三叉神経痛・総論
[三叉神経痛・総論]
(口腔顔面痛ハンドブック)
(日本頭痛学会2009論文抄録集)
(日本脳神経外科学会・脳神経外科疾患情報ページ)
(虫歯から始まる全身の病気)
<概要>
三叉神経痛とは顔に痛みの出る病気でである。
「三叉神経」の付け根部分、「小脳」と脳幹の「橋」付近部分で、動脈硬化を
起こすなどして蛇行した動脈によって、三叉神経が圧迫されることによって
発生するケースが多いと言われている。
「歯性病巣感染」が少なくないのではと考えられ始めている。
50歳〜60歳に多い。
男女比は1:2で女性に多い。
<症状>
数秒〜数十秒の発作性電撃痛である。
「三叉神経」の支配領域に一致して電撃痛が起こる。
第2枝単独、第3枝単独、第2枝第3枝合併例が多い。
会話・食事・歯磨き・ひげ剃り・洗顔・化粧などで誘発される。
発作と発作の間は全く無症状である。
痛みの程度には大きな波があり、痛みの頻度が多い時期と、頻度の少ない時期
とがある。
一般的には夏場は頻度が少なくなるが、個人差がある。
睡眠中には発作は起こらない。
<診断>
内服薬「カルバマゼピン」を試しに飲んで、症状が楽になる場合は三叉
神経痛の可能性がある。
但し、カルバマゼピン(テグレトール)はてんかん治療薬のため、口腔
顔面部の疼痛全てで試してみるわけにはいかない。
脳腫瘍や脳梗塞が原因で起こっている三叉神経痛及び類似疼痛もあるので、
MRI診査は受けた方が良い。
<鑑別する疾患>
2年以内に「帯状疱疹」の既往があれば、「帯状疱疹後三叉神経痛」の
可能性がある。
眼の周囲や奥の激しい痛みを起こすものに「群発頭痛」がある。
通常、三叉神経痛よりも長く続く痛みである。
三叉神経痛とは逆で男性に多い。
飲酒で悪化し、酸素吸入で緩和されれば「群発頭痛」の可能性が高い。
鼻炎・鼻閉が片側だけあり、顔面痛の側と一致すれば「副鼻腔炎」の可能性が
ある。
食事時のみの誘発痛であれば「顎関節症」の可能性がある。
但し、顎関節症に伴う疼痛は、通常電撃痛まで著しくない。
「歯ぎしり」や「くいしばり」に伴う疼痛も、通常電撃痛まで著しくない。
酸っぱい物で誘発される激痛は「舌咽神経痛」の可能性があるが、極めて稀な
疾患で
ある。
<治療>
薬物療法、神経ブロック、サイバーナイフ(ガンマナイフ)、手術(神経血管
減圧術)、歯性病巣感染の治療(抜歯および歯槽骨掻爬術)
(1)薬物療法
カルバマゼピン(テグレトール)が三叉神経痛の特効薬とされている。
70%〜80%の人で一時的には痛みが消失あるいは改善する。
カルバマゼピンはてんかん治療薬で、神経の伝達を押さえるため、痛みの
伝達も押さえて痛みを軽くする。
発作がなくなるまで増量するのが一般的である。
カルバマゼピンで効果がない場合、他のてんかん治療薬、
・バルプロ酸ナトリウム(デパケン)
・フェニトイン(アレビアチン)
等を試してみる場合がある。
鎮静系の脳内伝達物質GABA受容体作動薬の「バクロフェン」が有効なことも
ある。
「バクロフェン」は著しい吃逆(しゃっくり)でも使用される。
神経痛も吃逆も、脳神経の過活動を抑制することで発作は治まる可能性が
ある。
(2)神経ブロック
神経痛などの様々な恒常的な痛みを訴えているケースに行なわれる。
専門の麻酔科医師が行う。
三叉神経痛に対しては、「三叉神経ブロック」が行われる。
(3)サイバーナイフ
「サイバーナイフ」は誤差1mm以内の精度で病変部を狙い打つ、定位放射線
治療装置。
作用機序(どうして痛みが取れるのか)が完全にわかっていないし、手術療法
よりも成功率が低いが、当然手術よりも浸襲が少ない。
手術療法を信奉する外科医によれば術後のトラブルが多いので推奨できないと
言うが、サイバーナイフを信奉する医師によればテクニックでカバーできると
言う。
サイバーナイフを行う場合、照射する目標ポイントが2箇所あるそうだ。
そのポイントによって2つの流儀派閥があるそうである。
(4)手術療法
脳幹部から三叉神経が出ている部分にアプローチして、神経を圧迫している
血管を見つけ、移動して減圧する「神経血管減圧術」。
(5)歯科治療
(横山歯科医院)
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「三叉神経痛と歯性病巣感染」
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