カテゴリー : 糖尿病(2型)

心臓病・糖尿病・がんの原因は慢性炎症だった!

[心臓病・糖尿病・がんの原因は「慢性炎症」だった!]

生田哲 (著)  出版社 / 著者からの内容紹介


<歯周病が糖尿病を起こす!?>
擦り傷・切り傷・虫さされなどで腫れる・赤くなる・痛む・
かゆくなる・・・これが「炎症」であり、われわれに備わった
生体防御反応である。

これら「急性炎症」は症状がおさまれば止むが、歯周病のように、
いつまでも止まずに持続するのが「慢性炎症」である。
アメリカでは歯周病にかかると糖尿病や心臓病にかかりやすくなる
ことはよく知られていて、食後のフロッシングを習慣にしている
人が多い。


<慢性炎症における新発見の衝撃!>
それどころではない。
脳梗塞・がん・アルツハイマーといった生活習慣病や、ぜんそく・
花粉症・アトピーといったアレルギー性疾患なども、炎症が原因と
なっているという。
炎症はとても複雑な回路を経て起こるが、炎症・抗炎症双方を
バランスよくコントロールしているホルモンのバランスが崩れて
慢性炎症化すると、強力な炎症性物質が細胞や血管、免疫系、
神経を摩耗させ、破壊し、心臓病・がん・アルツハイマーなどを
引き起こす。


<肥っていることは“慢性炎症”だ!>
炎症性物質は体脂肪・内臓脂肪といった脂肪細胞からも活発に放出
される。
脂肪を蓄えることは「慢性炎症」を体内に抱えることと同じ
なのだ。
食生活が豊かな先進国に生活習慣病が多いのもこのためだ。
では、どのような食事を心がければ、慢性炎症は防げるのか?
具体的な食材や料理を紹介して、健康なからだをつくる方法と
ヒントを提供する。
















ミトコンドリアDNAの個人差・・・糖尿病発症率左右

[ミトコンドリアDNAの個人差・・・糖尿病発症率左右]

(日経産業新聞  日付不明 2004〜2007年頃)


東京都老人総合研究所などの研究グループは、細胞内のミトコンドリアという
部分にあるDNA(デオキシリボ核酸)の個人差が、糖尿病へのかかりやすさを
左右していることを突き止めた。
発症前にかかりやすさを知ることで予防対策を取りやすくなるほか、DNAの
塩基配列を変えて発症しにくい体質に変える薬の開発などにつながる可能性も
あるという。


遺伝情報を記録したDNAは大半が細胞核の染色体に収められているが、
ごく一部は細胞に分散しているミトコンドリアという小器官に収められ、
母から子へと受け継がれる。

研究グループは岐阜県の県立病院などを受診した患者の了解を得て、
ミトコンドリアDNAの個人差を解析した。

ミトコンドリアDNAは日本人の場合、個人差によって大きく約10種類の
グループ(ハプログループ)に分類できる。
糖尿病患者1,289人と健常者1,617 人を比べた。
全体の約4%で見つかる「N9a」というグループの配列を持つ人は、それ
以外の人と比べると、糖尿病にかかる人の割合が55%だった。
また、女性に限定した場合、発症者の割合は27%に下がることが分かった。
逆に、全体の約6%で見つかる「F」というハプログループを持つ日本人
では、発症率が通常の1.54倍に高まることが分かった。

研究グループは東京都老人研の田中雅嗣研究部長のほか、西垣裕研究副部長、
福典之主任研究員と三重大学、岐阜県国際バイオ研究所のほか、韓国ソウル
大学なども参加している。




歯周病菌 全身に影響? 「口の中だけ」と思ったら大間違い

[歯周病菌 全身に影響?  口の中だけと思ったら大間違い]

(読売新聞  2001年11月26日)


