[花粉症“自己流”服薬に注意 眠気・・・受験生などに影響も]
(産経新聞 2011年2月8日)
つらい花粉症の季節がやってきた。
予測では、今年のスギ・ヒノキ花粉の総飛散量は昨夏の猛暑の影響で、例年の
10倍以上。
平成20年の調査では国民の3人に1人が症状を持つが、意外にも病院を受診
している人は少ない。
ただ、市販薬には眠くなるものもあり、受験シーズンの子供に影響を与える
こともある。
自己流の服薬には注意が必要だ。
(道丸摩耶)
<通院は半数以下>
「平成10年から10年間で、花粉症の患者は国民の約2割から3割に増えた。
アレルギー性鼻炎全体で見ると、3割から4割に増えているんです」と解説
するのは、鹿児島大大学院医歯学総合研究科の黒野祐一教授(耳鼻咽喉科)
だ。
もはや“国民病”ともいえる花粉症だが、きちんと病院で治療している人は
少ない。
昨年12月中旬に調査会社「アイシェア」(東京都渋谷区)が行った意識調査
(2,766人)によると、自分は花粉症であると自覚する人(1,046人)の
半数が「病院に行ったことがない」と回答。
平成15年に厚生労働省が発表した調査(3万6,506人)でも、病院を受診した
アレルギー性鼻炎患者は半数に満たなかった。
では、多くの患者は何もしていないかというと、マスクで花粉を防ぐほか、
市販の点鼻薬や目薬、飲み薬で対応しているようだ。
昨年12月の同調査では、花粉症患者の4割近くがマスクや市販薬など何らかの
対策をする予定と答えた。
「ところが、この調査では、市販薬を飲んで眠くなった経験を持つ人が7割も
いたことが分かりました」と黒野教授。
なぜ、市販薬は眠くなるのだろうか。
<子供には禁止の国も>
東京逓信病院(千代田区)薬剤部の大谷道輝副薬剤部長は「花粉症の治療には
いくつかの薬が使われるが、飲むと眠くなる薬は抗ヒスタミン薬でしょう。
眠気を感じなくても、気づかないうちに作業効率が落ちていることがあり
ます」と説明する。
これは、くしゃみや鼻づまりを改善させるという抗ヒスタミン薬の鎮静作用が
脳にも影響を与えるためだ。
その結果、話す速度が低下したり、転倒したりする危険もある。
大谷副部長によると、こうした危険を重くみて、米国では4歳未満、英国など
では6歳未満の子供に対して、抗ヒスタミン薬の使用が禁止されていると
いう。
「最近になって開発された『第2世代』といわれる抗ヒスタミン薬では、眠気
など脳への影響は抑えられるようになった。でも、市販の抗ヒスタミン薬は
『第1世代』がほとんど」と大谷副部長。
第1世代の抗ヒスタミン薬は、市販の風邪薬やせき止め薬などにも多く
みられる。
海外では、抗ヒスタミン薬を飲んだ学生の方が、鼻炎症状がある学生に比べ、
落第する率が高かったという研究結果もある。
幼児だけでなく、受験生にも影響を与える危険があるため、“自己流”での服用
には注意が必要だ。
黒野教授は「マスクなど患者自身の対策に加え、症状が少しでも出たら、
抗ヒスタミン薬は有効です。ただ、その種類や服用方法については医師や
薬剤師に相談してほしい」とアドバイスしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110208-00000123-san-soci