カテゴリー : 薬剤耐性菌

帝京大病院:多剤耐性緑膿菌に4人が院内感染 1人死亡

[帝京大病院:多剤耐性緑膿菌に4人が院内感染 1人死亡]

(毎日新聞  2010年9月4日)


ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性菌アシネトバクター・バウマニに患者
46人が院内感染した帝京大病院(東京都板橋区、1,154床)で、別の入院患者
4人が多剤耐性緑膿菌に院内感染し、うち1人が死亡していたことが
分かった。


病院は2日にアシネトバクターについて東京都に報告した際、緑膿菌に
ついても報告したが、3日の会見では、病院も都も公表しなかった。
理由について都は「緑膿菌の感染例はよくあり、規模も小さかったため」と
している。


都によると、今年6~8月に4人の感染が確認され、このうち、8月24日に
敗血症で1人が死亡した。
都は「感染と死亡との因果関係は否定できない」としている。
治療中の3人は個室に収容し、感染の拡大防止を図っている。


緑膿菌は、水回りなど生活環境中や人の皮膚などに広く存在する。
健康な人が感染することはまれだが、重い病気で免疫力の低下した人が感染
した場合、死亡するケースもある。
【石川隆宣】


http://mainichi.jp/select/science/news/20100904k0000e040030000c.html   

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多剤耐性菌感染2010特集


藤田保健大病院でも耐性菌院内感染、瀬戸保健所に報告

[耐性菌で院内感染、藤田保健大病院でも24人]

(読売新聞   2010年9月4日)


愛知県豊明市の藤田保健衛生大学病院で今年2月以降、複数の抗生物質が
効かない多剤耐性の細菌アシネトバクターに入院患者24人が院内感染していた
ことが分かった。

うち6人が敗血症や消化管出血などで死亡したが、感染の重症化が死亡原因に
なった例はないという。


同病院によると、2月10日に患者1人から菌を検出し、直後に別の5人から
見つかったため、同15日に緊急会議を開き、瀬戸保健所に報告した。

その後も救命救急センターや一部病棟で感染者が出たが、国立大学付属病院
感染対策協議会の指導を受けながら拡大防止を図った結果、7月下旬以降、
新たな感染者は確認されていないという。
感染経路は調査中としている。


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多剤耐性菌感染2010特集


院内感染で病院の検査見直しへ 多剤耐性菌で、東京都

[院内感染で病院の検査見直しへ 多剤耐性菌で、東京都]

(共同通信  2010年9月4日)


帝京大病院(東京都板橋区)で多剤耐性のアシネトバクター菌や緑膿菌で院内
感染し患者が死亡した問題で、東京都は4日、8月の定期検査で院内感染を
見抜けなかったことを重視、検査の在り方を見直すことを始めた。

警視庁が6日にも病院の医師から任意で事情聴取する方針のため、都は同庁
から求められれば検査資料などを提供する。

都によると、帝京大病院は高度な医療を担う「特定機能病院」で、厚生労働省
と合同で8月4日に医療法に基づき定期検査を実施。
院内感染防止対策に当たる専任の医師と専従の看護師が1人ずつしか
いなかったため「体制が薄いので充実を図るように」と指摘。

しかし、検査時には既に、アシネトバクター菌の感染との因果関係が否定
できない患者の死亡が7人いたにもかかわらず、帝京大病院は検査の際に報告
しなかった。
このため病院側から自発的に伝えられなくても、院内感染の有無や状況を
厳しくチェックする検査項目の新設を検討している。


http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010090401000603.html   

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多剤耐性菌感染2010特集




多剤耐性菌感染:速やかな報告 厚労省が要請へ

[多剤耐性菌感染:速やかな報告 厚労省が要請へ]

(毎日新聞  2010年9月4日)


帝京大病院での多剤耐性菌アシネトバクター・バウマニの院内感染を受け、
厚生労働省は近く、医療機関が同菌による院内感染の疑いを把握した場合は
速やかに保健所へ報告することなど、対策の徹底を「日本感染症学会」など
関係学会を通じて要請することを決めた。