歯を支える組織(歯肉)に炎症を起こす歯周病は、歯周病菌が引き起こす
感染症だ。
この病原体を私たちは軽く考えがちだが、歯だけでなく、さまざまな全身の
病気と関連している可能性が最近の研究で浮かび上がってきた。


東京都内の総合病院で昨年夏、20代のA子さんが3人目の子を出産した。
妊娠8か月半での誕生で、上の子たちも早産だった。
念のために、本人の承諾を得て破水の際に羊水を採取。
調べてみると「フゾバクテリウム・ヌクレアチム」という細菌が見つかった。
この細菌は通常、歯垢に住んでいる。
なぜ羊水にいるのか。
A子さんはこの間、歯周病にかかっていた。
調査した鴨井久一教授は、「羊水の菌が歯垢でも見つかった。
菌が早産の引き金になった可能性はある。」とみる。

歯周病菌と出産。
一見無関係に見える両者を結びつけるこんな仮説もある。
歯周組織で繁殖した歯周病菌は、やがて血液で運ばれて羊水の中に入る。
免疫細胞が菌を攻撃するが、その際、さまざまな生理活性物質が放出される。
それら物質の中には子宮内で羊水とともに胎児を包んでいる膜(羊膜)を
傷つけるものもあり、最終的に早産につながるという考えだ。

また、そうした活性物質の一種、プロスタグランジンE2(PGE2)などは子
宮の収縮を促進するよう働き、それが陣痛を早めるとの説もある。

米ノースカロライナ大学チームの研究では、歯周病のない妊娠の早産は6%
だが、歯周病があって妊娠中に悪化した妊婦では43%まで跳ね上がった。



歯周病の関与が疑われる病気はほかにもある。

心筋梗塞や動脈瘤などでは、病巣から歯周病菌の中で最も一般的なポルフィロ
モナス・ジンジバリスが実際に検出されたという報告がある。
米バッファロー大学チームは、CRPという炎症に関連するタンパク質に着目。
重度の歯周病患者の4割近くで、このタンパク質が大量に検出された。
歯周病菌が体内で持統的に炎症を起こしている証明だ。

CRPは最近、心筋梗塞のマーカーとして活用され始めた。
CRPが高い値だと、心臓病の危険も高まると考えられる。



糖尿病との関連も注目される。
糖尿病が歯周病の危険を高めることは知られているが、その逆の可能性も指摘
されるようになった。
歯周病を治療すると糖尿病も改善するとの報告があるためだ。

このメカニズムにも、先述の生理活性物質が関与しているとみられる。
活性物質が血中の糖を筋肉や肝臓などの細胞に運ぶホルモン(インスリン)の
働きを弱めるという説と、活性物質が膵臓のインスリン産生細胞を傷つけると
いう説が考えられている。



さらに、がんとの関連までも疑わせる事例が最近報告された。
国立がんセンターの調査で、食道がんの細胞からトレポネーマ・デンティ
コーラという歯周病菌が高い割合で検出されたのだ。
食堂がんの細胞には複数の細菌がいるとみられていたが、研究チームが患者
20人のがん細胞を採取し、菌種を特定するためDNAを増幅して約2,000検体を
分析したところ、トレポネーマ・デンティコーラが32%を占めた。

トレポネーマと食道がんとの関連については今のところ不明だが、同センター
研究所分子腫瘍学部の佐々木博巳室長によれば、口腔から食道粘膜に下りて
きたトレポネーマによって炎症が起き、それが持続すると、正常細胞のDNAが
傷んで、最終的に発がんに結びつくという可能性が考えられるという。



一方、今年になって米国立衛生研究所のチームは、ポルフィロモナス・
ジンジバリスの全遺伝情報を解析した。
歯周病の予防法の開発などに役立つと期待される。



国内でのこの分野の研究は遅れがちだ。
それだけに、1人ひとりの口腔ケアが重要になってくる。
「虫歯予防に比べて歯周病への関心は高いとはいえない」と、国立感染症
研究所の花田信弘・口腔科学部長は指摘。
「たかが歯周病という意識は捨て、国民全体の課題として受け止めなければ
ならない」と話した。


