仮面うつ病について
- 2004年 5月 11日
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[仮面うつ病(Masked depression)について]
(九州大学病院心療内科)
仮面うつ病、というのは精神医学的には正式な診断名ではありません。
しかしネーミングが良かったためか、新聞や週刊誌などのマスコミでしばしば
とりあげられましたから、ご存知の方も多いと思います。
「うつ病」という病気は精神的な病気ですが、精神症状だけでなく身体症状も
出現するのです。
身体症状には睡眠障害、食欲不振、全身倦怠感、首・肩の凝り、頭重・頭痛、
などがあり、精神症状としては意欲・興味の減退、仕事能率の低下、
抑うつ気分、不安や取り越し苦労などがあります。
しかし、身体症状と精神症状のどちらが主でどちらが従というものでは
ありません。
では「仮面うつ病」とはどんなうつ病のことでしょうか。
簡単に言えば「うつ病」の精神症状が自覚的にも客観的にもほとんど認められ
ないか、あってもごく軽度のものです。
本症の患者さんはいろいろな身体症状を訴えて各科を受診され、「神経症」、
「自律神経失調症」、「更年期障害」などの診断が下されていることが少なく
ありません。
身体疾患の仮面をかぶった「うつ病」というわけです。
抗不安薬が処方されていることも多いのですが、抗うつ薬を服用すると前述
した身体症状が改善するのも特徴的です。
消化器系の病気は、うつ病を伴うとしばしば症状が悪化しますし、うつ病の
身体症状としての消化器症状も頻度が多いといわれています。
身体症状があると、まず身体的な検査を受けるのが当然ですが、異常が発見
されない場合、「うつ病では?」と疑ってみることも時には必要です。
http://www.med.kyushu-u.ac.jp/cephal/psd/syokaki/masked_D.htm