カテゴリー : 原因のある耳鳴り・難聴・めまい

携帯音源の音量注意を  雑音の中で音を聞き分ける能力が弱まる

[携帯音源の音量注意を 「異常なし」でも聴力低下]

(共同通信  2011年3月3日)


イヤホンなどを通じて携帯音楽プレーヤーを大音量で聞き続けると、雑音の
中で音を聞き分ける能力が弱まるとの研究成果を、自然科学研究機構生理学
研究所(愛知県岡崎市)の岡本秀彦特任准教授らがまとめ、2日付米科学誌
プロスワン電子版に発表した。


この能力の低下は、静かな個室で1つ1つの音を聞く通常の聴力検査では
発見しづらく、異常なしと診断されるが、脳や神経が負担を受けていると
みられるという。


岡本准教授は「周囲の雑音を減らす機能を使うなどし、音量は控えめに」と
使用者に呼び掛けるとともに、雑音の中での検査の必要性も指摘した。


岡本准教授らは、20代の男女のうち、日常的に大音量で携帯音楽プレーヤーを
使う13人と使わない13人を対象に、特定の周波数の音に対する脳の反応を
調査。
雑音が少ないと聴覚に違いはなかったが、雑音がある場合、常用者は脳の
反応が鈍り、音を聞き分ける能力が弱まっていたという。


http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011030301000017.html    






新生児300人に1人が感染 サイトメガロウイルス

[新生児300人に1人が感染 サイトメガロウイルス、福医大など全国調査]

(福島民報  2010年12月21日)


妊婦を通して胎児が感染すると難聴や発達障害を引き起こす危険性がある
「サイトメガロウイルス」に、新生児の300人に1人が感染していることが、
福島県の福島医大を含む全国の研究機関による国内初の大規模調査で
分かった。


同ウイルスは成人で感染しても影響はほとんどないが、胎児が感染すると
2割で異常が生じるとされている。
早期に感染が確認されれば対処方法も考えられることから、同大などの
各機関は有効な検査や治療のガイドラインの作成を検討する。


全国調査は、福島医大が独自に県内の難聴者を調べた結果がきっかけで実施
された。
同大で難聴者のへその緒の遺伝子を調べところ、約15%が胎児期にサイト
メガロウイルスに感染していた。

難聴者の追跡調査は国内初めてで、同大独自の判定方法によって実現した。
同ウイルスの胎児への感染とその影響の解明を大きく前進させた。

さらに今回の全国調査によって感染実態がデータで裏付けられたことで、
同大は手洗いをしっかりしたり、口移しをやめたりするなど妊婦の感染
予防策やウイルスそのものに対する理解を広めていきたいとしている。

また早期に感染を確認できれば、抗ウイルス薬投与などの治療の他、人工
内耳の活用や言語訓練などでハンディを最小限に食い止めることもできると
いう。


調査には同大の微生物学、耳鼻咽喉科学、産科婦人科学、小児科学の各講座が
携わった。
中心的役割を果たした錫谷達夫微生物学講座教授(52)は「早期対応が重要。
聴覚異常を確認したら速やかに感染が原因かを調べることで有効な治療に
結び付く」と話している。


全国調査は厚生労働省の事業として県内の4医療機関を含む25機関で平成
20年10月から今年7月までに生まれた新生児2万1,272人を対象に実施した。
0.3%に当たる66人が感染し、経過観察で15人に難聴や発達障害の症状が出て
いる。

県内の対象は2,940人で、0.2%に当たる5人が感染していた。
うち新生児1人が生後6カ月で聴覚障害を発症、福島医大が抗ウイルス薬
投与を6週間続けた結果、聴覚が回復した。



<サイトメガロウイルス>
ヒトヘルペスウイルスの一種で、日本人は20〜30歳までに70%程度が感染
する。
健康体で感染してもほとんど発症しない。
しかし、妊婦が感染すると、胎盤を通じ胎児に感染し、感染した胎児の2割
程度に異常が生じるとされる。
出生時は無症状でも後から難聴、発達障害などの症状が現れることがある。
胎盤以外に唾液や母乳、精液、尿などを介して人から人に感染する。


http://www.minpo.jp/view.php?pageId=4107&blockId=9765905&newsMode=article 


あなたの処方箋:/48 耳鳴り/5止 生活習慣、食事の改善で予防

[あなたの処方箋:/48 耳鳴り/5止 生活習慣、食事の改善で予防]