(読売新聞  文:佐藤良明)


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カルシウム・パラドックスとは

[カルシウム・パラドックスとは]

(神戸大学名誉教授・葛城病院名誉院長 藤田拓男先生)
(Medical Nutrition 34号)


カルシウムの摂り方が足りないと、血管や脳には逆にカルシウムが増えて
くる・・・というのが「カルシウムパラドックス」です。
カルシウムの摂り方が足りないと、腎臓結石ができやすい・・・も
「カルシウムパラドックス」です。


血管にカルシウムが増えると当然血管は硬くなります。
これが動脈硬化です。
硬い血管は血液が通りにくく、またカルシウムが血管の収縮を起こすので、
血圧が上がります。

カルシウムの摂り方が不足している人では高血圧や動脈硬化が多く、
カルシウムを十分に摂ると快方に向かうことがわかりました。
また、明らかにカルシウム不足で起こる骨粗鬆症は、レントゲン写真でも
はっきりわかるような動脈へのカルシウム沈着と一緒に起こることが100年
以上も前から知られています。
最近では高速断層撮影という新しい方法によって、カルシウムやビタミンDの
不足している人に冠動脈の石灰化が多いことがわかりました。



「カルシウムパラドックス」は不思議な現象ですが、よく考えると当たり前の
ことです。
血液中のカルシウムはいつも一定の濃度でないと、心臓や脳の働きがおかしく
なり、生命活動そのものが危険な状態になります。
血中カルシウム濃度は必ず一定に保たれる仕組みになっています。


カルシウムの摂り方が足りないと、血液中のカルシウムは少し減ります。
すると、副甲状腺ホルモンがすぐ出てきます。
副甲状腺ホルモンの役目は、骨に働きかけてカルシウムを取り出し、血中
カルシウム濃度を一定に維持することです。
いつもカルシウム不足になっていると、常に骨からカルシウムが溶かし
出され、骨粗鬆症になります。


カルシウム不足が続いて、副甲状腺ホルモンがいつもたくさん出ていると、
骨から過剰なカルシウムが溶かし出され、余分な分は行くところがなくなって
血管や脳や軟骨の中、いろいろな細胞の中など、ふつうカルシウムがあっては
困るところに入り込んでしまうのです。
脳でカルシウムが増えると脳の細胞の働きが落ち、記憶を司る細胞が傷害
されるとアルツハイマー病が起こります。
インスリンを出す膵臓の細胞の中にカルシウムが入り過ぎると糖尿病になり、
いろいろな器官に発生するがんも細胞の中にカルシウムが入り過ぎて起こり
ます。
筋肉の力もカルシウムが入り過ぎると弱り、軟骨にカルシウムが入り過ぎると
変形性関節症や変形性脊椎症という腰や膝の痛むやっかいな病気になります。
生活習慣病といわれる病気が全部カルシウム不足によるカルシウム
パラドックスだというのは大変恐ろしいことです。



カルシウムパラドックスの1番わかりやすい例は、腎臓結石でしょう。
アメリカのハーバード大学のカーハン教授がカルシウム摂取と腎臓結石の
発症の関係について十数年間追跡調査した結果、カルシウム摂取の少ない人に
腎臓結石ができやすく、十分な人にはできにくいことがわかりました。
カルシウム摂取が足りないと、骨から余分なカルシウムが溶け出して結石に
なるのです。

骨の中には毎日食べる食事に含まれる量の何千倍ものカルシウムがあります。
また、結石のできやすい人はカルシウム不足で血液中のイオン化カルシウム
濃度の低い人、副甲状腺ホルモンの高い人、血液中のマグネシウムの高い人に
多いことがわかりました。


(Medical Nutrition 34号より)

http://www.yobou.com/contents/rensai/report/r07_02.html

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