根管治療(根の治療)Medical Guide
神経を取ってしまうと歯の寿命は大幅に短くなってしまいます。
できればとりたくない・・・
しかし、虫歯が神経までいってしまうと、
神経を取らなければいけなくなります。
出来れば神経は取りたくない…
しかし、神経に感染してしまうと炎症を起こしてしまいます。
炎症を起こしてしまった神経は元には戻せないのです。ずっと炎症を起こしたままになってしまいます。さらに放置すると、神経が死んで根の先の骨の中に膿をためてしまいます。
感染を起こした神経は取るしかなくなってしまうのです。
どうしても神経を取らなくてはいけない場合、神経を取る処理を行います。
神経を取る根の治療は、将来はを失わない為に最も重要な処置と言っても過言ではありません。
どんなに精度の高いかぶせ物を入れても、根の治療がしっかりしていなけば、いずれ根の先に膿をためてしまいます。
噛むと痛みが出たり歯茎が腫れてきたり・・・結局被せ物をはずして再治療しなくてはいけなくなります。
さらに再治療になるほど成功率が下がってしまうのです。
だからこそ、最初の治療で、丁寧で精密な治療が必要なのです。
根の消毒をやったことのある方なら疑問を持ったことはありませんか?
・いつまで同じような治療を何回も何回もしているんだろう・・・そうなのです。根の消毒は時間と通院回数がかかってしまうのです。
・いつまで通院しなくてはいけないのだろう・・・
なぜなのでしょう?
答えは簡単!とても困難で難しい治療だからです。
図は歯の神経です。神経はまるで木の根っこの様です。
彎曲していたり、枝分かれしていたり、時には、2本の神経がくっついていたり・・・
とても複雑に入り組んでいます・・・
これらの感染した神経の根の先まで全てしっかり取り除かなければいけません。
これは、とても困難で高い技術が必要になる治療なのです。- 右図は根の治療の不成功率を表しています。
この図が意味していることは、日本の根の治療は
3割〜5割しか成功していない。
7割から5割失敗するということです。
ちなみにアメリカの根の消毒の成功率は90%〜95%です。
アメリカでは根の消毒の専門医がいるくらいなんです。
それほど難しい治療なのです。
再治療になればさらに成功率は下がります。
根の消毒の失敗は抜歯に繋がってしまう可能性があるのです。
「根の治療」のポイント
●神経を見逃さない
●しっかり根の先まで消毒する
●神経を取った後の空洞をしっかり隙間なく埋める
01POINT
歯科用CT撮影
なかなか歯の痛みが取れない・・・神経が見つからないほどの難治症例の場合、CTで確認します。
歯の神経はとても複雑な形態をしています。
CTを撮ることで神経の形態や本数、見逃している神経もしっかり確認することができます。
地図を持たずに旅に出るより、しっかりと地図を持って旅に出た方が迷子にならなくて済むのです。見てください
歯茎が腫れて痛みが出て来院。レントゲンで根の先が黒くなっています。ここに膿をためて骨が溶けている状態です。過去の治療は根の先まで比較的しっかりと消毒してあります。他にも原因があるのでは?と思いCTを撮ってみました。
穴が
根の先の骨が溶けて穴があいてしまっています。
わかりますか?なんと、2本目の神経が!
しっかり調べてみると、この歯は通常1本の神経なのですが、なんと、2本目の神経が!
症状は改善!
マイクロスコープを使い、細い未消毒の神経を見つけ出し、しっかり神経を取ることで症状は改善しました。
歯科用CTは根の治療を
成功に導いてくれる地図なのです。02POINT
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)は眼科や脳神経外科などの手術で使われていた手術用顕微鏡を歯科用にしたものです。医科の手術では血管や神経など肉眼では見えない手術をマイクロスコープを用いて行います。
治療の際肉眼ではどうしても見えない神経があります。
そんな時、マイクロスコープを使って肉眼を大きく越えた拡大視野で神経の状態を観察することができます。
肉眼では困難な根管(歯の根、神経)の中や歯のヒビなど微細な異変も捉えることができます。肉眼で治療する場合、歯科医師の「勘」や「経験」に頼らざるを得ないことがありますが、マイクロスコープを用いることで、より正確な治療を行うことができ、治療精度が格段に向上します。
03POINT
根管長測定器
根の治療を成功させるもう一つのポイントは根の先までしっかり神経を取ること。手指の感覚だけでは正確な長さははかれません。根管長測定器を使うことで正確な長さを測ることができ、より正確な治療が可能になります。
04POINT
隙間のない根管充填にこだわります
神経を取ると口の中に空洞ができます。
その空洞を埋めることを根管充填といいます。
治療後、根の先に膿をためて再治療にならないためには神経を取った後の空洞をしっかり隙間なく埋めなければいけません。埋めきれなかった隙間のことを死腔(デットスペース)といいます。
死腔があるとそこで最近が繁殖して、治療後、膿がたまってしまったり痛みが出て再治療しなくてはいけなくなる場合があります。出来る限り死腔ができないように緊密にしっかりと埋めなけれないけません。
当院では、緊密な根管充填にこだわります。すべての歯を残せるわけではありません。
しかし、可能な限り歯を残したい。「他院で抜歯と言われた」「何度も再発してしまう」
根管治療で悩まれている方が当院に多く来院されます。
横山歯科クリニックでは根の消毒は患者様には見えない治療なだけに、決して手を抜いてはいけない治療だと考えています!
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