(毎日新聞  2010年12月10日)


耳鳴りの予防や改善のために日常生活でできることは何か。
坂田英明・目白大学クリニック院長(耳鼻咽喉科)は「疲労やストレス、
寝不足が耳鳴りを誘発する。規則正しい生活とバランス良い食事を心がけ
心身を健康に保つことが大切」と訴える。

まず、食事や睡眠の時間を一定にする。睡眠の質を上げるため、食事は就寝の
3時間前までに済ませ、寝る前に半身浴でぬるめの湯にゆっくりつかる。
耳鳴りで眠れない時は、波や小川の音のCDなどを聴くと、耳鳴りの音が
紛れるという。


食事では、ビタミンB群が耳鳴りの改善に効果的とされる。
ビタミンB12は末梢神経の代謝を促す作用があり、耳鳴りの治療薬としても
使われる。
B1は疲れやすくなるのを防ぎ、B2は疲労や老化の原因となる過酸化脂質を
分解、B6は免疫機能を高める。
ビタミンCやカルシウムも、ストレスやイライラを抑える効果がある。


また、酒とたばこは控え、カフェインや香辛料を取りすぎないよう注意する。
石井正則・東京厚生年金病院耳鼻咽喉科部長は「カフェインの過剰摂取は
神経を異常興奮させ、怒りっぽくなったり耳鳴りを誘発する。1日の摂取量は
250ミリグラムを上限とすべきだ」とアドバイスする。


一方、騒音や強い振動は聴覚器を傷つけ、耳鳴りや難聴の原因となる恐れが
ある。
ヘッドホンの長時間使用や、パチンコ店など大音響の空間に長くいることは
避けた方がいい。

首や肩のストレッチで筋肉の緊張をこまめにほぐすことも推奨されている。

(福永方人が担当しました)



<耳鳴りの改善に効く栄養素を多く含む主な食品>
・ビタミンB12 レバー、アサリ、シジミ、ウルメイワシ、サンマ
・ビタミンB1  豚肉、ウナギ、大豆、玄米
・ビタミンB2  レバー、ウナギ、納豆、卵
・ビタミンB6  マグロ、カツオ、ニンニク

・ビタミンC   ピーマン、レモン、キャベツ

・カルシウム   チーズ、イワシ、干しエビ



http://mainichi.jp/life/health/news/20101210ddm013100014000c.html  



耳鳴り/1 最近は20~30代にも広がり

[あなたの処方箋:/44 耳鳴り/1 最近は20~30代にも広がり]

(毎日新聞  2010年12月6日)


「キーン」「ゴー」など周囲にない音が聞こえる耳鳴りに悩む人が増えて
いるとされる。
耳鳴りは聴覚が衰える高齢者に多いが、近年は20~30代の女性ら若者にも
広がり、原因がはっきりしないケースも少なくないという。

厚生労働省の国民生活基礎調査によると、耳鳴りを訴える人は2007年には
1000,人当たり30.2人で、1995年(21.0人)の約1.5倍となっている。


東京都内のヨガインストラクターの女性(37)は7月から、耳鳴りが気になる
ようになった。
連日、高温多湿の場所で行うホットヨガのレッスンが終わると「高層ビルの
エレベーターに乗った時のように耳が詰まった感じになり、耳の中で『ゴー』
という音が響いた」。
8月下旬には耳鳴りが止まらなくなり、睡眠障害や食欲低下なども起こった。
病院で脱水状態が原因の自律神経障害と診断され、女性はヨガをやめ、水分の
十分な摂取と処方薬の服用で1カ月後には症状がほぼ治まった。

石井正則・東京厚生年金病院耳鼻咽喉科部長は「ホットヨガは発汗量が多く、
1時間のレッスンならスポーツドリンクなどを1~1.5リットルは飲んだ方が
いい。無理なダイエットによる摂食障害も耳鳴りを引き起こすことがある」と
指摘する。



音は空気の振動として耳に入り、鼓膜を通じて内耳に伝わって電気信号に変換
され、脳へ送られる。
耳鳴りや難聴は耳のどこかの器官が異常興奮することで起こる。

一般的に耳鳴りが「キーン」「ピー」といった高音の場合は内耳や聴神経の
異常、「ブーン」「ゴー」など低音なら外耳や中耳の異常が疑われるが、
耳鳴りの原因の約9割は内耳にあるとされる。

