[内臓脂肪防ぐ仕組み解明 根本治療に道]

(産経新聞 2007年2月9日)


メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を防ぐ働きがあるホルモンの
「アディポネクチン」が体内で作用するメカニズムを、東京大大学院医学系
研究科の門脇孝教授らの研究チームが、マウスを使った実験で突き止めた。
メタボリック症候群の根本的治療法開発につながる可能性がある。
米科学誌「ネイチャー・メディシン」(電子版)に発表した。


アディポネクチンは脂肪細胞から出るホルモンで、脂肪を燃焼してインスリン
の働きを助ける善玉物質。
肥満や内臓脂肪蓄積で脂肪細胞が肥大化すると、このホルモンが低下し、
糖尿病などのリスクが高まることがわかっていた。


研究チームは、体内でアディポネクチンと結合する2種類の物質(受容体)を
作れなくしたマウスについて、血糖値やインスリン抵抗性を調べた。
その結果、受容体を欠いたマウスでは、糖尿病を防ぐ作用が消失することが
判明。

逆に、肥満マウスの肝臓で受容体の遺伝子発現を上昇させると、糖尿病が
顕著に改善した。

これらの実験結果から、受容体とアディポネクチンが結びつくことで、血糖
制御や脂肪代謝、インスリン抵抗性を改善させると結論づけた。


日本人ノ40%は遺伝的に、アディポネクチンが少ない体質で、高脂肪食や運動
不足などの生活習慣とともにメタボリック症候群の増加要因となっている。


門脇教授は「今回の成果をもとに、2種類の受容体と同じように働く治療薬の
開発が期待される。遺伝的要因にも環境(生活習慣)要因にも効果がある
メタボリックシンドロームの根本的治療につながる」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070209-00000029-san-soci