[ 生体とヨウ素]

(Wikipedia)


体内で甲状腺ホルモンを合成するのに必要なため、ヨウ素は人にとって必須
元素である。
人体に摂取、吸収されると、ヨウ素は血液中から甲状腺に集まり、蓄積
される。


海洋の中にある日本では食生活の中で海藻などから自然にヨウ素の摂取が
行われるが、大陸の中央部ではヨウ素を摂取する機会がほとんどないので、
ヨード欠乏症による甲状腺異常が多く発生した。


アメリカではFDAの規定により食塩の中に一定量のNaIが混入させてある。

また、モンゴルでは日本からの援助で国民にヨウ素剤を服用させた結果、
甲状腺異常の患者を激減させた。
中国では食塩にヨードの添加を義務付けている。
また、日本ではヨードを含有することをうたった鶏卵が売られている。


逆にヨード制限食を必要とする際には、昆布などの摂取を控えなくてはなら
ない。


同位元素による甲状腺シンチグラムには、123-Iなどを用いる。


チェルノブイリ原子力発電所の事故では、核分裂生成物の131-Iが多量に放出
されたが、これが甲状腺に蓄積したため、住民に甲状腺ガンが多発した。

放射能汚染が起きた場合、放射性でないヨウ素の大量摂取により、あらかじめ
甲状腺をヨウ素で飽和させる防護策が必要である。

そのため、日本は国民保護法に基づく国民の保護に関する基本指針により、
核攻撃等の武力攻撃が発生した場合に、武力攻撃事態等対策本部長又は
都道府県知事が、安定ヨウ素剤を服用する時期を指示することになっている。

なお、独立行政法人放射線医学総合研究所は、たとえヨウ素を含んでいても
うがい薬や消毒剤など、内服薬でないものは「安定ヨウ素剤」の代わりに
飲んだりしないようにとしている。