石井部長は「耳鳴りは疲労やストレスで一時的に起こることもよくあるが、
長引いたり繰り返す場合は医療機関を受診してほしい」と話す。
(福永方人が担当します)=つづく



http://mainichi.jp/life/health/news/20101206ddm013100043000c.html
   

難聴起こすウイルス、新生児300人に1人感染 厚労省

[難聴起こすウイルス、新生児300人に1人感染 厚労省]

(朝日新聞  2010年11月2日)


胎児の時に感染すると難聴や脳に障害が起きる危険性のある「サイトメガロ
ウイルス」に、新生児300人に1人の割合で感染していることがわかった。
厚生労働省の研究班が新生児2万人以上を対象に国内初の大規模な調査を
した。
抗体のない妊婦が感染すると胎児に感染することがある。

通常は幼児期に感染し抗体があるが、最近は抗体のない妊婦が3人に1人
程度と増えている。
胎児の感染も増加する可能性がある。


研究班は全国25施設で生まれた新生児2万1,272人(2010年7月末時点)を
調査。
尿を採取してウイルスの有無を検査し、66人が陽性と判明した。
幼児期に感染しても症状が出ず、胎内感染でも多くは発症しないが、うち
15人に難聴や脳の発達異常など典型的な症状が見られた。

今回の調査で陽性だった新生児のうち47人を調べたところ、31人は上に兄か
姉がいて多くから同じウイルス株が見つかった。
自然に感染した上の子から、妊娠中の母親が初感染し、それが胎児に感染
したと推測されるという。


この抗体を持っている妊婦の割合は年々低下している。
1986年の国内での調査報告では96%が抗体を持っていたが、今回調査した
妊婦4,306人のうち、確実に抗体があるのは66%だった。
衛生環境の改善などで幼児期の感染が減ったためとみられる。


研究班は先天性感染児への治療ガイドラインも検討。
抗ウイルス薬を6週間投与することで改善する例もあり、難聴も早期に発見し
補聴器をつけることで言語発達への影響を少なくできるという。


研究班代表の古谷野伸・旭川医科大講師は、感染したばかりの乳幼児の尿や
唾液にはウイルスが多く含まれているため、妊婦はおむつを取りかえた後には
手洗いし、口移しやキスなどを避けるよう呼びかけている。


サイトメガロウイルスは、同様に胎児に母子感染症を起こす風疹などとは
違い、感染しても妊婦にはっきりした症状がないため気づきにくい。

古谷野さんは「これまで難聴などの障害があっても原因がわからず、遺伝的な
病気と悩んでいた家族もいたが、サイトメガロウイルスが原因の場合も多い」
と指摘する。
(香取啓介)


http://www.asahi.com/health/news/OSK201011020051.html
    

小耳症:難聴知って 患者らがバンド結成

[小耳症:難聴知って 患者らがバンド結成 
              補聴器で普通の生活「当事者安心させたい」]

(毎日新聞  2010年9月1日)


生まれつき耳の形成が不十分な難病「小耳症」の人たちが音楽バンド「mim
(ミム)」を結成し、小耳症への理解を広めるイベントを企画している。

極めてまれな疾患のため、生活に不安を持つ本人・家族は少なくない。
メンバーたちは「音楽を楽しむこともできると知ってもらい、親や家族に
勇気と安心を届けたい」と練習に励んでいる。
【蒔田備憲】


小耳症は耳介(一般的に「耳」と言われ、体外に出ている部分)が小さ
かったり、外耳道(耳の穴)が閉じている疾患で、原因は分かっていない。
専門家によると発症率は約1万人に1人で、両耳の人も約10万人に1人。
内耳や聴神経の障害は音の電気信号を脳に伝えられないが、小耳症では音を
伝える器官の障害で難聴になっている人が多い。


バンド結成の中心になったのは、両側とも耳の穴が閉じている東京都内の
会社員、伊藤有紀子さん(28)。
きっかけは伊藤さんが開いているホームページ(HP)に、小耳症の子を持つ
親たちから続々と届いたメールだった。
「普通に生活できますか」
「将来結婚できますか」
そんな問いかけに「私たち当事者はそんな不安はほとんど感じずに暮らして
いる。『大丈夫』と言葉で言うのは簡単だけど、親たちの不安を理屈では
なく取り除く方法はないだろうか」と悩んだ。


