カテゴリー : 結核

結核:日本は先進国にもかかわらず中蔓延国

[あなたの処方箋:/85 結核/3 貧困層、外国人の増加が蔓延要因に]

(毎日新聞  2011年2月9日)


「去年の猛暑がこたえました」
埼玉県ふじみ野市の塗装工の男性(62)は仕事が減り始めた約1年前から
工事現場などの警備員を掛け持ちしていた。
昨年8月ごろからのどの奥の方から出る変なせきが続き、交通整理のための
声も出なくなった。
数カ所の医療機関を回り、昨年9月に専門病院で結核の感染が判明した。


結核予防会複十字病院(東京都清瀬市)の尾形英雄副院長は「結核患者には
臨時労働者や住所不定者など、社会経済的弱者が多い」と指摘する。

同会の調査によると、結核患者の生活保護割合が高い自治体では全体の
罹患率も高い傾向があり、東京都と政令市の患者数が全国の約38%
(2009年)を占めている。
仕事を休めなかったり、無保険で受診できないことなどから感染が広がり
やすいと考えられている。


さらに近年、20代の若者の罹患率の高さも問題になっている。
活動範囲の広さや不規則な生活が発病の危険性を高めていると見られている。

大阪府出身の医療従事者の男性(26)は2009年11月、職場の健診で感染が
判明した。
症状はなかった。
男性は「職場の病院で結核患者に接する機会もあった。だが、なぜ自分が
(感染するのか)とショックだった」と話す。


1998年以降、20代を中心に外国籍の患者の割合も増えている。
2009年の全国の20代の患者1,699人のうち外国籍の患者は、母国でも患者の
多い中国、フィリピンを中心に427人(25.1%)に上る。


世界保健機関(WHO)の推計によると、世界で毎年約900万人の結核患者が
発生し、約300万人が死亡。
その99%が途上国に集中している。

日本は先進国にもかかわらず人口10万人当たりの患者数は19人と、10人を
超える「中蔓延国」のままだ。

米国(4.3人)、カナダ(4.7人)、スウェーデン(5.4人)、オーストラリア
(5.5人)など「低蔓延国」の水準になるのに20~30年はかかると考えられて
いる。


尾形副院長は「今の日本では誰もが結核に感染する可能性があると思って
早期に受診することが大切。地域の感染を減らすため保健所などの対策も
必要だ」と話している。


http://mainichi.jp/select/science/news/20110209ddm013100032000c.html   






網走刑務所で結核集団感染 15人感染、3人発症

[網走刑務所で結核集団感染 15人感染、3人発症]

(朝日新聞  2010年11月22日)


網走刑務所(北海道網走市)は22日、受刑者の1人が結核を発症し、この患者
から受刑者14人に感染したと発表した。
14人のうち2人が発症したが、ともに快方に向かっている。
他の感染者も投薬治療の結果、発病の兆候はないという。

北海道保健福祉部は集団感染はほぼ終息したとみている。

道によると、感染者はすべて男性。
約1,200人の全受刑者について血液検査をしたところ、新たな感染者は
見つかっていないという。

網走刑務所や道によると、40代の受刑者が肺結核であることが3月に
わかった。
網走保健所などが調査した結果、この患者と同室だったり、近くで刑務作業を
したりした50代と40代の受刑者計2人が発症し、他に12人が感染している
ことが確認された。


http://www.asahi.com/health/news/HOK201011220001.html   


新規結核患者連続減少も地域差大きく、欧米の4倍

[新規の結核患者10年連続で減少 地域差、依然大きく]

(共同通信  2010年8月25日)


厚生労働省は25日、2009年に新たに結核を発症し、患者として登録された
人は前年から590人減少して2万4,170人に、人口10万人当たりの新たな
患者数を示す罹患率も0.4減少して19.0になり、ともに10年連続で減少したと
発表した。


罹患率は地域差が大きく、都市部で高い傾向が続いている。
都道府県別では、高い順に大阪(31.5)、東京(25.0)、愛知(22.4)。
低い順では群馬(10.2)、山梨(11.0)、長野(11.3)だった。


日本の罹患率(19.0)は依然として先進国の中で最高水準で、米国(4.3)や
カナダ(4.7)の約4倍、スウェーデン(5.4)やオーストラリア(5.5)の
約3.5倍だった。

厚労省結核感染症課によると、人口密度の高さや高齢化が影響している
可能性があるという。


新たな患者のうち、70歳以上の占める割合は前年より増加し、50.1%と半数を
超えた。

http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010082501000642.html

ミトコンドリア難聴

[ミトコンドリア遺伝子変異による感音難聴]

(東京医科歯科大学耳鼻咽喉科・教授 喜多村健先生)


ミトコンドリアにも遺伝子のゲノムがあります。
そして、哺乳類の受精に際しては、精子のミトコンドリアは排除されるため、
ミトコンドリア遺伝子変異は母系遺伝の形式となります。
ミトコンドリア遺伝子に変異が生じますとミトコンドリアの機能障害が出現
します。
その際、主にエネルギーの供給が障害されます。
その結果、エネルギーに大きく依存している骨格筋、中枢神経、心、内耳
などにおいて様々な症状が出現します。

ミトコンドリア遺伝子変異で重要となるのは、ミトコンドリアDNAの塩基番号
3243における変異で生じる母系遺伝の糖尿病と感音難聴です。
日本人の原因不明の両側性感音難聴の3%に、このミトコンドリア遺伝子
変異が認められると報告されています。

ミトコンドリアDNA塩基1555位の変異で生じる非症候群性感音難聴は、
アミノ配糖体抗生物質に感受性のある感音難聴、原因不明の感音難聴の原因の
一部と考えられています。
日本の原因不明の両側性感音難聴の約3%に1555変異があるとされて
います。

http://www.okayama-u.ac.jp/user/med/oto/hhhjpn/hhhsub2.html  


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[ミトコンドリア遺伝子1555A>G変異]

