母子保健奨励賞:毎日新聞社賞に3人
[母子保健奨励賞:毎日新聞社賞に3人]
(毎日新聞 2010年10月30日)
母子保健の向上に貢献した個人を表彰する第32回母子保健奨励賞(日本母子
衛生助成会・母子保健功労顕彰会主催、母子衛生研究会・家庭保健生活指導
センター協力、厚生労働省・全国衛生部長会・毎日新聞社・NHK後援、日本
ケミカルリサーチ協賛)の受賞者15人が29日、発表された。
毎日新聞社賞には
・岩手県西和賀町国民健康保険沢内病院主任(歯科衛生士)、
内記敬子さん(53)
・奈良県平群町のへぐりCO育てネット代表(保育士)、
赤松邦子さん(51)
・熊本県あさぎり町役場保健環境課主幹(保健師)、恒松みゆきさん(53)
の3人が選ばれた。
他の受賞者は次の皆さん。(敬称略)
<NHK賞>
北海道根室市、藤倉桂子(50)▽千葉県南房総市、福原啓子(53)▽山口県
光市、柏木裕美(51)
<奨励賞>
神奈川県大和市、細田のぞみ(51)▽福井県大野市、山吉尚美(50)▽
山梨県北杜市、三井ひろみ(50)▽岐阜県中津川市、林弥生(52)▽兵庫県
加東市、岸本泉(54)▽ 島根県出雲市、尾添純子(48)▽大分県竹田市、
渡辺由美子(49)▽鹿児島県奄美市、堀之内広子(53)▽福岡県宇美町、
園田英理(51)
<虫歯予防は育児--内記敬子さん>
歯科衛生士として30年以上にわたり、地域の母子歯科保健活動を進めてきた。
「保健師や栄養士らの助けがなければできなかった。賞はみんなへのご褒美」
と仲間に感謝する。
1977年に旧沢内村の国保沢内病院に赴任。
同村は日本で初めて乳幼児死亡率ゼロを達成し注目を浴びていたが、歯科に
ついては3歳児の虫歯有病者率が90%を超え、「暗闇にろうそくすらともって
いない状態」だった。
翌年から保健師らとの連携の必要性を説明して回り、村ぐるみでの歯科予防
活動を始めた。
保育所などへの巡回指導や、乳幼児の世話をする保護者や祖父母への口腔
衛生・栄養指導を続け、歯科保健の普及に努めた。
「虫歯予防は育児の中の1つ。食育や家庭環境など、広い視野に立って指導
しないといけない」と話す。
【湯浅聖一】
<子育ては親育て--赤松邦子さん>
「素人に近い私の活動を評価いただいたことが、多くの人の励みになるなら」
受賞の喜びを控えめに語る。
結婚を機に幼稚園教諭を退職。
2人の子供を育てながら、子育て支援の活動にかかわってきた。
地元の育児サークルに参加した後、1998年3月、サークル仲間と「へぐりCO
育てネット」を結成し、代表に就任。
「CO」には「『子・個・己・community(地域共同体)』を大切に」との
思いを込めた。
町内に託児グループをつくり、託児付きエアロビクス講座を開催するなど
積極的に活動を展開。
現在は「パパちから応援隊」代表も務め、子育てに積極的にかかわる父親
「イクメン」の育成にも力を注ぐ。
「子育てが不安で自信のない親は多い。子育ては親育て」
虐待事件が相次ぐ中、その思いを強くしている。
【熊谷仁志】
<母子見守り30年--恒松みゆきさん>
「母子手帳を受け取る時が母と子の出発点。だからこそ、この時を大切に
したい」
手帳の交付は母子と保健師の最初の出会いでもある。
そこから信頼関係を築いて、妊婦や新米パパ、ママを支援する「両親学級」
や、生後1~3カ月の新生児を自宅に訪ねる「こんにちは赤ちゃん事業」
などにつなげてきた。
1980年、古里の熊本県の旧須恵村役場で保健師になった。
当時、村に保健師は1人だけ。
近くの市町村の先輩保健師に学び、業務をこなしてきた。
2003年の5町村合併で事業は広域化。
町が依頼した母子保健推進員22人も、ほぼ手弁当で新生児訪問を続けてくれて
いる。
町の合計特殊出生率(1.98)は2003~2007年、全国の市町村で17位だった。
「産んでよかった町」の礎を築きながら、「今後は後進の指導にも力を注いで
いきたい」と語る。
【取違剛】
http://mainichi.jp/select/science/news/20101030ddm012040027000c.html