厚労省は2009年、対策や速やかな報告を求める通知を出したが、帝京大病院
からの報告は大幅に遅れた。
厚労省は「現場の医師らに通知が十分伝わっていない可能性がある」として、
改めて通知の周知を呼びかけることにした。
【佐々木洋】



http://mainichi.jp/select/science/news/20100905k0000m040057000c.html


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多剤耐性菌感染2010特集>  




アシネトバクター感染症について

[アシネトバクター感染症について]

(横浜市衛生研究所)


<流行は?>
アシネトバクターは、土壌や水の中によく見られる細菌です。
医療従事者など、健康な人々の皮膚にも見られることがあります。

アシネトバクター属には、病原性のあるいろいろな”種”が属していますが、
アシネトバクター-バウマニという”種”による感染例が、アシネトバクター
感染症の報告例の約80%を占めます。

アシネトバクターは、病院内にも存在して、ときとして、院内感染、日和見
感染を起こすことがあります。

日和見感染とは、体力・免疫力に問題のない人では病気を起こすことが
ほとんどないような微生物が、体力・免疫力の弱まった人に感染して病気を
起こすような場合を言います。
入院患者には、体力・免疫力の弱まった人が多いので、院内感染では日和見
感染が多いです。
旅人はその日の日和を見て晴れなら出発、雨なら今日も宿で雨宿りと決めたり
します。
日和見感染の微生物は、その時の人の体力・免疫力を見て、問題のない人に
対しては静かにして、弱まった人に対しては襲いかかっているようにも見え
ます。

体力・免疫力の弱まった人での感染では、アシネトバクター感染症が死因と
なる場合や、死亡に寄与する場合がありえます。

アシネトバクターによる集団感染が病院の集中治療室(ICU)や病棟などで
重症患者に見られることがあります。


アシネトバクター-バウマニによる肺炎が病院以外で発生することは少ない
ですが、アルコール依存症患者、喫煙者、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者、
糖尿病患者、肺がん患者、腎不全患者、肝硬変患者、高齢者などで見られる
ことがあり、致死率は40〜64%と高いです。
咳・発熱・呼吸苦で発病し、急激に呼吸不全・ショックへと進み、敗血症
ショックや多臓器不全などで死に至ることがあります。


アシネトバクター-バウマニは、暖かく湿っぽい環境を好むとされ、アシネト
バクター-バウマニによる肺炎の発生は、熱帯・亜熱帯の国(オースト
ラリア・クウェート・トルコ・台湾・タイ・パプア-ニュー-ギニア)で多く、
また、暖かい季節に多いです。

また、アシネトバクターが健康な人々の皮膚等で保持されている率も季節に
より差があり、香港の看護学校新人生および医学生では、冬季の32.2%に
対して、夏季では53.4%と高率でした。


近年、アメリカ合衆国におけるアシネトバクター-バウマニ感染症患者に
おいて、イラクやアフガニスタンで戦った帰還兵が増えています。
アメリカ合衆国の軍隊におけるアシネトバクター-バウマニ感染症患者の
増加は、イラクにおける戦闘開始直後の2003年3月から見られました。
外傷を負ったアメリカ合衆国軍の兵士の多くは、ドイツのLandstuhl区域医療
センターやアメリカ合衆国のWalter Reed陸軍医療センターへ搬送される前に
野戦病院で応急的な処置を受けます。
アシネトバクター-バウマニ感染症は、これらの医療センターで入院時
あるいは入院後まもなくの検査で明らかになっています。
外傷を負う前に皮膚にアシネトバクター-バウマニを保持していたか、外傷を
負った際に土壌からアシネトバクター-バウマニを得た可能性があります。
野戦病院内の環境中からも物品等の表面からアシネトバクター-バウマニが
分離されていて、遺伝子的な分類でも、患者から分離されるアシネト
バクター-バウマニと合致するものでした。
野戦病院内でアシネトバクター-バウマニを得た可能性もあります。