(信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室)

近年、アミノ配糖体抗生物質に対する内耳の易受傷性がミトコンドリア遺伝子
1555A>G変異に関連することが報告され、難聴との関連が分子遺伝学的に
明らかとなってきた。
頻度調査によれば外来を受診する感音難聴患者の約3%に、またアミノ配糖体
抗生物質の投与歴がある難聴患者の約30%にこの遺伝子変異が見出されている

多施設共同研究により人工内耳の適応になった高度難聴患者140例を検索
したところ14例(10%)の患者にこの変異が見出された。
従ってこの変異は日本人の言語習得後失聴の重要な原因の1つであると考え
られる。

このミトコンドリア1555A>G変異に伴う難聴に関してはアミノ配糖体抗生
物質の投与を避けることにより高度難聴はある程度予防が可能であること
から、現在我々の施設ではミトコンドリア遺伝子変異のスクリーニング
システムを確立するとともに薬物カードを配付し予防に努めている。

http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/ent/nonsyndromic/Mit1555.html  

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[アミノ配糖体系抗生物質]

日本薬学会

アミノ糖を構成成分とする抗生物質の総称。
グラム陽性菌、グラム陰性菌、結核菌などに対して有効で抗菌力も優れて
いる。
ストレプトマイシン、カナマイシン、ネオマイシン(フラジオマイシン)、
ゲンタマイシン、トブラマイシン、ジベカシン、アミカシンなどが含まれる。

聴器毒性と腎毒性の発症頻度が高く、アミノ配糖体系抗生物質に共通の有害
反応として、第VIII脳神経障害による聴力低下、神経系障害前庭機能障害に
よるめまいや平衡失調がある。

腎排泄のため、腎障害者では薬剤が蓄積される。

ミトコンドリアDNA塩基1555位の変異で生じる非症候群性感音難聴は、
アミノ配糖体抗生物質に感受性のある感音難聴の原因の一部と考えられて
いる。
(2005.10.25 掲載)(2009.1.16 改訂)


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[ストレプトマイシン]

(Wikipedia)

最初に発見されたアミノグリコシド類であり、結核の治療に用いられた最初の
抗生物質である。

ストレプトマイシンはタンパク質合成を阻害することによりバクテリアの
成長や代謝を停止させる。
具体的には、バクテリアのリボソーム上の 23S rRNA に結合し、代謝を担う
あらゆるタンパク質の合成、つまりリボソーム上でのポリペプチド鎖の合成の
開始を阻害する。

真正細菌(バクテリア)型リボソームのみに選択的で、真核生物及び古細菌型
リボソームは阻害を受けない。
人も真核生物に属すため、ダメージは少なくバクテリアのみに効果を与える
ことができる。

ただし、ミトコンドリアのリボソームが阻害を受けるため投与量によっては
副作用が出る。

なお、ストレプトマイシンは消化管からの吸収がよくないため経口では投与
できず、筋肉注射を行わなければならない。


<副作用>
他のアミノグリコシド系抗生物質と同様に第VIII脳神経、腎臓に対する毒性を
持つので、副作用として難聴、腎障害等が現れる。
したがって投与に際しては聴覚機能、腎機能検査の併用が必要であり、
副作用の兆候が現れたら投与を中止すべきである。

かつては、ストレプトマイシンによる難聴は「ストマイ難聴」と呼ばれた。

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[「ストマイつんぼ」大原富枝・著]

(毎日新聞)

<海外に紹介される迫力の表現>

◇「ストマイつんぼ」大原富枝・著(新潮文庫『婉という女』所収)

少女時代にかかった結核がいったん治癒したが、戦後になって再発し、長期
療養の生活に入る。
肉体が結核菌に蝕まれる恐怖に怯えながら、薬物の重い副作用に耐える。
それよりも「わたし」を苦しめたのは社会から隔離された孤独を味わうことで
ある。
新聞や雑誌を読んでいると、結核にまつわる報道ばかりが目にとまり、この
難病によって多くの悲劇が引き起こされたことを知ってはっとする。
ラジオをつけると、群衆の怒号、応援歌、金切り声の演説、けたたましい
サイレンの音が耳鳴りと幻聴とともに聞こえてくる。
小さな空間に閉じこめられていても、戦後の混乱した世相が刻々と伝わって
くる。

ラディという犬をつれて散歩しているうちに、ガキ大将の少年を知る。
仲良くなるにつれ、いっしょに原っぱで遊ぶようになった。
ある日、偶然、少年が自宅でお茶漬けをかき込んでいるところを目にする。
驚いた少年はとっさに背を向け、その後「わたし」を避けるようになる。
しばらくしてから、彼がC夫人を殴ったということで、担当刑事が聞き込みに
訪れた。
警察の下心を見抜いた「わたし」は少年に不利な証言を一切せずにその場を
切り抜けた。
もう少年たちには会えなくなったが、彼らは結核にならず、自由を謳歌して
ほしい、と心の中で祈っている。

大原富枝の代表作といえば、おそらく『婉という女』を挙げる人が多いで
あろう。
しかし、海外に翻訳・紹介されるなら、断然「ストマイつんぼ」のほうが
迫力がある。
「第七感界の囚人」という副題が示したように、変調を来した五感や、屈折
した孤独感は無造作に模写されるのではない。
薬物が原因の幻聴と、難病に苦しむ心理と身体感覚は意表をつく修辞法と、
個性的な文章で表現されている。

(サンデー毎日 2010年4月11日号より)

http://mainichi.jp/enta/book/review/archive/news/2010/03/20100330org00m040069000c.html

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