そのころ出会ったのが、小耳症ではないが片耳難聴のプロドラマー、佐小田亘
さん(39)。
知人の紹介で佐小田さんのライブを訪れた伊藤さんは演奏に心を打たれ
「音楽をしている姿を見せれば納得してもらえる」と思った
佐小田さんも賛同した。

メンバーのうち、ギターの加納翼さん(29)と、ベースの山形早苗さん
(39)は片耳の小耳症だ。
ボーカルは伊藤さんが担当。
2カ月に1回ほどのペースで練習を重ねている。



小耳症への理解とともに伊藤さんたちが訴えているのは、BAHA(Bone 
Anchored Hearing Aid)という補聴器の普及。
BAHAは骨と結合する性質を持つチタンを側頭骨に埋め込み、そこに集音機能
などを持つ機器をつけて骨に直接音の振動を伝える。
1970年代にスウェーデンで開発され欧米で普及したが、日本では未認可だ。

現在小耳症の人の多くが使っているのが、ヘアバンドのように補聴器を
固定し、皮膚の上から骨に振動を伝える補聴器。
頭に圧迫感があり痛みを伴ったり、外見上抵抗があるなど、悩みも多い。

同じように悩んでいた伊藤さんは1999年、日本で初めてBAHAの手術を
受けた。
「補聴器のような装着感がなく、何の苦労もなく音を聞けるようになった」

バンドメンバーの山形さんも、保険適用対象となる医療機器として認可される
ための治験に参加し、BAHAをつけた。
片耳は聞こえるので日常生活に大きな支障はなかったが、初めてBAHAで音を
聞いた時は涙がこみあげた。
「それまで平面だった音が立体になって飛び込んできた。これが『ステレオ』
なんだと知りました」


現在、BAHAは治験を終え、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の審査を
待っている。
伊藤さんは「BAHAをつけた私たちの演奏を見て、聞こえや外見に悩む
小耳症の人たちが生活を改善する選択肢の1つとして知ってほしい」と話す。



伊藤さんはBAHAで音楽を聴いた時の感動を詞に書き、バンドのオリジナル曲
にする予定だ。
来年イベントを開催する計画で、賛同し会場を提供してくれる協力者を募集
している。
連絡は伊藤さん(y‐microtia‐i@shore.ocn.ne.jp)。


http://mainichi.jp/select/science/news/20100901ddm013100185000c.html  


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小耳症とは(Wikipedia)



小耳症とは

[小耳症]

(Wikipedia)

小耳症とは、出生時に耳の形成が不完全で主に通常よりも耳が小さい状態を
指す。

約6,000から10,000人に1人の確率で生まれる先天性奇形である。
確率的には、女児よりも男児の方が高く(男児:女児=2:1)、左の耳
よりも右の耳の方に症状が出る確率が高い。
また両方の耳が小耳症である場合もある。(右耳:左耳:両耳=5:2:2)


<小耳症について>
小耳症の耳には個人差があり一概には言えないが、耳の一部がある場合は
「小耳症」、耳が完全に欠損している場合は「無耳症」とされる。
耳の穴がふさがっていると(外耳道閉鎖症)聴力が低い、または、ほとんど
ない場合がある。
大体の小耳症患者は穴がふさがっている。
これに対する治療法は高度な技術を要し、死に至る可能性もあるため、
小耳症の完全な治療法はまだ見つかっていない。

小耳症は耳鼻科、およびその治療は形成外科に属する。



<小耳症の治療法>
小耳症は人体表面でもっとも複雑といわれる耳に関するもので、形成外科では
難関の問題であった。
1959年に米国の形成外科医タンザー医師が小耳症に関する治療論文を発表
した後、タンザー法が確立、それに続く形でブレンド医師によるブレンド法が
確立した。
これらは自身の骨を使用する。