上記のアメリカ合衆国での状況と似た状況が、アフガニスタンで外傷を負った
カナダ軍の兵士たち、イラクで外傷を負ったイギリス軍の兵士たちでも
見られています。



<どんな病気?>
アシネトバクター感染症は、アシネトバクターという細菌によって引き起こ
される感染症です。

アシネトバクター感染症には、肺炎、敗血症、尿路感染症、髄膜炎、創傷・
火傷の感染などがあります。
アシネトバクターによる肺炎の症状としては、発熱、悪寒、咳などが見られ
ます。
一方で、傷口や気管切開の部分に、存在していても、何の症状も起こさない
場合もあります。


アシネトバクター感染症の治療には、抗生物質が使用されます。
しかしながら、よく用いられる抗生物質の多くが無効な場合(多剤耐性)が
しばしばあり、注意が必要です。
多剤耐性(MDR)のアシネトバクター感染症の治療は難しいです。
病巣から分離されたアシネトバクターに有効な抗生物質を使っての治療が
原則となります。


平成21年(2009年)1月23日、日本のある大学病院から、多剤耐性アシネト
バクターによる“院内感染”の発生の報告がありました。

3ヵ月の間に大学病院の救命救急センターの集中治療室を中心に複数の患者が
多剤耐性アシネトバクターに感染しており、2008年10月から2009年1月
までに23 名の患者から多剤耐性アシネトバクターが分離されました。

感染が確認されたアシネトバクターは日本で利用可能な一部の抗菌薬
(ミノサイクリン、イセパマイシン)で治療が可能ですが、他のほとんど
全ての抗菌薬に耐性を示しています。

大学病院が多剤耐性アシネトバクターによる院内感染ではないかと認識した
のは2008年12月1日です。
その時点で8名の患者から同じ薬剤耐性パターンを示すアシネトバクターが
分離されていました。
大学病院では、直ちに、同集中治療室の対策確認と接触感染予防策の強化を
行いました。

遡って調査を行った結果、同じ耐性パターンを示すアシネトバクターが最初に
分離されたのは、2008年10月20日に大学病院に入院となった患者である
ことが判明しました。
この患者は渡航中に韓国の病院へ入院後、状態が悪化し、集中治療を受けた
まま、大学病院の救命救急センターの集中治療室へ入院しました。

23名の患者全員が入院の契機となった基礎疾患が重症であり、22名が大学
病院入院後、人工呼吸器の管理を受けた病歴があります。

2009年1月23日現在で死亡者は4名です。
大学病院の内部調査では2名は死因と無関係、残り2名は死因への関与の
可能性は低いと考えるが、全く関係が無いとの断定は困難と判断されました。


アシネトバクターは環境中に普遍的に存在する菌である事から、2回にわたる
環境調査を大学病院は行いました。
2回目の環境調査の結果、人工呼吸器装着2日目と4日目の2名の患者の装着
器材(バイトブロック)より、多剤耐性アシネトバクターが検出されました。
この他、消毒済みのバイトブロックからもアシネトバクターが検出され
ました。
大学病院では、標準的な感染対策に基づき、同器材を消毒後に再生使用をして
いましたが、環境調査の結果判明後、個別使用に切り替えました。


2009年1月23日現在では、2009年1月15日を最後に大学病院では新たな感染
患者は発生していませんでした。


なお、その後、3名の患者から多剤耐性アシネトバクターが分離され、多剤
耐性アシネトバクターが分離された患者は累計26名となりました。
最後に分離されたのは2009年1月28日のことで、以後、新たな感染患者は
発生しませんでした。

26名の患者について、多剤耐性アシネトバクターが検出されたのは、喀痰と
創部でした。

喀痰から多剤耐性アシネトバクターが検出された患者は、全員、人工呼吸器
管理を受けていました。

創部から多剤耐性アシネトバクターが検出された患者は、救命救急センター
以外の病棟でも認められて、医療従事者の接触による2次感染が疑われ
ました。

26名の患者とバイトブロックから検出された多剤耐性アシネトバクターは、
パルスフィールドゲル電気泳動法によるタイピング解析で同一の遺伝的背景を
持つことが確認されました。

