鼻の中にポリープ「好酸球性副鼻腔炎」
[鼻の中にポリープ「好酸球性副鼻腔炎」 悪化防止 術後も毎日ケア]
(北海道新聞 2010年3月10日)
鼻づまりなど不快な症状に悩まされる副鼻腔炎。
近年、手術を行ってもしばしば再発する「好酸球性副鼻腔炎」の患者が増えて
いる。
ぜんそくの持病を持つ人に多く、症状をコントロールするための日々のケアが
大切だ。
(西村章)
<洗浄しステロイド点鼻薬><放置すればぜんそく誘発>
副鼻腔は鼻の周辺の骨の中にある空洞で、
・前頭洞
・篩骨洞
・蝶形骨洞
・上顎洞
の4つで構成される=図=。
よく知られている一般的な副鼻腔炎(慢性副鼻腔炎)は、細菌感染による
炎症で副鼻腔にうみがたまる病気。
マクロライド系と呼ばれる種類の抗生物質の長期服用や手術で、症状はかなり
改善されるようになってきた。
一方、好酸球性副鼻腔炎は、炎症によって鼻の中と副鼻腔に鼻茸という
ポリープがびっしりとできる難治性の病気。
鼻呼吸ができないため苦しい、においを感じられないなどの症状が表れる。
一般的なぜんそくだけでなく、非ステロイド系の抗炎症薬で引き起こされる
アスピリンぜんそくに合併している人もいる。
北大病院耳鼻咽喉科の中丸裕爾講師によると、患者は大人に多く、ぜんそく
患者の増加とともに増えているという。
大量にできた鼻茸は内視鏡手術で取り除くが、厄介なのは、放置しておくと
ほとんどが再発してしまうこと。
それだけに手術だけでなく、日々のケアを長期にわたって続けることが
重要だ。
具体的には、まず鼻の中を洗うこと。
この病気では、松ヤニのような粘っこい鼻水が出るが、この中には炎症の
原因となる物質がたくさん含まれているので、1日2回程度、生理食塩水で
洗い流す。
その後で炎症を抑えるステロイド点鼻薬を使う。
ステロイドの使用をためらう人もいるが、中丸講師は「点鼻薬なら
ステロイドはごく微量で、鼻の中で大部分が分解されてしまうので、
副作用の心配は少ない」と語る。
ただ、症状のコントロールに努めても、人によっては再発してしまうことが
ある。
ぜんそくと同様に、体調が悪くなると再発しやすい。
だが中丸講師は「ほうっておく場合と比べれば、かなり長い期間、楽に
過ごせる。3年前に手術してから現在まで再発していない人もいる」と、
ケアの必要性を強調する。
この病気は放置するとぜんそくにも悪影響を及ぼす。
鼻は呼吸で体内に入る空気の温度を調節しているが、鼻づまりで口呼吸に
なれば、冷たい空気が直接気道に入り、ぜんそくを誘発しやすくなる。
また、鼻茸はぜんそく発作を引き起こす「ロイコトリエン」という物質を
たくさん作り出すので、ぜんそくを悪化させる。
中丸講師は「手術で鼻茸を除去し、きちんと症状をコントロールすることは、
ぜんそくにもいい影響を及ぼす。悩んでいる人は耳鼻科の専門医に相談を」と
アドバイスしている。
図は、
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/health_news_tokushukiji/86027.html