[「病院コワイ」「注射イヤ」・・・恐怖心克服 絵本がサポート]
(産経新聞 2010年11月10日)
風邪やインフルエンザで子供を病院に連れていく季節がやってきた。
「病院はコワイ」
「注射はイヤ」
飴で釣っても、閻魔大王が来ると脅しても、懇願してもダメなら・・・
絵本の力を借りてみてはどうだろう。
子供の本の専門店「クレヨンハウス大阪」(大阪府吹田市)でおすすめの
絵本を教えてもらった。
(岸本佳子)
<痛くない国へ>
「クレヨンハウス大阪」店長の山本能里子さんのおすすめは、タイトルも
そのものズバリの『ちゅうしゃなんかこわくない』(穂高順也作、長谷川義史
絵、岩崎書店、1,365円)。
主人公の男の子は注射が大嫌い。
でも、今日は注射を受けるため病院にやってきた。
いよいよぼくの順番、もうすぐ針が・・・という瞬間、「ここからにげ
だしたい」という気持ちが体から抜け出して、“注射の痛くない国”へ
ひとっ飛び−。
注射が苦手という作者の発案で生まれたというだけあって、子供たちの共感を
呼ぶ。
今年3月に発売され、インフルエンザが大流行した後だけに反響が大きく、
順調に版を重ねているという。
「もっとも、親の下心とは関係なく、子供は絵本そのものを楽しんで読んで
いるような気がします」と山本さん。
楽しさにまぎれて、少し注射が身近に感じられるかもしれないと、期待の
1冊だ。
ネコの「ノンタン」と仲間たちの、遊びやいたずら、失敗などを描く人気絵本
『ノンタンシリーズ』からは、『ノンタンがんばるもん』(キヨノサチコ作、
偕成社、840円)が選ばれた。
ブランコから落ちたノンタンは、耳をけがして病院に運ばれる。
待ち受けていたのは、看護師さんによる注射。
注射嫌いのノンタンは思わず逃げ出してしまうけれど、友達に励まされて
勇気を振り絞る。
「ノンタンというキャラクターの人気で読ませる絵本ですが、ファイトが
わいてくる1冊です」と山本さん。
<仕組みを理解>
少し年上の子供には、創作絵本『よーするに医学えほん』シリーズの
『からだアイらんど インフルエンザ編』(きむらゆういち・川田秀文作、
中地智絵、横山泉監修、講談社、1,890円)もおすすめ。
人間の体内を1つの国にたとえて、ウイルスが侵入すると体がどのように反応
するのか、分かりやすく、科学的に解説。
インフルエンザの仕組みを理解することで、不安も克服できそうだ。
山本さんは「普段経験できないことを経験したり、行けない場所へ連れて
いってくれたり、子供たちの世界を広げてくれること。それが絵本の魅力」と
考えている。
「病院や注射が怖くて圧迫感を抱く子供も、ファンタジーの世界をもつ
ことで、もしかすると何か楽しいことがあるのかも、そんな気持ちになって
もらえれば」
<これも お薦め>
おすすめの絵本はほかにもある。
「病院への恐怖心をとりのぞくなら、これ」(山本さん)というのが『さるの
せんせいとへびのかんごふさん』(ビリケン出版、1,680円)だ。
へびの看護婦さんの八面六臂の活躍ぶりが爽快だ。
また、『いたいのいたいのとんでけ』(福音館書店、945円)は、だれもが
知っている呪文の力を再認識させてくれる。
http://sankei.jp.msn.com/life/body/101110/bdy1011101420002-n1.htm