多剤耐性アシネトバクターの菌血症となった患者や多剤耐性アシネトバクター
感染が死因となった患者はいなかったとのことです。



http://www.city.yokohama.jp/me/kenkou/eiken/idsc/disease/acinetobacter1.html
   

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多剤耐性菌感染2010特集




帝京大病院 院内感染 情報共有に遅れ、拡大防止策後手に

[帝京大病院 院内感染 情報共有に遅れ、拡大防止策後手に]

(毎日新聞  2010年9月3日)


帝京大病院(東京都板橋区)で3日発覚した、多剤耐性菌アシネトバクター・
バウマニによる院内感染。
46人もの感染者を出した背景には、病院内での情報共有が遅れ、拡大防止策が
後手に回ったことがある。
また、国や都への速やかな報告を怠り、8月にあった国などの定例の検査でも
院内感染の事実を申告しなかった。
同病院は高度な医療を提供する病院として国が指定した「特定機能病院」で、
ずさんな対応が問われそうだ。
【藤野基文、大場あい、石川隆宣】


同病院によると、現場の医師や検査部署は今年2月には、同菌の感染が増えて
いることを把握。
だが「散発的な発生」とみて、感染症に対応する院内の感染制御委員会には
報告せず、病院全体での対策は取らなかった。

しかし、4月の時点で感染者は9つの病棟に拡大。
こうした事態に病院側は5月の連休明け、初めて院内感染の可能性と対策の
必要性を認識した。

その後の調査で、感染は2009年8月から毎月発生していたことが判明。
病院は7月末に調査委員会を発足させ、外部の専門家を交えて対応を協議
した。
感染制御部スタッフの専従人員を増やすことなどの提言を受け、8月9日に
強化した新体制をスタートさせた。

一方、厚生労働省は、同菌の院内感染を疑う事例を把握した場合には、
速やかに報告するよう求めている。
だが、同病院が東京都や板橋区、厚労省へ報告したのは今月2日。
森田茂穂院長は会見で「現場の対策で手いっぱいで報告が遅れた。もっと早く
報告すべきだった」と謝罪した。

報告する機会はほかにもあった。
厚労省と都は8月4日、年1回特定機能病院を対象に行う定例の立ち入り
検査を実施。
医療法で規定されたスタッフの数や医薬品の管理、院内感染防止などについて
約7時間調査した。

しかし、同病院は院内感染の事実は告げず、事実上隠ぺい。
都の担当者は「意図的に隠してはいないのでは」としたものの、「検査の
対象が広範囲。重大な事故があった場合は病院から申し出てほしい」と
話した。


院内感染対策に詳しい松本哲哉・東京医科大教授(感染制御)は「国内での
感染例はまれなので、1つの医療機関での感染例が1、2人にとどまらず、
それぞれの確認時期があまり空いていないようなら、院内感染を当然疑う
べきだった」と話す。
また、感染者がいる病棟や診療科が違っていても、患者の検体を調べる部署は
限られ、院内で感染が増加していることは把握可能だという。
松本教授は「46人という感染者数は非常に多い。もっと早く対策を取ることが
できたのでは」と指摘する。



<血液・総合内科病棟での感染者多く>
病院によると、最初の感染者確認は2009年8月。
西館16階の血液・総合内科病棟に入院していた患者だった。
同病棟では今年6月までほぼ毎月のように感染者が確認され、最終的な
感染者数も14人と突出して多い。

最初の感染者が確認された翌月の昨年9月には、1階下の同館15階総合内科
病棟でも感染者が見つかり、10月には4階循環器センターに飛び火した。
11月には東館13階神経内科病棟、12月には東館15階の呼吸器・総合内科病棟
と、感染者は病棟を超えて拡大し、最終的には8フロア11病棟にまたがった。

院内感染対策を取らないまま、スタッフによって菌が運ばれ拡大した可能性が
ある。


<感染者数の推移>
2009年8月  1人
   9月  2人
   10月  2人
   11月  2人
   12月  1人
2010年1月  3人
   2月  4人
   3月  1人
   4月  9人
   5月  7人
   6月  6人
   7月  1人
   8月  7人



