DHA群では早産が少が少なく、集中治療室に入院した乳児も少ない
[妊娠中の魚油サプリ摂取は産後うつ病や子の認知力向上に効果なし]
(HealthDay News 2010年10月19日)
ドコサヘキサエン酸(DHA)を含有する魚油サプリメントを妊娠女性が摂取
しても、産後うつ病の減少や、生れてくる子の思考(認知)力および言語の
発達向上などの効果はみられないとする研究が、米国医師会誌「JAMA」
10月20日号に掲載された。
オーストラリア、女性・小児健康研究所(アデレード)のMaria Makrides氏
らによる今回の研究では、妊娠21週未満の女性2,399人を、DHA 800mgを
含有する魚油サプリメントを毎日摂取する群と、DHAを含有しない植物油
カプセルを摂取する群に無作為に割り付けた。
被験者は出産まで摂取を継続した。
エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)およびベイリー乳幼児発達検査
(BSID)を用いて、母親のうつレベルおよび出生児の認知・言語の発達を
それぞれ評価した。
出産後6カ月間の産後うつ病の比率はDHA群では9.67%、非DHA群では
11.19%で、両群間に有意差はみられなかった。
新たなうつ病の発症数にも群間差はなかった。
また、生後18カ月の時点で、母親がDHAを摂取した幼児としていない幼児の
間に発達スコアの差はみられず、運動発達や社会情緒的行動などのスコアにも
差はみられなかったという。
なお、DHA群では新生児集中治療室(NICU)に入院した乳児が、対照群に
比較して有意に少なかった。
これは DHA群の早産が少なかったことによるものと考えられる。
同誌付随論説の著者である米ハーバード大学医学部(ボストン)准教授の
Emily Oken博士は、DHA群での早産率の低さは大きなベネフィット(便益)
であると述べている。
また、今回の研究で用いたベイリー乳幼児発達検査は、就学前後にならないと
表面化してこない発達の欠陥を予測するには不十分であると指摘。
魚油サプリメントの安全性を強調するとともに、妊娠女性は水銀含有量が
少なくDHA含有量が多い魚、あるいはサプリメントにより1日200mgの
DHAを摂取することを推奨している。
一方、米マイアミ大学ミラー医学部のGene Burkett博士は、水銀含有量の
少ない魚を食べることを勧めており、サプリメントは魚の代用とはならないと
している。
健康食品業界団体Council for Responsible NutritionのDuffy MacKay氏は
この知見に対し、「今回の研究では、妊娠初期の母親のDHAの摂取状態や、
うつ病の評価を実施した時期がわからない。また、幼児を評価した時点での
DHAの摂取状況もわからない」と指摘し、明確な結論を導くことはできないと
述べている。
http://www.healthdayjapan.com/