カテゴリー : 肝炎

子どものワクチン時期&順番、日本小児科学会が作成

[ワクチン接種の順番、参考にして 学会がスケジュール表]

(朝日新聞  2011年3月2日)


子どものワクチンをどんな時期に打てばよいのか道筋を示した接種
スケジュールを日本小児科学会(会長=五十嵐隆東京大教授)がつくった。
ワクチンの種類が最近増えて接種の優先順位をどうすべきか医師や保護者に
困惑が広がっていた。
近く学会のウェブサイトで公開する。


ワクチンは公費負担がある「定期接種」と自己負担で打つ「任意接種」が
ある。
同学会は今回、重要さは同じだと位置づけ、ひとまとめにしたスケジュールを
つくった。


B型肝炎は現在、母親から子どもへの感染を防ぐため、ウイルスに感染した
母親の子どもに限って公費で接種している。
しかし性交渉などによる感染も増えており、スケジュールでは全員が打つよう
勧めている。


毎年のように流行し100万人近くがかかるという水痘(水ぼうそう)や
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)では、1回接種しただけでは十分に免疫
(抵抗力)が保てないため、今回は推奨する接種回数を増やした。


また海外の取り組みにならい、接種を始める年齢を、乳幼児の細菌性髄膜炎の
原因となるインフルエンザ菌b型(ヒブ)や肺炎球菌で1カ月早めた。

インフルエンザでも6カ月前倒しにした。


数多くのワクチンが打てるよう、複数のワクチンを医師が同じ日に打つ方法
(同時接種)も勧めている。
同じ日ならワクチンに対する免疫反応がまだ起きておらず、複数のワクチンが
効果を相殺する心配はない。
ただし注射位置は2.5センチずつ空けるよう求めている。
推奨する時期に接種できなかった場合は、医師に相談すれば対応できる。


接種スケジュールと接種を記録するチェックシートは同学会のウェブサイト
http://www.jpeds.or.jp/)からダウンロードできるようになる。


同学会は今後、
  ・成人での流行が問題になっている百日ぜき対策として、現行の
   ジフテリアと破傷風の2種混合ワクチン(DT)に百日ぜきも加えた
   3種混合ワクチン(DTP)に移行
  ・ポリオワクチンをより安全な不活化ワクチンに変える
   ・0歳児へのインフルワクチン接種量を増やしてより免疫がつきやすく
   する
ことなどを厚生労働省などに求めていく予定。

(大岩ゆり)


チェックシートは下記にも掲載
http://www.asahi.com/health/news/TKY201103020478.html   






性行為で増える欧米型B型肝炎ウイルス

[増える欧米型のB型肝炎ウイルス 性行為などで感染→慢性肝炎に]

(産経新聞  2011年1月11日)


かつては母子感染がほとんどだった日本のB型肝炎。

最近は性行為などで欧米型のB型肝炎ウイルス(HBV)に感染するケースが
増えている。
欧米型のHBVは慢性化する可能性があり、感染によって肝硬変や肝臓がんと
なるリスクもある。
現在の日本の肝炎対策では欧米型のHBVの感染予防は難しいだけに、対策の
見直しを求める声も上がっている。
(平沢裕子)


<大都市圏で増加>
HBVは感染者の血液や体液を介して感染する。
感染時期や感染時の健康状態によって、一過性に発症する急性肝炎と持続
感染による慢性肝炎とに分かれる。
慢性肝炎は症状がなく自覚しない人が多いが、中には肝硬変、肝臓がんと
病気が進む人もいる。

感染原因は、乳児期にはHBVに感染した母親の産道を通ることなどによる
母子感染、成人では性行為による感染が多い。


HBVにはAからJまで10の遺伝子型があることが確認されている。

従来の日本に多いのが遺伝子型BやCで、乳児期の感染で慢性化するものの、
成人後の感染では急性肝炎を経て自然治癒(少量のウイルスは残留)するか、
症状がないままウイルスが排除されるかで、慢性化することはほとんど
なかった。

一方、欧米に多いのが遺伝子型Aで、成人後の感染でも約10%が慢性化する。


国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター(千葉県市川市)の溝上
雅史センター長らが平成12年と18年、慢性肝炎患者のHBVの遺伝子型を分析
したところ、欧米に多い遺伝子型AのHBVが12年に12人(対象者の1.7%)、
18年には44人(同3.5%)確認された。

溝上センター長は「まだ少ないとはいえ、本来は日本に存在しない欧米型の
HBVの感染者が日本でも明らかに増えてきている。主に性行為による感染と
みられ、関東、東海、近畿の大都市圏で若年層を中心に急増している」と指摘
する。



<ワクチン接種も>
成人後の感染は性行為のほか、持続感染者の血液が付着したカミソリや
ピアスの穴開け器具を別の人が使うことでも起こる。
従来の日本に多い遺伝子型のHBVは、たとえ感染しても慢性化しないことから
成人後の感染をそれほど気にする必要がなかった。
このため日本では母子感染対策に重点が置かれ、高い成果を上げてきた。

