[知られざる歯周病の脅威 (2)30~50歳代は8割以上、予防が大切]

(読売新聞  2010年9月7日)


[講演]定期的に歯科医訪ね、歯の維持管理を・・・村上伸也さん
村上伸也(むらかみ・しんや)1984年大阪大歯学部卒。
米国立衛生研究所研究員などを経て、2002年に同大歯学研究科教授になり、
2008年から現職


全国規模で日本人の歯茎の状態を調べた「歯科疾患実態調査」(2005年)に
よると、30~50歳代の8割以上が歯周病でした。
程度の軽い人も含みますが、これほど多くの人がかかっている病気なのです。

歯を抜く原因は、20歳代は虫歯が多い(61%)ですが、50歳代になると、
歯周病が原因のケース(55%)が増えます。
そのため、特に中高年以降になると、歯を守るために歯周病の予防が大切に
なります。

歯周病はほとんど自覚症状がありません。
1度失われたあごの骨や歯茎はもとに戻らないので、早く気づいて治療する
ことが大事です。
歯周病を起こす細菌は口内に毎日たまりますから、日々のケアも大切です。

たばこを吸う人は吸わない人よりも2~8倍ぐらい歯周病が悪くなりやすく、
治療しても効果が小さいことが知られています。

過剰なストレスも歯周病を悪化させる原因になります。

糖尿病の人で歯茎の異常を訴えるケースは非常に多いです。
ただ、歯科医師に管理してもらい、口の機能を守ることはできます。

私が診たある糖尿病患者の場合、最初は何本かの歯を抜いたのですが、治療が
終わった後は1本も抜いていません。

でも、歯周病になって治療が終わった人と、1度もなっていない人を
比べたら、やはり病気を経験した人の方が再発しやすいです。
だから、治ったからと安心するのではなく、かかりつけの歯科医師を決めて
定期的に訪ね、歯の健康の維持管理に努めて下さい。


日々の歯磨きはとても大切です。
力を入れ過ぎると歯茎が傷つくので、鉛筆を持つような感じで歯ブラシの
毛先を使ってやさしく磨いてください。
バス法とスクラビング法という磨き方が簡単でお勧めです。

歯と歯のすき間が広ければ、歯間ブラシを使うのが有効です。
サイズはいろいろあるので、歯科医師に相談するのがよいでしょう。

口内の組織の一部を使って歯茎や骨を元通りにする「再生医療」も、将来的
には可能になるかもしれません。
でもまずは予防に取り組むことが何より大切です。


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