顔面神経麻痺とは
[顔面神経麻痺とは]
(北海道新聞)
「顔面神経麻痺」
<形を整え自然な表情に>
50代のTさんは朝、起きて鏡を見ると、突然顔の半分が動かず、表情を作る
ことができなくなっていました。
この病気を顔面神経麻痺といいます。
ウイルスが顔の筋肉を動かす神経を侵すことが主な原因です。
このような時は、すぐに大きな病院の耳鼻科を受診して、適切な治療を受ける
ことが必要です。
頭の中や耳の近くのおでき(腫瘍)を手術した後や、事故で頭を骨折した場合
にも、この病気になることがあります。
まゆ毛や目の形が変わり、まぶたを閉じることができず、ほおや口元が動き
にくくなります。
特に笑うときにその違和感が目立ち、人前で笑うことができなくなる人も
います。
「自分の顔が曲がっている」と訴える患者さんもいます。
この病気にかかると10人中2〜3人は、程度の差はありますが不自然な顔の
表情がいつまでも残り、その治療に形成外科手術が必要になります。
Tさんは麻痺症状がその後も残ってしまい、人に会うのが億劫になり、気分が
沈みがちになりました。
そのため耳鼻科の医師から形成外科を紹介してもらいました。
形成外科で行う顔面神経麻痺の手術には、いろいろな方法があります。
Tさんは下がっていたまゆ毛を上にあげ、上まぶたの形を整える手術を受け
ました。
今では顔の左右の表情にほとんど違いは見られず、もとの元気な生活に戻る
ことができました。
麻痺の程度が強い場合は、神経や筋肉を移植して根本的に治療する時もあり
ます。
もし少しでも自分の顔の表情を不自然に感じたり、片方のまゆ毛やまぶたが
下がり気味、目の形がおかしい、左右の口元の動きが違うと思ったら、その
ままにしないで形成外科医に相談してください。
(北大病院形成外科教授:山本有平)