また、そのほかにもシリコン耳を使用する方法もあった。

1989年に永田医師(日本)による永田法の確立のち、世界では永田法による
治療が主となった。

しかし現在、日本では永田法と異なる方式で行うものもある。
これらはタンザー法、ブレンド法などもしくは一部を改良しているのが
ほとんどである。

また古代インド、ベダ時代(6~7世紀)の「ススルタ大医典」に耳たぶの
修復についての記述がなされており、耳に関する治療の記載では最も古い。

その後20世紀になると、人の耳を移植したりすることもあったが、長期に
わたっての維持は不可能であった。

そして自らの軟骨組織を使用することに行き着き、おもに肋軟骨を使用する。
前述のタンザー法、ブレンド法、永田法も同じである。





家族旅行で息子の症状気づく・・・睡眠時無呼吸症候群

[耳・鼻・のど 読者編:2 家族旅行で息子の症状気づく]

(朝日新聞  2010年5月19日)


<家族旅行で症状に気づいた>
現在中学1年の次男が睡眠時無呼吸症候群だと気づいたのは、2004年。
お正月の家族旅行がきっかけでした。

夜、ふと目覚め、布団をはいでいないか、と子どもたちを見ると、いつもは
大きな次男のいびきが聞こえず、呼吸が止まっていました。
1分近く止まって、ふーっと大きく息を吐く、という感じで、死んでしまう
のではないか、と不安になったほどでした。

いつもは離れた子ども部屋で寝ていることもあり、そうした異常には気づき
ませんでした。
正月明け、寝ている間に呼吸の様子を録音したテープを持って、病院に相談に
行きました。

もともと大きい扁桃が気道をふさぎ、呼吸が止まっているとの説明でした。
当時は身長100センチで体重は16キロほど。
以前にも扁桃が大きいと言われたことはありましたが、まさか呼吸が止まる
とは。

幼稚園を卒園した春休みに手術をしました。
小学校生活が始まると無呼吸状態はなくなり、睡眠が十分になったせいか、
あっという間に体重も増えました。
(東京都、田中弓子さん、41歳)





<いつもの歌遊びに反応なく>
4歳の娘は2009年12月、突発性難聴になりました。
朝、いつものように「元気ですか」と歌あそびで呼びかけても、娘の返事は
なく、心配になり話しかけると、全く関係のない言葉が返ってきました。
左耳が生まれつきほとんど聞こえていなかったのですが、頼りにしてきた
右耳も聞こえなくなっていたのです。

吐き気が強い薬の治療に1カ月間、親子で耐えました。
でも、聴力はもとの半分程度にしか回復せず、補聴器をつけることになり
ました。
あらゆる手続きに時間を要し、先の見えない不安と焦りでいっぱいでした。

その後、ろう学校での支援に切り替えるため、発達検査を受けると、言語の
コミュニケーション能力は2歳程度と言われました。

今は、週1回ろう学校に通っています。
信頼できる専門家にめぐりあい、娘はもちろん、私も言葉の発達を促す方法を
学ばせてもらっています。
ここに至るまで5カ月。
もっと早く、こうしたケアを受けられていたら、と今さらながら強く思い
ます。
(京都府、塔下弥生さん、41歳)

http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201005190215.html

ミトコンドリア難聴

[ミトコンドリア遺伝子変異による感音難聴]

(東京医科歯科大学耳鼻咽喉科・教授 喜多村健先生)


ミトコンドリアにも遺伝子のゲノムがあります。
そして、哺乳類の受精に際しては、精子のミトコンドリアは排除されるため、
ミトコンドリア遺伝子変異は母系遺伝の形式となります。
ミトコンドリア遺伝子に変異が生じますとミトコンドリアの機能障害が出現
します。
その際、主にエネルギーの供給が障害されます。
その結果、エネルギーに大きく依存している骨格筋、中枢神経、心、内耳
などにおいて様々な症状が出現します。

ミトコンドリア遺伝子変異で重要となるのは、ミトコンドリアDNAの塩基番号
3243における変異で生じる母系遺伝の糖尿病と感音難聴です。
日本人の原因不明の両側性感音難聴の3%に、このミトコンドリア遺伝子
変異が認められると報告されています。

ミトコンドリアDNA塩基1555位の変異で生じる非症候群性感音難聴は、
アミノ配糖体抗生物質に感受性のある感音難聴、原因不明の感音難聴の原因の
一部と考えられています。
日本の原因不明の両側性感音難聴の約3%に1555変異があるとされて
います。

http://www.okayama-u.ac.jp/user/med/oto/hhhjpn/hhhsub2.html  


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[ミトコンドリア遺伝子1555A>G変異]