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多剤耐性菌感染2010特集



帝京大学病院 多剤耐性菌に46人が院内感染 9人が死亡か

[帝京大病院 多剤耐性菌に46人が院内感染 9人が死亡か]

(毎日新聞  2010年9月3日)


帝京大病院(東京都板橋区、1,154床)は3日、ほとんどの抗生物質が
効かない多剤耐性菌アシネトバクター・バウマニに患者46人が院内感染し、
27人が死亡したと発表した。
うち9人は死亡と感染の因果関係が否定できないという。

国内で同菌の大規模な院内感染が明らかになるのは、2009年の福岡大病院に
次いで2例目で感染者数は最多。

帝京大病院は5月には認識したが、保健所に報告したのは今月2日で、都は
「報告遅れは不適切」として厳重注意した。
警視庁は業務上過失致死の疑いもあるとみて調べている。


同病院によると、感染したのは、肺がんや脳梗塞など重症の病気で入院した
92〜35歳の男女46人。
27人は昨年10月〜先月にかけて死亡した。
うち12人は死亡と感染の間に因果関係はないとみられ、6人は因果関係が
不明という。


同病院は今年2月、患者4人から同菌が見つかり、福岡大病院の例もあった
ことから、感染制御部が院内各科に同菌への警戒を呼びかけた。
その後、4月に9人の感染が確認されたことなどから、5月の連休明けに
なって院内の感染制御委員会が「院内感染」として対策に乗り出した。
過去にさかのぼって調査した結果、耐性パターンの同じ感染患者が46人確認
され、第1例は2009年8月に検出された患者と推定されることが分かった。
感染ルートなどは分かっていないという。


東京都福祉保健局によると、都は病院が板橋区保健所に報告した今月2日、
病院への立ち入り検査を実施。
報告遅れについて病院側は「(感染が増えた)4〜5月は現場での対策を重視
した」と釈明したという。


また都医療政策部は会見で、感染が広がった原因について「11の病棟で感染が
確認されたことを考えると、医療スタッフによって拡大した可能性は否定
できない」と指摘。

帝京大病院の感染防止対策の専従の医師と看護師が1人ずつだったことから、
同規模の病院に比べて態勢が不十分との認識を示した。
【佐々木洋、石川隆宣】



<アシネトバクター・バウマニとは>
最近10年で世界的に急増している、複数の薬剤が効かない細菌の一種。
アシネトバクター菌自体は水や土壌の中などに存在しており、健康な人は感染
しても発症しない。
しかし免疫力が低下した人が感染すると、肺炎や敗血症で死亡することが
ある。

アシネトバクター・バウマニの多剤耐性菌は1990年代から欧米で増加し、
2000年ごろにはほとんどの薬が効かない種類が出現した。
国内では2009年に福岡大病院で、同菌による院内感染が判明した。


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強力な多剤耐性菌が拡散=インド・パキスタンから—死者も監視強化

[強力な多剤耐性菌が拡散=インド・パキスタンから
                  —初の死者、監視訴え・国際チーム]

(時事通信 2010年8月17日)


抗生物質がほとんど効かなくなる遺伝子を持つ多剤耐性菌がインドや
パキスタンで広がり、両国に旅行して感染する例が増えていると、インド・
マドラス大や英健康保護庁(HPA)などの国際研究チームが16日までに
英医学誌ランセット電子版に発表した。


AFP通信によると、パキスタンで交通事故に遭い、入院した際にこの耐性菌に
感染したベルギー人男性が帰国後の6月に死亡。
最初の死者と報じられた。

インドなどで治療を受けた際に感染した人は英国やオーストラリアでも
見つかった。


この遺伝子は「ニューデリー・メタロベータラクタマーゼ1(NDM—1)」と
呼ばれる酵素を作る働きがあり、大腸菌や肺炎桿菌などさまざまな細菌に
広がっている。

研究チームは、NDM—1遺伝子を持つ細菌が世界各地に拡散する可能性が
高く、各国当局が協力して監視する必要があると指摘している。

研究チームによると、この遺伝子は細菌が染色体とは別に持つ小さな環状DNA
「プラスミド」にあるため、細菌から細菌へ移りやすい。

多剤耐性菌によく使われる「カルバペネム系抗生物質」が効かないことが、
懸念を高める要因となっている。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100817-00000000-jij-int    

