[インプラントで困ったら(2) 歯科で清掃 周囲炎防ぐ]

(読売新聞  2010年7月22日)


東京都千代田区の会社役員、B子さん(60)の歯の悩みは、十数年前に入れた
右の下奥歯2本のインプラント。
噛み合わせの調整を繰り返し受けたが、何かが挟まったような違和感が気に
なって、力を入れて噛めなかった。
担当の歯科医の迷惑そうな表情が気になり、クリニックから足が遠のいた。
やがて、周りの歯茎にしまりがなくなり、指で押すとブヨブヨと沈み、出血
し始めた。


歯と歯茎の間に住み着いた細菌が広がり、歯茎が腫れ、歯を支える骨が溶けて
いく歯周病。
インプラントでも同じことが起こる。
「インプラント周囲炎」と呼ばれ、悪化するとインプラントがぐらつき、
取り除かなくてはならなくなる。


近所の歯科医院の指導に従い、インプラントの周りを歯ブラシできれいに
磨いていたが、目立った改善はなかった。
昨年7月、むし歯の治療で受診した東京医科歯科大歯学部付属病院(東京都
文京区)で、歯周病外来を紹介された。
 

同大教授の和泉雄一さんが診察すると、B子さんのインプラント周囲の隙間は
約5ミリの深さがあり、血やウミも出ていた。

治療の柱は、インプラント表面に付いた汚れの掃除。
スケーラーと呼ばれる針状の器具を歯茎の縁から入れて行う。
スケーラーは一般的には金属製だが、インプラント用はプラスチック製。
インプラントに傷を付けると、そこに汚れが付きやすくなるためだ。
針が高速で細かく振動する超音波スケーラーも、フッ素樹脂などで覆われた
専用の針先がある。

清掃後は、歯周病の細菌を殺す効果がある薬をすき間内に塗布。
れらの治療を週1回のペースで4回受けた。噛み合わせが悪いと炎症を悪化
させるので、それも調整した。

現在、B子さんのインプラント周囲のすき間の深さは2ミリほどで、腫れも
なく、歯茎は良好な状態を保っている。
「インプラントにしたことをずっと後悔していましたが、今はもう悪い印象が
消えました」と言う。


和泉さんは「隙間内の汚れは、歯磨きでは十分に取れないので、3~6か月
ごとに歯科での清掃が必要です。年1度は、噛み合わせのチェックも受けて
ください」とアドバイスする。


手術には積極的だが、インプラントの清掃や管理にはあまり熱心ではない歯科
医院もあるので、手術後のケアについても説明をよく聞いておきたい。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=28301

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