しかし、欧米型のHBVは成人後の感染でも慢性化のリスクがあり、従来の
母子感染対策だけでは感染の広がりを防ぐのは難しい。
海外では感染予防のためB型肝炎ワクチンを小児に投与する国が多い。
日本では医療従事者へのワクチン接種は行われているが、小児への投与は特に
推奨されていない。

溝上センター長は「HBVが性行為などで感染する可能性があることを多くの
人が知る必要がある。がん予防という意味ではB型肝炎ワクチンは子宮頸がん
ワクチンと同じ。今後は思春期前の子供への接種を検討することも必要では
ないか」と話している。



<肝炎対策>
肝炎は肝臓の細胞が破壊されている状態で、日本では7割がC型肝炎ウイルス
(HCV)、2割がHBVに感染することで発症している。
肝臓は予備能力が高く、慢性肝炎や肝硬変になっても自覚症状が出ないことが
多い。

国は平成20年度から肝炎ウイルス検査の促進や肝炎に関する正しい知識の普及
などを盛り込んだ肝炎対策を進めている。
ただ、ウイルス検査を受ける人がそれほど多くないことに加え、検査で
陽性でも適切な治療につながらなかったり、治療を始めても途中でやめて
しまったりする人もいるなど課題は多い。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110111-00000099-san-soci   

病と生きる:前衆院議長・河野洋平さん

[病と生きる:前衆院議長・河野洋平さん(73)]

(産経新聞  2010年8月20日)


<息子をドナーに肝移植 助かる命1人でも多く>
改正臓器移植法の全面施行で、家族の同意による脳死臓器提供が可能となり、
10日には改正法下で初の移植が実施された。
改正法ではまた、15歳未満の小児からの脳死臓器提供にも道が開けた。


C型肝炎から肝硬変になり、衆院議員の長男、太郎氏(47)をドナー(臓器
提供者)に生体肝移植手術を受けた前衆院議長の河野洋平さん。
「臓器提供が少しでも増えて移植によって助かる命が1人でも多くなって
ほしい」と、政治の第一線から退いた今も強く念じている。
(文 太田浩信)



どういう経過でC型肝炎に感染したかは正確には分かりません。
今にして思えば、あのころ、あのときかなという程度。
注射の針を通して感染するなんて当時は知りませんでした。
議員の仕事はきつく、肉体的、精神的なプレッシャーもあってか、最初のころ
からよく「疲れた」と言っていた。
政治家になって10年目、自民党を離れ、寝る時間も惜しく飛び回っていたら
疲れ方が今までとはちょっと違う。
医者から肝臓に大きなダメージがあると言われ、安静を命じられたが、船は
出ちゃったのだから戻るわけにいかない。

そうこうしているうちに平成9年、友人の強い勧めで渡米し、肝臓の一部を
採取する検査をいやいや受けました。
結果は「肝硬変になりかかっている」。
インターフェロンによる治療を始めたが、効果が得られない。
平成12年には黄疸が出て、その後、肝性脳症で意識を失うなど極端な症状が
出てきた。

子供3人はどこかで聞きかじってきたのでしょう、入院中の私に「おやじ、
肝臓移植をやれ」と提案した。
「神様がくれた寿命でいい。人為的に引っ張る気はない」と断り、押し問答が
しばらく続きました。

7年前に母親をがんで亡くし、子供たちは「どうすることもできなかった」
との気持ちが強かったんでしょう。
「おやじを何とかしたい」と、3人ともドナーに手を挙げた。
結局、太郎が「ぼくがドナーになる」と言って。
子供ができたばかりでしたが。

そして長野県松本市の信州大学医学部付属病院で平成14年4月、手術を受け
ました。
手術のときのことはよく分からないんですね。
手術室のドアが閉まるまでは知っているけど、それから先はまったく分から
ない。
術後は1度も痛みを感じなかった。
驚きました。

手術から2カ月後に退院。
執刀医の川崎誠治・第1外科教授(現順天堂大肝・胆・膵外科教授)から
「脂っこい食べ物はしばらく控えてください」と言われたのに、病院を出て、
その足でうなぎ屋に。
注文して待っていたら、川崎先生が店に入ってきた。
顔を見合わせて、「あー」。
悪いことはできない。
それからは割合ちゃんとした患者になりました。
川崎先生にはその後も検査でお世話になっていますが、体調についての不安は
なかったですね。



臓器移植法改正の論議が起きてから何年もかかり、ようやく迎えた昨年6月の
採決の場面でもA案、B案、C案と3案が出て。
衆院議長なので前面に出るわけにいかない。
心の中で太郎らが推すA案の行方を見守っていたのですが、大差で可決され
ました。
脳死臓器提供に広く道を開くA案が1番素直ではないかと、思っていました
ので正直うれしかったですね。