(信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室)

近年、アミノ配糖体抗生物質に対する内耳の易受傷性がミトコンドリア遺伝子
1555A>G変異に関連することが報告され、難聴との関連が分子遺伝学的に
明らかとなってきた。
頻度調査によれば外来を受診する感音難聴患者の約3%に、またアミノ配糖体
抗生物質の投与歴がある難聴患者の約30%にこの遺伝子変異が見出されている

多施設共同研究により人工内耳の適応になった高度難聴患者140例を検索
したところ14例(10%)の患者にこの変異が見出された。
従ってこの変異は日本人の言語習得後失聴の重要な原因の1つであると考え
られる。

このミトコンドリア1555A>G変異に伴う難聴に関してはアミノ配糖体抗生
物質の投与を避けることにより高度難聴はある程度予防が可能であること
から、現在我々の施設ではミトコンドリア遺伝子変異のスクリーニング
システムを確立するとともに薬物カードを配付し予防に努めている。

http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/ent/nonsyndromic/Mit1555.html  

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[アミノ配糖体系抗生物質]

日本薬学会

アミノ糖を構成成分とする抗生物質の総称。
グラム陽性菌、グラム陰性菌、結核菌などに対して有効で抗菌力も優れて
いる。
ストレプトマイシン、カナマイシン、ネオマイシン(フラジオマイシン)、
ゲンタマイシン、トブラマイシン、ジベカシン、アミカシンなどが含まれる。

聴器毒性と腎毒性の発症頻度が高く、アミノ配糖体系抗生物質に共通の有害
反応として、第VIII脳神経障害による聴力低下、神経系障害前庭機能障害に
よるめまいや平衡失調がある。

腎排泄のため、腎障害者では薬剤が蓄積される。

ミトコンドリアDNA塩基1555位の変異で生じる非症候群性感音難聴は、
アミノ配糖体抗生物質に感受性のある感音難聴の原因の一部と考えられて
いる。
(2005.10.25 掲載)(2009.1.16 改訂)


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[ストレプトマイシン]

(Wikipedia)

最初に発見されたアミノグリコシド類であり、結核の治療に用いられた最初の
抗生物質である。

ストレプトマイシンはタンパク質合成を阻害することによりバクテリアの
成長や代謝を停止させる。
具体的には、バクテリアのリボソーム上の 23S rRNA に結合し、代謝を担う
あらゆるタンパク質の合成、つまりリボソーム上でのポリペプチド鎖の合成の
開始を阻害する。

真正細菌(バクテリア)型リボソームのみに選択的で、真核生物及び古細菌型
リボソームは阻害を受けない。
人も真核生物に属すため、ダメージは少なくバクテリアのみに効果を与える
ことができる。

ただし、ミトコンドリアのリボソームが阻害を受けるため投与量によっては
副作用が出る。

なお、ストレプトマイシンは消化管からの吸収がよくないため経口では投与
できず、筋肉注射を行わなければならない。


<副作用>
他のアミノグリコシド系抗生物質と同様に第VIII脳神経、腎臓に対する毒性を
持つので、副作用として難聴、腎障害等が現れる。
したがって投与に際しては聴覚機能、腎機能検査の併用が必要であり、
副作用の兆候が現れたら投与を中止すべきである。

かつては、ストレプトマイシンによる難聴は「ストマイ難聴」と呼ばれた。

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[「ストマイつんぼ」大原富枝・著]

(毎日新聞)

<海外に紹介される迫力の表現>

◇「ストマイつんぼ」大原富枝・著(新潮文庫『婉という女』所収)

少女時代にかかった結核がいったん治癒したが、戦後になって再発し、長期
療養の生活に入る。
肉体が結核菌に蝕まれる恐怖に怯えながら、薬物の重い副作用に耐える。
それよりも「わたし」を苦しめたのは社会から隔離された孤独を味わうことで
ある。
新聞や雑誌を読んでいると、結核にまつわる報道ばかりが目にとまり、この
難病によって多くの悲劇が引き起こされたことを知ってはっとする。
ラジオをつけると、群衆の怒号、応援歌、金切り声の演説、けたたましい
サイレンの音が耳鳴りと幻聴とともに聞こえてくる。
小さな空間に閉じこめられていても、戦後の混乱した世相が刻々と伝わって
くる。

