[健康飲料からむし歯に]

(NHKためしてガッテン 2008年11月5日放送)


<まさかこれが歯を溶かす原因?>

50代の女性から次のようなお手紙をいただきました。
「寝る前は、お茶やミルクもダメなのでしょうか? 糖分が含まれていな
ければ大丈夫だと思っていたのですが・・・・・」

Aさんのむし歯のケースを紹介します。
Aさんの奥歯には、穴がいくつも空いていました。
むし歯ができた経緯を聞いてみました。
「去年の春に、血圧のために、奥さんが飲んでいたある健康飲料を毎日飲み
始めました。1年あまり飲んで体調も気分も上々と思っていましたが、
歯ぐきの調子が悪くて歯医者に行ったら、むし歯が見つかりました。なんと
先生は、その原因は毎日飲んでいた健康飲料らしいというのです」

その先生は、そのむし歯を「酸蝕歯(さんしょくし)」だと言いました。
むし歯や歯周病の原因は細菌ですが、酸蝕歯に関しては、細菌が関与しないと
いう特徴があります。

酸蝕歯は、「酸蝕症(さんしょくしょう)」とも言います。

Aさんが飲んでいた健康飲料の原材料に含まれていた、はちみつの糖分、
りんご果汁、レモン果汁も原因のひとつであると先生は言います。
さらに、Aさんが体にいいと思って飲んでいた酢にも原因があるというの
です。


そこで実験です。
酢をウシの歯の表面に垂らして観察しました。
すると1時間後には、歯の表面のエナメル質が溶けて内部の組織が見えて
いました。
表面がうっすら溶けていったのです。



<市販の飲み物のpHは?>
市販されている110種類の飲み物の酸性度(pH)を調べたところ、
  ・栄養ドリンク    pH2.5
  ・スポーツドリンク  pH3.8
  ・ビール       pH4.6
  ・ワイン       pH3.3
なんと、今回調べた飲み物のほとんどが酸性だったのです。

  (※全ての市販飲料を調べたわけではありませんので、
    酸性でない健康飲料もあると思われます。)


「むし歯にならないためには、市販飲料は飲まないほうがいい」ということ
ではありません。
今回の番組でお伝えしたのは、「夜歯みがきしたあとには、酸性の飲み物や
糖分を含む飲み物は飲まないほうがいい」ということです。
昼間、時々飲むぶんには、全く心配いりません。
私たちの唾液が酸を中和して元に戻してくれます。

ただし、昼間飲んでいる場合でも、ダラダラと飲み続ける場合は、「酸が歯を
溶かす時間」が「歯を治す時間」を上回って、むし歯になりやすいので注意が
必要です。
また、健康のため毎日習慣的に飲む人の場合は、できるだけ食事と一緒に飲む
ようにすると、唾液がたくさん出るので安心です。
そのような場合は、飲んだあとは、歯みがき!
できない場合は、せめてうがいをしてください。
うがいをすると、酸蝕歯に関してはある程度予防できると考えられています。


————————————————–

ゲータレードはコカコーラよりも早く歯を溶かす?

————————————————–

酸蝕症・酸蝕歯キーワード目次