今後の臓器移植のあり方ですが、太郎は「子供は親のために臓器提供するのが
当たり前で、しない子供は悪い子供だ、みたいなことになるのが1番困る。
だから、私のことを美談のようにいってもらいたくない」という。

そういうドナーのことを考えると、現在進められる再生医療というのは1つの
道筋だと思います。



【プロフィル】河野洋平 こうの・ようへい
昭和12年、神奈川県平塚市生まれ。
早稲田大学卒業。
昭和42年の衆院選に自民党から立候補し、初当選。
14期連続当選。
昭和51年に自民党を離党し、新自由クラブを結成。
科学技術庁長官などを経て、復党。
野党となった自民党で第16代総裁となり、当時の社会党、さきがけと組んで
政権党復帰を果たした。
外相、衆院議長などを経て昨年夏、政界を引退。
現在は早稲田大特命教授。


http://sankei.jp.msn.com/life/body/100820/bdy1008200806001-n1.htm  





予防できたはずなのに、絶対に接種しなくてはという意識はなかった

[疾患予防に威力 子ども向け新型ワクチン次々承認]

(東京新聞 2010年4月23日)


2月から「肺炎球菌」の小児用ワクチン接種が受けられるようになった。
「Hib」(インフルエンザ菌b型、通称ヒブ)ワクチン、「子宮頸がん」予防
ワクチンなど新型のワクチンが次々と承認されている。
疾患予防効果や接種時期などをあらためてまとめた。 
(杉戸祐子)


「予防できたはずなのに、絶対に接種しなくてはという意識はなかった」
山口県周南市の主婦斎藤裕子さん(36)は昨年12月、次男の伊吹ちゃんを
「ヒブ」による細菌性髄膜炎で亡くした。
1歳9カ月だった。
突然発熱し、翌日から入院治療を受けたが、その夜に父親(36)に抱かれて
「ギャー」と泣いたのを最後に意識を失い、そのまま戻らなかった。


細菌性髄膜炎は、細菌が脳を覆う髄膜に侵入し炎症を起こす感染症。
脳性まひなど重い後遺症が残ったり、死亡することもある。


伊吹ちゃんはヒブワクチンの接種はしていなかった。
「何の既往症もない元気な子どもが突然かかり、急激に病状が悪化する。
初期診断も難しい。これほど怖い病気だとは知らなかった」と斎藤さん。
生後10カ月の三男にはヒブや肺炎球菌のワクチン接種をさせた。
「命は取り返しがつかない」



最近、相次いで子ども向けの感染症予防ワクチンが承認され、接種が
始まった。
「ヒブ」ワクチン(2008年12月開始)、肺炎などを防ぐ小児用の「肺炎
球菌」ワクチン(今年2月開始)、「子宮頸がん」を予防するワクチン
(昨年12月開始)の3種類だ。

予防接種には、予防接種法に基づいて自治体などが費用を負担する「定期
接種」と、希望者が自費で受ける「任意接種」がある。
前出の3種類のワクチンは任意接種だ。
ワクチンにはそれぞれ接種に適した年齢や、予防効果を得るための接種回数が
ある。


予防効果はどうか。
東京都渋谷区の日赤医療センター小児科顧問で「VPD(ワクチンで防げる
病気)を知って、子どもを守ろう。」の会代表の薗部友良医師によると、
細菌性髄膜炎は乳児から9歳ごろまでの子どもに、年間約1,000例の発生が
ある。
原因はヒブが55%、肺炎球菌が20%。
ヒブが原因の場合の3〜5%、肺炎球菌が原因の場合の7〜10%が死に至る。
薗部医師は「細菌性髄膜炎の8〜9割は、ヒブと肺炎球菌のワクチン接種で
防げる」と訴える。

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で、性交渉の経験のある
女性なら誰でも発症の可能性がある。
若い女性患者が増えているが、「ワクチン接種で発症を約7割は予防できる」
と薗部医師は強調する。


任意接種の問題は費用。
医療機関で違うが、いずれも1回あたり、「ヒブ」ワクチンは7,000〜
8,000円、「肺炎球菌」ワクチンは10,000円、「子宮頸がん」予防ワクチンは
15,000円かかる。

水ぼうそうや流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、肝炎などのワクチンも
4,000〜9,000円だ。

接種回数は年齢で変わるが、ゼロ歳児のヒブと肺炎球菌ワクチン接種の場合、
各4回必要。
子宮頸がん予防ワクチンも11〜14歳に3回接種するのが望ましい。

自治体によっては公費助成もあるが一部にとどまっている。
「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」の田中美紀代表は
「家庭の経済事情で子どもの命に格差が生じている。速やかに定期
接種化してほしい」と望むが、国の動きは鈍い。

前出の斎藤さんは「任意接種は定期に比べ情報が少なく、必要度が低いと
考えがち」と指摘する。
子ども手当の給付も始まる。
接種の重要性を保護者が理解することがまず大切だ。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2010042302000110.html  




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