亜鉛欠乏症の薬「プロマック」
[亜鉛欠乏症の薬]
(朝日新聞 2010年9月24日)(田辺功の医療よもやま話)
愛知県の50代男性から、以前、私が答えた内容に関するご注意をいただき
ました。
「舌痛や味覚異常」の回で、「プロマック」という薬の名前を出したのは
不適切とのご指摘です。
「田辺さん、プロマックを亜鉛欠乏症に投与することは添付文書上、保険の
適応外処方になります。貝類など亜鉛を多く含む食品はいいとして、保険の
適応外使用を安易に公開していいでしょうか。それよりも製薬会社と医師の
共同研究で実績を発表し、保険適応を実現していかねばいけないのでは。
現状では、万一副作用が出た場合に基金から補償もされません」
いやあ、参りました。まさに正論、おっしゃる通りです。
プロマックは胃潰瘍の薬で、本来、亜鉛欠乏症には保険では使えないのは事実
です。
もともとは2人の方からの
「舌が痛むが、歯科、口腔外科では異常なし。辛いものを食べると痛む」
「口の中に苦みがあり、何を食べてもおいしくない」
というご質問でした。
いずれも亜鉛欠乏症の典型症状で、くわしい医師は食事指導し、亜鉛を含む
胃潰瘍治療薬プロラックを処方していると紹介しました。
亜鉛欠乏症の解消にはサプリメントもありますが、1番確実なのはプロマック
です。
しかし、すべての医師がその薬を知っているわけではありません。
患者さんが相談される時に、固有名詞があれば話が通じやすいし、いろいろ
考えて下さる医師もいるはずです。
1番大事なことは患者さんがよくなることだと思います。
もし、自分の病気を本当に治せる薬が日本にないが、海外にあった場合、
患者さんは知らないより知ったほうがよいのではないでしょうか。
食事をきちんとすれば、プロマックの使用は短期間ですみ、副作用も心配
ないと聞いています。
なお、あの時はあえて書きませんでしたが、実は保険適応外のこの薬の処方を
保険扱いしている県が増えているのです。
今年5月現在、国民健康保険を審査する47の都道府県国保連合会のうち23が
容認している、とのことです。
ただし、正式な承認には時間がかかりそうです。
患者さんが知り、医師が知ることによって容認がもっと広がってほしい、との
気持ちがありました。
https://aspara.asahi.com/column/yomoyama/entry/Hrki07zn7l
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