ラディという犬をつれて散歩しているうちに、ガキ大将の少年を知る。
仲良くなるにつれ、いっしょに原っぱで遊ぶようになった。
ある日、偶然、少年が自宅でお茶漬けをかき込んでいるところを目にする。
驚いた少年はとっさに背を向け、その後「わたし」を避けるようになる。
しばらくしてから、彼がC夫人を殴ったということで、担当刑事が聞き込みに
訪れた。
警察の下心を見抜いた「わたし」は少年に不利な証言を一切せずにその場を
切り抜けた。
もう少年たちには会えなくなったが、彼らは結核にならず、自由を謳歌して
ほしい、と心の中で祈っている。

大原富枝の代表作といえば、おそらく『婉という女』を挙げる人が多いで
あろう。
しかし、海外に翻訳・紹介されるなら、断然「ストマイつんぼ」のほうが
迫力がある。
「第七感界の囚人」という副題が示したように、変調を来した五感や、屈折
した孤独感は無造作に模写されるのではない。
薬物が原因の幻聴と、難病に苦しむ心理と身体感覚は意表をつく修辞法と、
個性的な文章で表現されている。

(サンデー毎日 2010年4月11日号より)

http://mainichi.jp/enta/book/review/archive/news/2010/03/20100330org00m040069000c.html

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風力発電の町、エコだけど 低周波音の悩み

[風力発電の町、エコだけど「低周波音」の悩み]

(読売新聞  2009年9月29日)


エコブームを追い風に普及する「風力発電」や、空気中の熱を利用して湯を
沸かす省エネタイプの「家庭用給湯器」。
環境にやさしいはずの機器から「低周波音」が出ているとして、不調を訴える
人が相次ぎ、環境省が調査に乗り出す。
一体何が起きているのか。


静岡県東伊豆町。
相模湾を望む山腹に住宅が立ち並び、谷を隔てた隣の尾根に10基の白い風車が
立つ。
支柱の高さは65メートル、羽根の直径は77メートル。
巨大な風車群は町のシンボルだが、住民の川澄透さん(79)は「試運転が
始まってから、船酔いのような症状が出て、夜中に何度も目が覚めるように
なった」と憤る。
近隣の30人ほどが同じような体調不良に悩むという。

川澄さんは、低周波音が原因で同じような症状を訴える人がいることを、医師
から聞いて知った。
1秒間に空気が振動する回数をヘルツと言い、1〜80ヘルツの音波を低周波音
と呼ぶ。
高速で走る車の窓を開けた時に聞こえる「ボボボッ」という音が典型的だが、
周波数が低くなると、人の耳には聞こえない。
環境省によると、低周波音に関する苦情は1990年代まで全国で年間40件前後
だったが、2000年度は115件、07年度は181件に増えている。


所変わって東京・板橋区の女性会社員(39)宅。
庭の向こうに隣家の給湯器が見える。
エアコンの室外機に似た小ぶりな姿だが、「あれが動き始めると、頭の中が
小刻みに震えるんです」と女性は訴える。



工場や建設工事の騒音は騒音規制法で音量の基準が定められ、違反すれば
罰則もあるが、低周波音には規制がない。
「感じ方に個人差があるため」と環境省。
同省によれば、低周波音が人に苦痛を与える原因も、苦情が増えている理由も
分かっていないという。


大手造船重機メーカーの元技術社員で、在職中、騒音問題にかかわったこと
から低周波音の問題にも詳しい成蹊大非常勤講師の岡田健さん(65)は、
「国は低周波音が人に影響を及ぼす仕組みを解明し、低周波音を出す機器を
設置できる場所を制限すべきだ」と訴える。


こうした声や苦情の増加を受け、環境省は今年度から愛媛、愛知両県の風車の
周辺で、低周波音と住民の健康状態の因果関係を調べることを決めた。
冬場の風の強い時期に、風車からの低周波音を測定し、住民の声を聞き取る
方針だ。
「これまで環境省は、我々が低周波音の被害を手紙で伝えても、現地に来る
こともなく、実態を調べようとしなかった。今度こそ、苦しむ声に謙虚に耳を
傾けてほしい」
川澄さんはそう話した。
(木田滋夫)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090928-00001234-yom-soci  

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