ベビーサイン:赤ちゃんと手話 意思通じ、ストレス減少
[ベビーサイン:赤ちゃんと手話]
(毎日新聞 2007年9月5日)
<意思通じ、ストレス減少−−各地で教室>
赤ちゃんと簡単な手話を使ってコミュニケーションをとる「ベビーサイン」が
注目されている。
各地で開かれている教室は新米ママやパパに人気だ。
まだ言葉が話せない赤ちゃんが何を求めているかが分かり、育児ストレスを
減らす効用があるという。
【反橋希美】
東京都千代田区飯田橋の民家で開かれたベビーサイン教室。
教室ではサインの種類や、赤ちゃんに教える方法を計6回で学ぶ。
この日、参加したのは8〜11カ月の赤ちゃんと母親3組。
「子どもがサインをなかなか覚えてくれない」と話す母親(24)に、講師の
矢島由理子さんは「2〜3カ月かかると思って焦らないで」。
矢島さんは「赤ちゃんとしっかりしたきずなをつくりたがっている親は多い」
と話す。
NPO法人「日本ベビーサイン協会」によると、ベビーサインは1990年代半ば
から米国で広まった。
聴覚障害者の両親を持つ乳児が、話すより先に手話を使うことに気づいた
研究者らが提唱した。
日本では20101年ごろから翻訳本で紹介され、2004年8月に同協会が設立
された。
現在、同協会所属の講師は約380人で、約420教室が開かれている。
6カ月ごろから、話し始める1歳半ぐらいまでの乳幼児が対象。
同協会では米国、日本双方の手話をもとにしたサインを教える。
手話にこだわらず、各家庭で独自のサインを作ってもよい。
親がサインをしてみせながら赤ちゃんに「これがミルク」などと繰り返し
語りかけ、覚えてもらうのが基本だ。
ベビーサインのメリットとして同協会の吉中みちる理事長は
・赤ちゃんが「なぜ泣いているのか」「どこが痛いのか」などが分かる
・その結果、親子双方のストレスが減る
・親子のきずなが強まる
などを挙げる。
長女が9カ月の時、ベビーサインを教え始めた長野県諏訪市の学校司書、
松井明子さん(27)は「何がほしいのか分かるので便利だった」と振り返る。
初めて覚えたのは、「ミルク」のサイン。
教え始めて1カ月、「もう無理かも」と思った直後だった。
以後、絵本の動物名などを次々に覚えた。
驚いたのは、1歳になったころ、薄暗くなった家の中で「電気」のサインを
したこと。
松井さんは「言えないだけで、本当はいろいろ感じているんだ」と気づいたと
いう。
便利さが強調される一方で、話し言葉の発達に影響しないか、危惧する親も
いる。
吉中理事長は「言葉かけをせず、ベビーサインを教えたら影響が出る恐れは
ある。だが、むしろベビーサインを覚えた子の方が話し始めた時の語彙が
多いという研究結果がある」と話す。
一方、理化学研究所脳科学総合研究センターの馬塚れい子・言語発達研究
チームリーダーは「言語発達に好影響を与えるといううたい文句に懐疑的な
研究もある」としたうえで、「教えることに害はないと思うが、長期的に見て
言語発達に与える影響は少ないのではないか」と話している。
日本ベビーサイン協会(神戸市中央区)は、ホームページで各地の教室や
イベントを紹介している。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/bebe/news/20070905ddm013100050000c.html
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