ヒアルロン酸とは(国立健康・栄養研究所情報センター)
[ヒアルロン酸とは]
(国立健康・栄養研究所情報センター)
<概要>
ヒアルロン酸は、眼の硝子体成分として発見された高分子多糖であり、粘性が
高く、動物の結合組織の成分である。
皮膚、腱、筋肉、軟骨、脳、血管などの組織中にも広範に分布している。
生体内では細胞接着や細胞の移動などを制御していることが知られている。
加齢とともに減少することから関節炎などに対する効果、美肌効果などが期待
されている。
俗に「関節痛を和らげる」「美肌効果がある」といわれているが、経口摂取に
よるヒトでの有効性については信頼できるデータは見当たらない。
ただし、外用で口腔粘膜の炎症の治療に、眼内注射で白内障治療の補助剤と
して、関節内投与で骨関節炎の治療に有効性が示唆されている。
安全性については、外用および非経口で適切に使用する場合はおそらく安全と
思われるが、経口摂取の安全性については信頼できる充分なデータがない。
特に妊娠中・授乳中の使用は避けるべきである。
関節内投与の副作用としてアレルギー反応が起こることがある。
<有効性>
(1)眼科
白内障治療の補助剤として、眼内注射はおそらく有効と思われる。
ヒアルロン酸は、この用途以外にも角膜移植、レンズ挿入、緑内障の
フィルタリング手術に対する使用がFDAにより認められている。
眼の外傷や網膜はく離に対してヒアルロン酸を眼内投与で用いている研究が
ある。
この効果については、さらなる科学的根拠の蓄積が必要である。
(2)関節
骨関節炎の治療に、関節内投与は有効性が示唆されている。
この用途はFDAで認められているにも関わらず、その効果にはバラツキが
ある。
主観的な関節のこわばりや痛みはヒアルロン酸治療によりやや改善されるが、
臨床的に有意でない場合もある。
長期使用による症状進行の遅延などについては不明である。
変形性膝関節症患者に対する有益性は不明である。
複数のシステマティック・レビュー(系統的な総説)からは、変形性膝関節症
患者に対するヒアルロン酸の関節内注射に、プラセボ注射を上回る有益性が
あるという明確な根拠は見出せなかった。
(3)口腔粘膜
口腔粘膜の炎症の治療に外用でおそらく有効と思われる。
この用途に対する口腔ゲルの使用は米国のFDAで認められている。
(4)皮膚
予備的な知見によると、火傷、外傷、皮膚潰瘍に対して外用で有効である
可能性があるという報告がある。
この効果については、さらなる科学的根拠の蓄積が必要である。
乾燥肌あるいは肌荒れで悩んでいる35名(試験群17名)を対象とした二重
盲検無作為化比較試験において、ヒアルロン酸を1日に120mg、4週間摂取
させたところ、血清中ヒアルロン酸濃度の上昇および肌の水分量の増加と、
顕微鏡的皮膚表面解析による肌のなめらかさやシワの改善効果が認められたと
いう報告がある。
乾燥肌傾向の成人女性38名(試験群13名、37.6±2.6歳)を対象とした二重
盲検無作為化プラセボ比較試験において、ヒアルロン酸50mg/日を8週間摂取
させたところ、角層水分量および医師による皮膚の乾燥所見に影響は認め
られなかったという報告がある。
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail573.html
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