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仮面うつ病について

[仮面うつ病(Masked depression)について]

(九州大学病院心療内科)


仮面うつ病、というのは精神医学的には正式な診断名ではありません。
しかしネーミングが良かったためか、新聞や週刊誌などのマスコミでしばしば
とりあげられましたから、ご存知の方も多いと思います。


「うつ病」という病気は精神的な病気ですが、精神症状だけでなく身体症状も
出現するのです。
身体症状には睡眠障害、食欲不振、全身倦怠感、首・肩の凝り、頭重・頭痛、
などがあり、精神症状としては意欲・興味の減退、仕事能率の低下、
抑うつ気分、不安や取り越し苦労などがあります。
しかし、身体症状と精神症状のどちらが主でどちらが従というものでは
ありません。


では「仮面うつ病」とはどんなうつ病のことでしょうか。
簡単に言えば「うつ病」の精神症状が自覚的にも客観的にもほとんど認められ
ないか、あってもごく軽度のものです。
本症の患者さんはいろいろな身体症状を訴えて各科を受診され、「神経症」、
「自律神経失調症」、「更年期障害」などの診断が下されていることが少なく
ありません。
身体疾患の仮面をかぶった「うつ病」というわけです。
抗不安薬が処方されていることも多いのですが、抗うつ薬を服用すると前述
した身体症状が改善するのも特徴的です。

消化器系の病気は、うつ病を伴うとしばしば症状が悪化しますし、うつ病の
身体症状としての消化器症状も頻度が多いといわれています。


身体症状があると、まず身体的な検査を受けるのが当然ですが、異常が発見
されない場合、「うつ病では?」と疑ってみることも時には必要です。


http://www.med.kyushu-u.ac.jp/cephal/psd/syokaki/masked_D.htm   




電磁波過敏症と脳血流量の変動

[電磁波過敏症と脳血流量の変動]

(朝日新聞 2003年)


30代の女性は一昨年暮れ、急に体調を崩した。
突然、頭痛がしたり、熱はなにのに体が熱く感じたり、口や手が震えたり。
横になっても動悸が激しく、眠れない夜が続いた。

思い当たる原因はなく、試しにマンション最上階にある自宅を離れてホテルに
宿泊した。
数日で軽快したため、自宅に戻ったところ、再度悪化した。

何度か繰り返すうちに、部屋の真上に携帯電話の中継基地局があり、
数か月前に増設工事があったことを知った。

電子レンジやパソコンを使うと症状がひどくなり、外出先で急に頭が締め
つけられるように痛む時も、近くで携帯電話をかけている場合が多いことに
気が付いた。


電磁波の影響を疑い、神経内科を受診したが、取りあってもらえず「パニック
障害」と診断された。



昨年夏に、北里研究所病院で、実際に電磁波を浴びる検査を受けたところ、
脳の血流量が減るなど、電磁波が影響しているらしいことがわかった。


現在は転居し、家電の使い方も工夫して体調もやや落ち着いたが、いつどこで
症状がでるかと、外出時も常に不安を感じるという。



同病院は昨年来、症状を訴える人を被験者に、電磁波を発生させて体の変化を
測定した。
脈拍や瞳孔の大きさなども調べたが、最も顕著に変化が現われたのは、脳の
血流量だった。

19〜48歳の健康な人のグループでは、電磁波を浴びても血流量がほぼ一定
なのに対して、自覚症状のあるグループでは、個人差があるが、最大40%以上
血流量が減少した。

電磁波過敏症の人は、見た目で症状がわからないために、脳神経系疾患
(従来で言うところの精神病)との区別が難しい。
脳の血流量が変動するメカニズムはまだ解明されていない。


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