を記念し、口腔保健に
関する様々な話題を取り上げて理解を深める毎年恒例の企画。

今回は主に歯周病と糖尿病のかかわりについて、最新の知見を基に専門家が
詳しく解説した。
会場を埋めた600人の参加者はメモを片手に聞き入っていた。



<歯周病>
歯の周囲には、歯茎(歯肉)や歯槽骨などからなる「歯周組織」があり、歯を
支えている。
この歯周組織が細菌(歯周病菌)に感染して炎症を起こすのが歯周病だ。
歯茎が腫れたり出血したりする「歯肉炎」と、さらに進んで歯槽骨などが
溶かされる「歯周炎」の2段階に分けられる。
歯周炎の末期になると、歯を支える「土台」が崩れているので治療は難しく、
最終的には抜け落ちてしまう。



主催:日本歯科医師会
後援:厚生労働省、大阪府歯科医師会、8020推進財団、日本歯科医学会、
   日本糖尿病学会、読売新聞社ほか
協賛:サンスター株式会社


[基調講演]
脳・心筋梗塞、危険性高める・・・柏木厚典さん
柏木厚典(かしわぎ・あつのり)1971年大阪大医学部卒。
滋賀医大講師、助教授などを経て、2001年に教授となり、2008年から現職。
日本糖尿病学会評議員


日本の糖尿病患者は、2007年の国民栄養調査で890万人。
血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が、糖尿病の水準には達していないものの、
正常値よりずっと高い「耐糖能異常者」も入れると、2,200万人を超えます。
主に生活習慣の欧米化が原因です。

糖尿病が怖いのは、気づかないうちに他の病気を引き起こすところです。
足が壊死して切断しなければならなくなったり、網膜の血管から出血して
視力が失われたり。
脳梗塞や心不全、不整脈もよく起きます。
歯周病もその1つです。

歯周病は、歯周病菌が食べ物の残りかすを栄養にして増殖し、歯垢
(プラーク)となって歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)にくっつき、歯茎
などに炎症を引き起こす病気です。
歯茎がだんだんやせてきて、最後は歯茎の下の骨(歯槽骨)まで溶かされ、
歯が抜け落ちます。

糖尿病の人は、血糖管理がうまくいかないと血糖値が上がり、ある種の
タンパク質がたくさんできて血管内にたまります。
すると、血管が硬くなり、炎症を引き起こす物質が血液中に増えることが
分かってきました。
この物質は、糖尿病の治療に使われるインスリンの働きを抑えてしまいます。
そのため、インスリンの効き目が3割くらい落ちることが分かっています。

歯周病は歯茎などが炎症を起こす病気ですから、治療せずに放っておくと
インスリンの効きが悪くなって糖尿病が悪化し、歯周病もさらにひどくなると
いう悪循環に陥ります。

逆に一生懸命に血糖値の管理をし、歯周病の治療もした患者の場合、歯の
状態はだんだんよくなり、血糖値も「糖尿病ではない」と言えるくらいの
レベルまで下がった例もあります。


滋賀医大付属病院の糖尿病内科を受診した患者133人の歯茎の状態を調べた
データがあります。
そのうち93%の人に明らかな歯周病が見られました。

一方、一般住民を対象とした調査では歯周病は、47%でした。

これらの結果、糖尿病の人はどの年代でも歯周病になりやすいことが明らかに
なりました。

ただ、歯科健診を定期的に受けていた人は受けていない人に比べて、歯周病の
重症度が明らかに低いことが分かりました。
すべてが義歯になっている人の割合も小さく、定期的に歯科を受診し、治療を
受けることの大切さを示しています。


歯周病は心筋梗塞や脳梗塞になる危険性を高める恐れがあります。
歯周病がひどくなると、歯茎からウミが出ます。
そこから歯周病菌や、炎症を引き起こす物質が歯茎の血管内に入り込み、
体中を駆け巡ります。
やがて心臓や脳の血管に達し、心筋梗塞や脳梗塞のような血管の病気を引き
起こすことがあるのです。

歯周病の人は心筋梗塞などの致命的な心臓の血管の病気が1.5倍、脳梗塞を
含む脳卒中は約3倍増えるという研究もあります。こ

のため、歯周病を防ぐことは、糖尿病の悪化を抑え、心筋梗塞などの予防に
つながることが期待できる、と言えます。
そのことをぜひ認識し、歯磨きや定期的な歯科健診などの口腔ケアを心がけて
下さい。


http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=30350   

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