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耐性菌、医療ツーリズムで拡大? インドから欧州へ

[耐性菌、医療ツーリズムで拡大? インドから欧州へ]

(朝日新聞  2010年8月17日)

【ワシントン=勝田敏彦】
ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性細菌がインド、パキスタンから欧州に
広がっていることがわかった。
安価な医療などを求めて世界を旅する「メディカルツーリズム」が拡大を
助けたとみられる。
英国、インド、パキスタンなどの国際チームが論文を発表したが、インド
からは反発も出ている。


英医学誌ランセットの伝染病専門姉妹誌に先週掲載された論文によると、
チームはインド、パキスタン、英国の患者から分離された大腸菌などを分析。
幅広い抗菌効果を示す抗生物質カルバペネムに対する耐性遺伝子「NDM1」
を持つ細菌の試料をインド、パキスタンから計143例、英国で37例見つけた。

カルバペネムは重症の感染症の治療の「最後のとりで」ともされる重要な薬。
耐性菌の発生を防ぐため、乱用は強く戒められているが、論文によると、
インドでは処方箋なしで大量に使われ、耐性遺伝子発生の温床になっていると
いう。

英国の患者の多くは、美容外科手術などを受けるために、医療費が安い
インドやパキスタンに旅行していた。
チームは、患者は現地で感染して帰国したとみている。


今回見つかった細菌は病原性がそれほど高くないと見られるが、チームは、
耐性遺伝子がほかの細菌へと飛び移って耐性が広がりやすい性質に注目。
ほとんど抗生物質が効かない病原性の高い菌が生まれるおそれがあり、
「世界的な医療問題になる可能性がある」と監視の必要性を訴えている。


こうした指摘に対し、インドは反発している。
耐性遺伝子の名前が首都ニューデリーにちなむこともあり、現地メディアに
よると、野党・インド人民党の幹部は「論文はインドがメディカルツーリズム
の人気目的地となってきたタイミングで出ており、疑わしい」と述べた。
AFP通信によると、パキスタンを旅行していたベルギー人男性が6月、この
耐性遺伝子を持つ細菌に感染して死亡した。


http://www.asahi.com/health/news/TKY201008170101.html

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薬剤耐性菌の感染で初の死亡確認、ベルギー人男性

[薬剤耐性菌の感染で初の死亡確認、ベルギー人男性]

(AFPBB News2010年8月15日)

発信地:ブリュッセル/ベルギー

【8月15日 AFP】
パキスタンを旅行していたベルギー人男性が、南アジア起源の薬剤耐性菌に
感染し、帰国後に死亡していたことが明らかになった。
ブリュッセルでこの男性を治療していた医師が13日、同国のメディアに
明らかにした。
この細菌による死者が明らかになったのは初めて。


これよると、男性は旅行中に交通事故で脚に大けがを負い、現地で入院して
治療を受けた後、ベルギーに帰国していた。
帰国時にはすでに感染していたという。
コリスチンという強力な抗生物質を投与したが効果がなく、6月に死亡した。


ベルギーでは、この男性とは別に故国のモンテネグロを旅行中に事故に遭い、
モンテネグロで入院した後に感染していることが分かった男性も確認されて
いる。
この男性は帰国後にベルギーで治療を受け、7月に回復した。


ルーヴェン大学の細菌学者、Youri Glupczynski氏はAFPに対し、「この
細菌の発生の中心はインドとパキスタンだとみられるが、接触と旅行によって
広い地域に広がっているようだ」と語った。


この細菌は、NDM-1(New Delhi metallo-beta-lactamase-1)という酵素
遺伝子を持ち、多剤耐性菌による症状の救急治療の現場で「最後の手段」と
されているカルバペネム系抗生物質にさえ耐性を示すことから、世界的な感染
拡大が懸念されている。


http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2748386/6074504  

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